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現在の福祉制度が限界であるという日本の現実を直視し、自助保険制度への移行へ。

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私の場合はシンガポールではアルバイト程度しか働いていないのでスズメの涙ほどのCPF積立金しかありませんが、夫には数十年にわたる積み立てがあるため、現在家族全員分の医療保険は年に1回夫の医療口座から引き出されていますし(入院が必要な大きな病気をした場合、この保険を使うと公立病院の医療費がほぼ無料になります)、2人とも55才を過ぎていますので、一定金額までは引き出しも可能です。

問題はシンガポールも平均寿命が伸び、CPFだけでは老後資金や医療費が不足がちになっていること(男性80.8才、女性85才でともに世界6位)。

このため、例えばガンの化学療法や人工透析などの高額医療については、上記の医療保険に加えてメディシールドという任意保険が用意されたり(41才以上70才まで年額5万円程度と非常に安い)、民間病院で先端医療を受けたかったり差額ベッド代をカバーする政府の承認を受けた民間保険がいろいろと発売されています。

また、前述のMerdeka世代の人々には、病院受診時のディスカウントや医療口座やメディシールドへの補助、来年以降本格的導入が決まっている介護保険「ケアシールド」への補助などのプログラムが用意されています。

さらに最近では、CPFの年金部分を補う年金積立保険が政府系の保険会社をはじめいろいろな保険会社から販売されていて(私も入っています)、「贅沢をせずに節約して将来子供の世話を受けないように資金準備しておけば、きっと子供から感謝されるようになる」というテーマのCMもしきりに流れるようになりました(華人系の伝統として子供が老親の生活費をもつのは当たり前で、我が家の義父母も子ども3人が毎月仕送りをしています)。

シンガポールも先進国の一員として国民に必要不可欠な医療が受けられない事態はさすがに避けていますが、過剰な医療費はいっさい払わないのが建前。後期高齢者にだけは若干やさしいですが、それ以外の世代に対しては「利用できる制度は作っておくから自分で何とかしてね」という姿勢が明白です。

公団住宅購入のための貯金についても、自由意志に任せておくと貯金できない人はいつまでもできないので、強制的に給料から天引きした結果、約90%という驚異的な持ち家率になりました。当然、普通の人が老後住むところがない、という事態も滅多に発生しません。

いっぽう、日本の医療保険や介護保険、年金制度の福祉パッケージは、世界でも有数の手厚く国民に優しい制度だと私は思います。特にシンガポールで歯医者の請求書を見るたびに「日本に住んでいれば…」とがっくり肩を落とします。

数カ月前に帰国したときには数年にわたってガン治療をしている旧友と会って話をしたのですが、医療費はほぼ保険でまかなえ、厚生年金で家賃や生活費が払えて十分やっていける、ということを聞いて、こんな制度がある日本はつくづく素晴らしい国だと思いました。

しかし、この素晴らしい制度もすでに限界に達しています。どこをどう考えても現在の日本の年金制度は「100年安心」ではありませんし、医療費も介護保険費もこのままの制度を維持していったら、若い勤労者世帯が自分たちのために貯蓄する余裕はまったくなくなり、生活は苦しくなる一方です。

これでいいわけがありません。

小さいところでいえば、現在すでに年金受給生活に入っている人でも、高齢者でも一定以上の収入や財産がある方々については年金を段階的にカットしていったり、医療費の自己負担率を上げるなどの対策を取り、医療機器のシェアなど医療におけるコストダウンを推進していくなど、まだまだできることはたくさんあるはずです。

そして、最も重要なのはいつの間にか他助(私が若い頃は「支払った年金保険分は自分がもらえるというのが行政の決まり文句でしたが、その約束は果たされそうにありません)になってしまった社会福祉をできるだけ自助に戻し、そのための制度設計を一から作り直すことが必要ではないかと思います。

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以前にこの記事で「夫婦ともに日本でかけていた厚生年金は今後どうなるかわからないので計算外。支給されればラッキーと考えて使います」と書きましたが、これは私の偽らざる気持ちです。「ねんきん定期便」によると、2人でこれまでに支払った年金保険料は数千万円ありますが、これをすべて放棄して受給額がゼロ円でもかまいません。

その代わり、今後、日本に居住しても国民年金保険と国民健康保険納付義務を免除していただきたい。自分の生活費や医療費はこれまでの蓄えや自分の保険で何とかしますし、そうでない方はこれまで通り、それが難しい方々には生活保護などで税金を投入していただければいい。その原資となる所得税や消費税を今後もきちんと支払うのは望むところです。

しかし、ただ生きて日本に居住しているだけで支払い義務が発生し、しかも、収入は増えないのに毎年右肩上がりで保険料が上がっていく国民健康保険料や国民年金保険料はまるで人頭税のようで、消費税のように節約しようがなく、所得税と違い収入がなくても払わなくてはいけないので、リタイア世帯にとっては非常に厳しいのです。

私のように「ゼロでもいい」というのは極論かもしれませんが、今後、私のような考えをもつ人々が支払わなくても良い分を支給予定の年金からマイナスしていく、というような制度であればいくらでも作れるはずです。

現在の制度のように、現在の受給者のために毎月の保険料が利用され(受給者の方々も保険料を長年支払ってきたので受給は当然ですが)、自分たちが受給される側になるのは毎年引き延ばされて何年後になるかわからない、そして、いつまで保険料を払い続けなければなくなるのかわからない、では、勤労者世帯もリタイア世代も絶望的な気分になるだけです。

「自助」のためには現在の保険料負担の軽減が大前提です。

上記記事の筆者の方がおっしゃっているように、名目上は「保険料」でありながら実質的には「税」と同様になっている福祉に関わる保険料をどうするか、消費税と一体にして議論してほしいと思います。

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