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雑誌の衰退は何を意味するのか

雑誌の衰退が目を覆うばかりだ。このほど独自入手したABC公査の最新資料を見て、私は言葉を失っている。まず、以下の数字をご覧いただきたい。

 <雑誌ABC公査部数推移>
2000下期→2008下期→2018下期
【文藝春秋】
455,899 → 418,158 → 212,269
【週刊文春】
630,495 → 519,074 → 313,833
【週刊新潮】
506,786 → 446,688 → 213,879
【週刊現代】
643,731 → 249,931 → 213,547
【週刊ポスト】
657,761 → 297,120 → 195,704
【週刊朝日】
309,719 → 174,902 → 72,683
【サンデー毎日】
108,383 → 68,832 → 34,953

「総合誌の王」として長く君臨した文藝春秋本誌は、45万部からついに21万部へと半減以下となった。この10年で一直線に部数が下落したことがわかる。平均部数が20万部台を割り、10万部台に転落するのも時間の問題だろう。

週刊誌の部数もまた目もあてられない。週刊現代と週刊ポストは3分の1以下の20万部前後に低迷している。週刊文春も半分以下、週刊新潮も6割減という惨状だ。

インターネット時代への対応ができなかったことを如実に物語る数字といえる。ほんの2年前、“文春砲”という言葉を生み出し、社会現象まで巻き起こした週刊文春も20万部台への転落を目前にしている。

私自身が長くこの業界にいたので言葉もない。もともと「雑誌はスキャンダリズムでは長つづきしない」というのが私の持論だったので、そのことが残念ながら当たってしまった気がする。

インターネット時代には「この雑誌を手にとらなければ、この情報と論評と視点は決して手に入らない」という編集をしなければ、読者はわざわざ雑誌を買ってくれない。しかし、そのためには、編集者自身に「見識」が必要だ。

だが、編集者がその感覚を磨き、切磋琢磨する努力を怠り、いつまでも“心情左翼”の「団塊の世代」をターゲットにした編集方針から脱却できなかったことが部数低落に直結している。

「権力の監視」などと自己陶酔しながら、実は世の中にある、多くの権力(圧力団体)に尻尾を巻き、自分たちに文句が来ない都合のいい「権力」にだけ、意図的にケチをつけるような編集方針が「そっぽを向かれた」とも言える。

インターネットという媒体は、読者の目をますます肥えさせている。今の日本は、一般の読者のほうが編集者よりずっと広い視野を持っている。研鑽と努力を忘れたメディアは、いずれ滅び去る運命にあるのかもしれない。

80年代から90年代の雑誌全盛時代が懐かしい。週刊文春の名物編集長だった花田紀凱氏と私との対談本(『週刊文春と週刊新潮―闘うメディアの全内幕』PHP新書)で語り合った懸念が、残念ながら「現実のもの」となってしまったのである。
https://www.amazon.co.jp/dp/4569837115/ref=cm_sw_r_tw_dp_U_x_Gb44CbFJ9JA46

編集者には、もう一度、自分の足元を見つめ直し、リアリストとなって魅力ある雑誌づくりに励んで欲しい。世の中に問いかけるべきネタは、数多くある。そういう努力を怠らない編集者を私は心から応援したい。

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