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憲法改正は選挙の争点に相応しいか?

 去る4月には平成最後の統一地方選挙が行われ、この7月には令和最初の参議院議員選挙が予定されている。衆議院を解散してダブル選挙に持ち込むのではないかとの憶測も、ここに来て急速に高まっている。今は「解散の大義」を探している様子だが、議論の順番が逆になっているのではないかと危惧している。

 さらにここに来て、安倍総理とその周辺が憲法改正を参議院選挙の争点にすべきではないかと、意識的に発言しているが、私は手放しでは賛同出来ない。

 憲法とは個人の人権や国家の統治機構を規定する基本的な取り極めであり、全ての法律に優越するものだ。したがって時の政権の都合によって勝手に変えられないよう、発議要件が衆参両院の総議員のそれぞれ3分の2以上の賛成となっており、さらに国民投票で有効投票の過半数の賛成という、極めて高いハードルを設けている。「硬性憲法」と言われる所以もここにある。

 今の憲法改正国民投票法では、国民投票は国政選挙と同時に実施してはいけないとは書いてないが、政権選択を迫る国政選挙と、国家の基本政策を決定する国民投票を同時に行うことは避けるべきであると、私は常々主張して来た。基本政策は党派を超えて静かな環境のもとで議論されることが望ましいからである。これと同様の理由で、国政選挙において憲法改正を争点として闘うことを望ましいとは思わない。

 仮に憲法改正が選挙の争点となり、与野党の対立が激化した後の国会における憲法論議が、スムーズに行われるとは考えにくい。むしろ難航必至ではないだろうか。効用よりも副作用の方が大きくなると考えざるを得ない。

 もちろん衆参の憲法審査会などの場で、国会議員が大いに議論することは当然であり、議論することが議員としての責務であることは論を俟たない。また、これまでの憲法審査会で、なかなか議論が進まなかったのは我々の責任であり、大いに反省するところである。

 しかし憲法という代物の性格上、政権を争うのと同じレベルで議論することは適切ではなく、少なくとも野党第一党をテーブルにつけて、静かに話し合うことが肝心である。以前にも述べたことだが、憲法改正は「急がば回れ」の精神で取り組むべきではないだろうか。

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