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児童虐待の根絶にむけて

 児童虐待防止法が成立した平成12(2000)年度における児童相談所による相談対応件数は、1万7725件でした。直近の平成29(2017)年度の相談対応件数は過去最悪の13万3778件と、約7・5倍も増加しました。痛ましい事件も起きています。

 昨年3月、東京都目黒区で父親による虐待死事件が発生しました。5歳の女児が覚えたてのひらがなでノートに書いた「もうおねがいゆるして」という悲痛な叫びに、胸がしめつけられる思いがしました。

 悲劇は繰り返されました。今年1月、千葉県野田市で10歳の女児の尊い命が父親の虐待によって奪われました。彼女が勇気を振り絞ってアンケートに書いた「先生、どうにかできませんか」というSOSは、なぜ踏みにじられたのでしょう。痛恨の極みです。

 政府もようやく重い腰を上げ、いま国会では児童虐待防止法と児童福祉法の改正案が審議されています。しつけで体罰することを禁止したり、児童相談所の機能強化などを図る内容です。野党6党派も共同して対案を提出していますが、方向性は一致していますので、修正協議を経て法案は成立するでしょう。

 しかし、法改正だけでは不十分です。幼い子どもたちがこの世で最も自分を守ってくれるはずの親からの虐待により、計り知れない苦痛と絶望の中で亡くなっていくような悲劇を根絶するためには、児童相談所の設置を促進し虐待対応の網の目を密にしていくことが重要です。

 児童相談所の設置については、1990年の運営指針では「人口50万人に最低1か所程度が必要」とされていました。しかし、野田市の痛ましい事件を担当していた柏児童相談所の管轄は松戸、野田、柏、流山、我孫子であり、管轄区域の人口は、約130万人でした。

 わが船橋を管轄する市川児童相談所の管轄人口は、船橋、市川、鎌ヶ谷、浦安を合わせて約140万人です。その相談件数の4割以上が船橋からのものです。

 船橋のような中核市は法律上、都道府県や政令指定都市のように児童相談所の設置義務はありませんが、「開設できる」と規定されています。とはいえ、全国には54の中核市がありますが、児童相談所を設置しているのは横須賀と金沢だけです。独自に財源や人材を確保することが困難だからです。

 ところが、松戸徹・船橋市長は、2025年4月に市立の児童相談所を開設する意向を明らかにしました。設置候補地はJR南船橋駅南口の市有地です。今後は児童福祉司など専門スタッフの確保や財源づくり等、様々な課題がありますが、市長の英断だと思います。

 2年前の市長選の際に、松戸市長と当時の民進党千葉県第4区総支部が、「児童相談所設置に向け具体的に取り組むこと」と政策協定を結びました。協定書に署名した私にも重大な責任がありますので、同志の県議や市議団と連携し、全力で市をサポートしていく決意です。

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