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ZOZO賃上げの大きすぎる功績ー非正規労働者への賃上げは日本全体に何をもたらすのかー

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賃上げ競争の発生による国民生活の底上げ

3つ目に、地域における賃上げ競争がはじまる。いわゆる賃上げ圧力が発生するということだ。

ZOZOがアルバイトの時給を引き上げて求人が殺到したことを思い出してみてほしい。

周辺地域から眠っていた労働力が新たに掘り起こされただけでなく、いまの仕事を辞めてZOZOに転職したいという「労働力の移動」も見られる。

同じような業務内容であれば、時給が高いところに転職したいと思うのは、労働市場では当たり前のことである。

むしろ、多くの労働者が低い賃金に我慢したまま働いてしまえば、賃上げ圧力は一向に発生しない。

同じような業務内容であれば、ぜひ賃金や処遇が少しでもよい環境へ移動してほしいと思う。

それによって、他企業や同業種の雇用は賃金を上げなければ、人が集まらないようになるだろう。

最善の人手不足解消方法は賃上げだと証明された瞬間だった。

要するに、他企業や産業全体もZOZOの賃上げの影響を受けざるを得ないし、労働者が自由に賃金を求めて移動を始めるなら、労働市場はそれに合わせてくるということだ。

一方で、「時給が引き上げられる企業はいい。余裕がない企業は時給を引き上げられない。」という声も聞かれる。

何も労働者へのメリットは時給だけに限らない。賞与の支給、福利厚生の拡充、正社員と同様の待遇、長期休暇の支給、子育てや家事との両立策など、賃上げ以外の取り組みで雇用をとどめ置くことも可能だろう。

時給があげられない場合は、住宅手当や社宅の提供など、別のメリットを創設してみることもお勧めしたい。

いずれにしても、相対的にメリットがないなら労働者は移動を始めるということである。

個人消費が活性化すれば日本経済が活性化する

4つ目は、賃上げした給与が地域経済を潤すということだ。

日本はGDPのうち、6割弱に及ぶ規模が個人消費に依存している内需傾倒の経済圏である。

金融資産の配当や利益で暮らしている高所得層にお金が回っても、すべて消費には使いきれずに、貯蓄や投資になってしまう。

しかし、ZOZOの非正規雇用を含む労働者層は、日々の暮らしや子育ての費用など旺盛な消費に回ることだろう。

賃上げされて得られたお金は確実に地域経済に還元されることになる。ZOZOの倉庫周辺の商店や地域経済圏では消費も活性化して、多くの人が助かることだろう。

商品が売れない、デフレから脱却できない、と騒いでいるが、労働者の賃上げによって、消費を喚起するという当たり前の取り組みが評価されていくべきだ。

賃上げは労働時間短縮につながる

5つ目に、労働時間が短縮できて生活に余裕ができるということだ。

ZOZOの賃上げにより300円の時給単価が上がったフルタイムの労働者は、1日あたり2,400円(300円×8時間)、月あたり52,800円(2,400円×22日)、年にすると633,600円が引き上がる。

賃金が上がるということは、労働時間を減らす選択肢も選べることになる。これが労働者を賃労働から解放する意味で極めて重要な点だ。

例えば、学生の場合は、月にアルバイトで10万円収入があれば、他の時間を勉強や研究、余暇に費やすことも可能だ。

子育て世帯の場合も、ある程度稼いだら、残りは無理せずに子どもと過ごす時間に充てようという選択もできる。

賃金が低ければ、必死に働かなければならず、長時間働いても暮らしに余裕はないが、時給単価が上がれば様々な選択肢がとれるようになる。

前澤友作社長が言うように、バンド活動に余暇を使えるし、貯金をするにしても目標額への達成が早まることだろう。

事実として、年金がある程度の金額で支給されている高齢者は、働かなくても生活ができるし、働いたとしても短時間勤務で生活が維持できる場合もある。

今回は5つの賃上げ効果を挙げたが、ZOZOの決定は政府が決める最低賃金の引き上げ圧力にも効果が及ぶだろうし、他にも良い影響が多数ある。

ZOZOの賃上げの功績は、そういう点で計り知れないインパクトを与えている。

もちろん、わずか300円だろうという声もあるし、継続して賃上げを求めたり、より安定雇用へ結びつけるべきだという声もある。

それもその通りだ。

ZOZOに限らず、他の企業、産業へと効果を波及されていくべきだ。

そのためにも、まず多くの人に非正規労働者の賃上げにどのような意味があるのか、その大きな効果を理解いただきたい。

そして、賃上げを求める労働運動や労働組合を通じた要求が日本社会を救うことになるという前提で問題を継続してみてほしいと思う。

※Yahoo!ニュースからの転載

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