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丸山穂高議員を辞職させてはならない

今日の横浜北部は、雨になるかと思ったら意外に夕方までもちました。

さて、いつもとは趣向を変えて、あまり触れない時事問題を。

すでにニュースでは大騒ぎですが、丸山穂高議員(日本維新の会を除籍)が、北方領土問題にからめて、今月11日に北方四島ビザ交流の訪問団の一員として国後島を訪れてました。

そして同島の施設「友好の家」で行われた懇親会の中で、元国後島民の大塚小彌太団長に対して、「戦争しないとどうしようもない」などと、酔った勢いでまくしたてたとのことです。

これに対して「けしからん」という意見があふれ、さっそく日本の維新の会は本人からの離党届を受けて除籍、野党六党は辞職勧告、与党側は「けん責決議案」を提出するとなっておりますが、本人は辞職する意志はないとして、大手メディアでは炎上案件となっております。

ただし端的に言って、私は丸山議員は辞職する必要はないと考えております。

その理由はたった一つ、彼が「使える」存在だからです。

「何を上から目線な・・・」

と批判されるのを覚悟で、私はあえて、

自分が戦略を実行する立場(統治者)であったらどうするのか

という視点から話をします。

まず今回の丸山議員の発言は、野党の議員の酔った席での発言とはいえ、「戦争をしない」ことを国是としている日本では角の立つ発言であっただろうと思います。

おりしも対中国を見据えてロシアと共闘していかなければならない状況ですから、日本全体としても、ロシアが批判してくるような「暴言」は、ロシア側の好意で行われているとされる北方四島ビザ交流の訪問団というプラットフォームの席ではしてもらいたくなかったはず。

このような経緯から、彼が批判を集めるのは現在の日本では確実であり、酒グセの悪さも手伝って、彼はやや脇が甘かったな、とうのが私の率直な感想です。

ただし私がまず指摘したいのは、この丸山議員の暴言をめぐる日本側の対応がまったく戦略的ではないこと。

第一が、日本維新の会の片山虎之助・共同代表が、17日に東京のロシア大使館でガルージン駐日大使と会談し、丸山氏の発言について謝罪したこと。

同盟国ならまだしても、潜在的な敵国であり、領土を戦争で奪ったロシアに対して、すぐに出向いていって謝罪するのは、丸山議員自身が指摘するように、「全く意味不明」です。

それと大手マスコミが酔った発言で辞職を迫るというのも、「気に入らないからやめろ」というリンチ以外の何者でもありません。

このようなここ数日の一連の日本側の動きですが、これらはまさに「日本側だけの事情による動き」であり、対外的には「ロシアに迷惑をかけてしまうからダメだ」という日本ならでは内向きなロジック。

これは、ルトワックの言葉を使えば、日本のメディアや維新の会は、(日本人と同じように考える)ロシアを「発明」していることになります。

ロシア側としては、謝罪してくるのであれば「逆にこちらの正統性を訴えて相手につけこむチャンスだ」としか感じないでしょう。

なんといってもロシアは、つい5年ほど前に「ハイブリッド戦」と呼ばれる戦い方でウクライナからクリミア半島を奪った(彼らのロジックでは「取り返した」)国であることを忘れてはなりません。

では私が国のトップ、つまり現在であれば安倍首相であったら、丸山議員をどうするかといえば、

辞職させずに議員を続けさせる

と考えると思います。

その理由は、丸山議員が危険な発言(この場合はロシアや中国から見て"極右”)をしてくれる存在だからです。

少々逆説的なことをいいますが、もし戦略的な国家であれば、こういう議員は大変貴重な「資産」となります。

なぜかといえば、このような議員をダシにして、たとえばロシアのプーチン大統領との交渉の時に、安倍首相は、

いや、野党に極右がいてねぇ、彼らが抑えられずに困ってるんだ。だからここは一つ譲ってくれないか

と妥協案を持ちかけることができるからです。

いや、使えるのは「極右」だけではありません。それは「極左」も一緒です。

もっといえば、日本のような大きな国であれば、当然のように実にいろいろな思想を持った派閥があるわけですから、その極端な派閥の人間たちを(暴走しない程度に)利用して、外国との交渉材料に使うこともできる、ということなのです。

これはヤクザの組長や若頭が、

うちの血気盛んな若いもんが暴れたくてウズウズしてるんだ、だからここはちょっと勘弁してくれねぇか

と相手の組と交渉する「ダシ」として使うのと一緒です。

ロシアの場合は、「自由民主党」の議員として暴言を吐きまくって、日本でも一時期有名になったウラジーミル・ジリノフスキーがこのような役割を果たしておりましたし、知識人では地政学で有名なアレクサンドル・ドゥーギンなども、この部類に入るでしょう(あるロシア専門家は「官製右翼」と呼んでました)。

つまり私が何を言いたいかというと、「極端な人間」というのは、その組織のトップの人間としては対外的に使える存在である、ということなのです。

もちろん常に暴言だらけで暴走しているような、統治者から見てコントロール不能な人物はダメです。

ただし日本のような大きな国のトップの人間としては、こういう存在も「使いようだ」と割り切って考えておくことも一つの手なのです。

と私がここまで書いても、やはりこのままメディア主導の世論のリンチが進んで、戦略的なセンスのない日本の政界で丸山議員は辞職を迫られるのかもしれませんが・・・。


(ハーンたち)

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