- 2019年05月22日 14:02
朝日新聞論説室はどうやら韓国政府よりも日本政府の方がお嫌いらしい〜この局面で「日本政府もしっかり歴史に向き合え」と要請する朝日新聞社説
2/2さてこの2紙の社説は、韓国政府に対し「ここまで事態をこじらせた責任はすべて韓国政府にある」(産経社説)、「司法が異なる判断をしたのなら、国内で法整備するなどして対応すべきである。それが国際法の要請するところ」(毎日社説)と、表現の強弱はあるものの批判と強い要請を繰り返しています。
さてこの局面で興味深いのが朝日社説の論説です。
社説は「歴史問題は双方が神経を注ぐべき難題であるのは論をまたない」と非常にゆるい切り口から始まります。
「未来志向の韓日関係」という言葉を、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領はいくども訴えてきた。
過去を忘れることはできないが、それだけにとらわれて今と未来を生きる国民の利益が損なわれてはならない。そんな政治をめざす決意ではなかったか。
戦時中に日本に労務動員された徴用工問題をめぐり、日韓の摩擦が強まっている。歴史問題は双方が神経を注ぐべき難題であるのは論をまたない。
「双方が神経を注ぐべき難題」なのだけど「いまの事態打開には、韓国政府の決断が必要」だと論を展開します。
ただ、動きが差し迫っているのは韓国側だ。日本企業に対し、財産処分などの措置がとられる可能性が高まっている。
いまの事態打開には、韓国政府の決断が必要である。文大統領はこの問題にどう向き合うか知恵を絞ってもらいたい。
「日本政府が対抗措置をとり、双方の経済活動に打撃を及ぼす」ならば、「こんな不毛な報復合戦は、国民感情に深いしこりを残す」、なので「韓国政府はこれまでの日韓関係の土台である協定の枠内で解決をめざしてほしい」と懇願します。
韓国では李洛淵(イナギョン)首相が今月、「韓国政府だけの対応には限界がある」と発言した。消極的な姿勢の背景には、国内世論を気にして判断を避けたい思惑があるのだろう。
しかしこれ以上問題を放置するのは危うい。元徴用工らの弁護団は日本企業の株式の現金化に着手した。実害が生じれば、日本政府が対抗措置をとり、双方の経済活動に打撃を及ぼす。
こんな不毛な報復合戦は、国民感情に深いしこりを残す。負の連鎖を避けるためにも、韓国政府はこれまでの日韓関係の土台である協定の枠内で解決をめざしてほしい。
最初からゆるい雰囲気の朝日社説なのですが、ここから社説の結びまで、朝日社説の矛先(ターゲット)はなんと日本政府に向けられます。
朝日社説は日本政府に対して「しっかり歴史に向き合い、冷静な対応を尽くすよう心がけねばなるまい」と「歴史に向き合え」と要求し、「日韓の国交も、時の政権同士がたゆまず話し合い、克服してきた歩みを思い起こしたい」と結ばれています。
日本政府側もしっかり歴史に向き合い、冷静な対応を尽くすよう心がけねばなるまい。
仲裁委の設置は、確かに日韓協定に定められている。ただし一度も互いに設置を求めなかったのは、過去をめぐる敏感な感情に配慮してのことでもある。
仲裁委は事実上、韓国の同意がなければ立ち上がらない。日本側はその場合、国際司法裁判所への提訴も検討するとしているが、これも韓国が応じなければ始まらない。
隣国間の論争をめぐり種々の駆け引きや仲裁があろうとも、真の解決は当事者間の対話でしか実現しない。半世紀を超えた日韓の国交も、時の政権同士がたゆまず話し合い、克服してきた歩みを思い起こしたい。
うーん。
日本政府が仲裁委員会の設置を韓国政府に要請、この問題は新たな段階に入りました。
この局面で韓国政府の対応を一切批判しない朝日新聞社説なのであります。
それどころか、日本政府に対し「しっかり歴史に向き合い、冷静な対応を尽くすよう心がけねばなるまい」と主張、最後には「時の政権同士がたゆまず話し合い、克服してきた歩みを思い起こしたい」とし、あたかもこの局面をまねいたのは、韓国政府だけでなく日本政府も同罪であると言わんばかりな表現です。
朝日新聞よ、この局面でも日本政府も「しっかり歴史に向き合え」ですか?
朝日新聞論説室はどうやら韓国政府よりも日本政府の方がお嫌いなのかしら?
こうして他紙と読み比べると浮き彫りになりますが、本当に特異な新聞なのであります。
読者のみなさん、いかがお感じですか?
ふう。
- 木走正水(きばしりまさみず)
- 新聞・テレビの報道分析が高い評価を受けている。



