記事

丸山穂高議員の「戦争」発言と日本における国際法の地位

 丸山穂高議員の「戦争」発言が大問題になっているか、私が見たコメントの中では、自民党の石破茂・元幹事長だけが、国連憲章2条4項の武力行使禁止に言及した評価を書いていた。http://agora-web.jp/archives/2039087.html 大変に適切な態度だと思ったので、私もコメントしておく。

 丸山議員の発言を、「憲法違反」として断ずるコメントが多い。しかし丸山議員の発言は、「憲法を変えて戦争ができる国にするしか北方領土は奪回できないと思いませんか」、という趣旨の質問だったようにも見える。「憲法を変えると戦争ができる国になる」という護憲派・野党系の主張を、そのまま使った考え方だ。

 しかし憲法を変えたからといって、日本だけが戦争ができる国になることはない。他国と同様、国際法における武力行使禁止原則を守り続けなければならない。

 それでは国連から脱退したらどうなるかというと、憲章2条4項はすでに慣習法化していて一般国際法原則になっていると考えられるから、無駄だ。戦争は国際法違反である。

 石破氏は、「(丸山議員)のような人が国家公務員として経産省に奉職し、国会議員を務めていたことにも驚きを禁じ得ません」と書いているが、私に言わせれば、こういう経歴の人が、一番の国際法音痴である。なぜなら公務員試験や司法試験を勉強した時代に、芦部信喜『憲法』のような憲法学通説を盲目的に信じてしまっているからである。「国際法では戦争が許されているが、憲法9条だけが戦争を否定している」などと、覚えこまされてしまっている。芦部『憲法』における似非国際法の記述で、国際法を知っていると主張する厄介な人々である。

 それでも最近では公務員試験では国際法の比重が高まってきていると聞くが、司法試験では相変わらず選択率が1%ちょっとで、次の改革では廃止されるらしい。国際法学会が反対声明を出しているが、ニュースにはなっていないだろう。https://jsil.jp/wp-content/uploads/2019/02/statement20190131.pdf

 国際法については、日本では法律家・公務員(出身者)は信用できない、ということを、この機会に付記しておきたい。

あわせて読みたい

「丸山穂高」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    よしのり氏「山本太郎氏は終了」

    小林よしのり

  2. 2

    不評クドカン大河は本当に酷いか

    新井克弥

  3. 3

    中国人記者 天皇陛下に深い敬意

    PRESIDENT Online

  4. 4

    「処理水飲め」応じても解決せず

    音喜多 駿(参議院議員 / 東京都選挙区)

  5. 5

    河野太郎氏が振り返る自身の外交

    河野太郎

  6. 6

    血税1兆円イージス購入 亡国の道

    文春オンライン

  7. 7

    加害者の実名さらし 収入目的も

    文春オンライン

  8. 8

    立民に入党「代表から強い要請」

    黒岩宇洋

  9. 9

    北が新ネタで文在寅政権に攻勢

    高英起

  10. 10

    遅すぎる豚コレラのワクチン接種

    小宮山洋子

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。