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- 2019年05月19日 16:18
「戦争」という言葉アレルギー
■「戦争」よりも「戦争」という言葉を嫌う国
北方領土の返還問題で、日本維新の会の丸山穂高氏が「戦争」という言葉を用いたということで、総バッシングされている。自民党からは非難決議案、野党6党からは辞職勧告決議案を提出され、八方塞がり状態となっている。問題となったのは、既に何度も報道されている次の発言。
>「団長は戦争でこの島を取り返すことには賛成ですか? 反対ですか?」しかし、酔っぱらった議員の口から出た一言で、まさかここまで大事になるとは意外と言うか、平和ぼけした日本らしいと言うか、ここまでくるともう政治家は「戦争」という言葉自体を禁句にした方がよいのではないか?とさえ思えてくる。
「戦争」そのものを嫌うのではなく、「戦争」という言葉そのものを嫌うという意味で、現在の日本は「戦争」アレルギーではなく、「戦争」という言葉アレルギーになってしまっている。
■「野党主義」になっている日本の政治
この状況を傍から眺めていると、「また始まったか…」というのが率直な感想であり、おそらく、丸山議員の語った言葉よりも、この異常なまでのバッシングにこそ恐怖感を抱いている人の方が多いのではないかと思える。その様はまるで「池に落ちた犬はたたけ」の如くであり、観ていて、あまり気分の良いものではない。
今回の「戦争」発言を与党の総理大臣が行ったというなら問題になっても仕方がないと思えるが、戦争遂行能力を持たない野党の1議員が酒の席で述べただけなら、その言動を詫びた上で、議員を続けるべきかどうかを有権者の判断に委ねれば済む問題ではないかと思う。有権者が政治家として相応しくないと思えば選挙で投票しなければいいだけのことではないのだろうか。
しかし現状を観ていると、まるで政治家を続ける判断をするのは、有権者ではなく、我々野党だと言わんばかり。これでは、民主主義ではなく、野党主義になってしまっている。