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「郵政民営化逆行法」の成立を受けて

本日の参議院本会議で、みんなの党の反対にもかかわらず、民主党・自民党・公明党3党の議員立法により衆議院から送付されてきた「郵政民営化逆行法案」が可決してしまいました。

みんなの党は独自に「郵政民営化推進法案」を国会に提出し、この法案と並行して審議が行われましたが、他党の賛成が得られなかったことは、みんなの党の法案提出にあたって、発議者である中西議員の秘書として、議員や原英史さん(現大阪府市統合本部特別顧問)や高橋洋一先生らと共に法案作成に携わった私としても、大変残念な思いです。

2005年に小泉内閣が、本来は必要のない衆議院を解散し、総選挙まで実施して国民の信を問い、圧倒的な支持を受けた「郵政民営化」が、わずか衆議院で5時間、参議院では6時間という審議時間で採決され可決してしまいました。小泉内閣の際には両院合わせて約200時間にも及ぶ審議が行われたことと比較すれば、いかに審議時間が短いかがお分かりになるかと思います。

今回成立した法律は、これまで「郵政民営化法」で2017年9月末までに行うことと明示されていた、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の金融2社の株式の全売却について、「できる限り早期に全部の処分を目指す」という、時期を明示しない「玉虫色」の文言に後退させてしまいました。残念ながら、これで金融2社の株式全売却は全く見通すことができなくなってしまいました。

もともと郵政株の売却収入を復興財源に充てるとした法律が成立したことを受けて、公明党が郵政株式の売却を進めようと自民党に呼びかけたことから、3党で協議が始まったわけですが、当初自民党は、金融2社の株式売却が進まない逆行法案には反対しているとの報道が多くあり、私自身も「さすがに自民党もここは譲らないよな」と安心していました。それこそ、2005年に「郵政民営化」をほとんど唯一の争点として衆院選挙を戦い、そして多くの議員を誕生させたのですから当然でしょう。ところが、結局は、公明党に促され、金融2社の株式売却について「全部の処分を目指す」とか「できるだけ早期に」とかいう、お得意の「あいまい表現」で本格的な論議を避け、公明党と妥協してしまいました。

衆議院では3名の反対、1名の棄権というわずか4名の造反議員のみ、そして参議院ではこの逆行法案に自民党全員が賛成票を投じました。来るべき衆議院総選挙での選挙協力を何よりも優先させたというのが本音ではないでしょうか。まさに「政策」ではなく「政局」で重要な政策が決まって行ってしまう典型的な例でしょう。

本日の参議院本会議で中西けんじ議員がみんなの党を代表して反対討論を行いました(全文は http://nakanishikenji.jp/diet/kokusei/7712 でご覧頂けます。)が、通常こうした反対討論では必ず与党議員からなされるヤジもほとんどなく、むしろ自民党の議員からは「その通り」という応援の掛け声まで飛んだそうです。本会議後にも、他党の議員から複雑な心中について話かけられたという話も後で聞きました。

政党が、一番重要視しなければならない「政策」が置き去りにされ、ただただ「政局」で突き進んでいく。そこに違和感を覚える党内の議員がいても、結局は党議拘束という形で賛成票を投じる。これが「既存2大政党」の実態です。

昨日の小沢元民主党代表の無罪判決により、野田総理が政治生命をかけると言って推し進めようとしている「消費税増税」の行方が混沌としてきました。今ですら、「消費税増税ありき」では完全に一致している民主党と自民党は、自民党消費税増税の中身(社会保障改革)という「政策」を置き去りにし、「衆院解散・総選挙」とのバーターという「政局」でしか話しをしないでいる現状ですが、それに加えて今度は「親小沢」「反小沢」という新たな「政局」が出現し、一層、肝心の「政策」は置き去りにされてしまいそうな状況です。小沢さんはこれまでは「増税論者」であったわけですから、まさに「政争の具」として消費税増税問題を利用としているのは見え見えで、「政策」議論が進むとは思えません。

みんなの党は、こうした「政局」ばかりで進んでいく政党政治を変えるためにも、愚直に「政策」本意でこれからも政党としての主張を行ってまいります。

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