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【読書感想】やってはいけない不動産投資

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やってはいけない不動産投資 (朝日新書)
作者: 藤田知也
出版社/メーカー: 朝日新聞出版
発売日: 2019/05/14
メディア: 新書
この商品を含むブログを見る

Kindle版もあります。

やってはいけない不動産投資 (朝日新書)
作者: 藤田 知也
出版社/メーカー: 朝日新聞出版
発売日: 2019/05/14
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内容(「BOOK」データベースより)
誰がどれだけワルなのか?腐りきった不動産業界のタブーに斬り込む!「投資に興味」と「老後の不安」があるなら、次に狙われるのはアナタの番だ―。エリートをハメて田舎のボロ物件で4000万円荒稼ぎ、水も出ない新築を買わせてそのままバックレる、やったモン勝ちの不正業者は高卒でも年収3000万円、営業スマイルという仮面で隠した「本性」を暴く!

 楽して儲かる話なんて、世の中にそうそう転がっているものではない、そんなことはみんな百も承知のはず、なのですが、給料は上がらないし、年金が出るかどうか不安で、子どもをアテにできる時代でもない、というのも現実です。

 興味を引くきっかけは、現役世代に共通する「将来不安」にある。

 バブル崩壊後から国の借金が膨らみ続け、延々と先送りされる”ツケ”を払うのは、いまの働き盛りとその子どもたちだ。長期安定政権のもとでも社会保障制度の改革はまったく進まず、現役世代が負わされる税と社会保障費の負担はますます重くなり、逃れることもできない。

 そこに巻き起こった”不動産投資ブーム”は、かつてのバブルとは本質的に異なる。不動産価格が上がり続ける”神話”が広まったわけでもなければ、金満な生活に憧れたわけでもない。

 ただ将来への備えを厚くし、安定した生活を長く維持したい。そんな切実な願望が、投資へと突き動かされる原動力となり、業者につけ込まれる隙にもなった。

 業者の暗躍を後押しするもう一つの要因が、2013年春に始まった日本銀行の大規模な金融緩和だ。

 日銀が巨額のお金を市場に注ぎ込み、金利を限界近くまで押し下げた。お金の貸出先がない銀行は融資審査の基準や手続きを緩め、不動産投資向けの”蛇口”をめいっぱい開け放った。

 そうした動向を、強欲な不動産業者が見逃すはずもない。

 金融緩和で銀行貸し出しが緩んだ今こそ「絶好のチャンス!」と客に思わせ、多額のお金を銀行から借りさせるように仕向ける。

実績を伸ばすことに必死な銀行は、後で詳述するように、業者がちょっとした細工(=不正行為)を加えることで、物件価格を大きく上回る金額を貸してくれる。ただでさえ高額な価格はさらにつり上げられ、一度の取引で数千万円を抜き取る荒稼ぎが横行するようになった。

 これからどんどん人口が減っていく日本では、空き家が増えていく一方だし、いまは、オリンピック需要で建設費は高騰しています。

 そんな時期の不動産投資はリスクが高そうなのですが、僕と同じくらいの30~50代のそこそこ稼いでいるサラリーマンが、この手の「おいしい投資話」に引っかかっているというのを読んで、愕然としてしまいました。

 そこそこ給料はもらえているのだけれど、支出が多く、子どもの教育費や自分の老後の生活が不安、とりあえず仕事はそれなりにやってきたけれど、経済や社会のことにはあまり詳しくない、という人たちが「ターゲット」にされているというのは、わかるような気がします。

 それにしても、不動産投資というのが、ここまで「やったもの勝ち」の、とんでもない状況になっているということに、読んでいて愕然とさせられました。

 そして、金利が下がり、貸す相手がいなくなり、ネットの普及で余剰人員を抱えるようになった地銀にも、カードローンや不動産投資に力を入れるところが多くなっているのです。

 スルガ銀行の一連の不祥事は、まさにその典型的な事例でした。

fujipon.hatenadiary.com

(『地銀波乱』より)

「数字ができないなら、ビルから飛び降りろ」「おまえの家族皆殺しにしてやる」「死ね」
 スルガ銀行の第三者委員会がまとめて報告書には、生々しいパワハラの実例が記されていた。

 営業は苛烈なノルマやパワハラが横行する異常な職場で、上司の暴力や脅迫が常態化。傷害などの犯罪行為にもなりかねない過酷な事例が並んだ。

「死んでも頑張りますと答えたら、それなら死んでみろと叱責された」。こんな証言を行員にさせるような異常な職場になぜなったか。

 営業ノルマを厳しいと感じたことはあるか――。第三者委員がスルガ銀行のすべての行員を対象にしたアンケート調査で「はい」と答えたのは約40%、投資用不動産への融資などの営業を担当した行員に絞ると、回答者は約87%に達した。およそ10人に9人が苛烈なノルマを感じていた計算になり、営業現場の異常さが浮かび上がる。

 2018年に問題となったスルガ銀行は、個人向けの不動産ローンで業績を伸ばしているようにみえていたのですが、内実は、契約数を増やすためのデータの改ざんや上司からのパワハラなど、とんでもない状態でした。

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