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桂文枝"僕が明石家さんまに説教したこと"

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世界最長放送の同一司会者によるトーク番組が、日本の番組であることをご存じだろうか。その番組は『新婚さんいらっしゃい!』。司会者である桂文枝師匠に、長く活躍する秘訣を伺った。

「こんにちは」を使ってはいけない

芸能界でもビジネス界と同じように礼儀は大切です。特に挨拶。師匠に言われて一番印象に残っているのは、「こんにちは」や「こんばんは」は使ってはいけないということ。「客が来ん」ということで験を担いでいるということもあるのですが、「こんにちは」や「こんばんは」は丁寧語ではないから失礼に当たるとのことです。だから、芸人の場合は、昼も夜も挨拶は必ず「おはようございます」なのですね。


落語家 桂 文枝氏

私も以前はよく若手芸人に、礼儀やマナーの注意をしたものでした。今と違い昔は、芸人といえば軽く見られることが少なくなかった。それで人前で騒いだりする若手には、「芸人である前に1人の社会人として認められることが大切なんだぞ」と諭したりしたのです。当時よく私から注意を受けた某Aさん……明石家さんまさんという方ですが(笑)、今もそのことをネタにして面白おかしく話しています。

でも、さんまさんも今では一緒に仕事をする若手に、よく礼儀に関する注意をしていると聞きます。きっと私のお説教も「悪いことではなかった」と思ってくれているのでしょう。最近は、芸能人もまともで真面目でないとテレビに出してもらえません。世の中の目は確実に厳しくなっています。

今の若い芸人の多くは、先輩に対する挨拶や礼儀はきちんとしていますが、中には人を見て態度を変える人もいます。私自身も若いとき、反省することがありました。師匠と現場を回っていたら、偶然、学生時代の友人と出会ったのです。

懐かしさから「おまえ今どこで働いてんの?」「ここでサラリーマンやってる」「ほな、また遊びに行こうな」などと言って別れたのですが、それを見ていた師匠から、後で「今のは誰や?」と厳しい口調で尋ねられたのです。

「学生時代の親しい友人です」と答えると「おまえは芸人としての自覚がないな」と叱責されました。「芸人にとってはすべての人が客や。友達だろうが何だろうが、ぞんざいな口のきき方をしていたらいい芸人になれん」。そう注意され、芸人としての矜持を持ち、誰に対しても丁寧に接することの大切さを教えられました。

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