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事故物件芸人・松原タニシが選んだ「恐すぎる物件写真」

事故物件住みます芸人が実際に内見した物件の数々

事故物件に住み続ける芸人・松原タニシ

 孤独死の増加とともに、近年、“事故物件”が急増している。事故物件とは、賃貸物件で前の住人が自殺や殺人などによって死亡し、「心理的瑕疵」がある物件を指す。厚労省「人口動態統計」によると、2015年に孤独死した人は1211人だったのに対し、2017年には2480人と、およそ2年間で倍増。また、2017年の孤独死の約3分の1は東京23区内で発生しており、事故物件も都市部に集中している。

【写真】事故物件に住み続ける芸人・松原タニシ

 こうしたなか、「事故物件住みます芸人」を名乗り、実際さまざまな事故物件に住み続けているのがお笑い芸人の松原タニシ(37歳)だ。テレビ番組の企画をきっかけに事故物件に住み始めたというタニシに事故物件の実態について聞いてみると、「まずは写真を見て欲しい」。そして解説が始まった。

●「鏡がペンキで塗りつぶされている」(写真左上)

 大阪市内の2DKの物件は、お風呂場の鏡の壁がピンク色のペンキで塗られていて、使えない状態になっていた。家賃は2万6000円。ここでは、息子が母親を撲殺し、浴槽に顔を沈めるという事件が過去にあったという。

「ペンキで塗るぐらいなら丸ごと取り替えたらいいと思うんですが、埋め込まれて外せなかったのかなあ。ペンキで何を隠そうとしたのかは、よく分かりません。ただ、お母さんがこの風呂場で亡くなっているので、気になりますよね……」(タニシ)

●「押し入れで顔認証」(写真右上)

 大阪市内の物件で、家賃は5万円。内見に行った際にスマホで写真を撮影しようとカメラを立ち上げ押し入れにレンズを向けると、突如、顔認証機能が作動。スマホのカメラは、その空間に“人の顔”を認識したのである。ただし、肉眼では何も見えなかったという。

「人間の目に見えないものを、カメラが感知することはあるようなんです。この時も突然スマホの画面に四角い枠が現れたので、ぎょっとしました」(タニシ)

 ここではかつて、高齢者が孤独死し、畳が腐敗。もともとは和室だったものをフローリングに張り替え、洋室に作り変えた。そのため、部屋のあちこちに和室の痕跡が残されている。

「ここは不動産屋の物件紹介ページも変だったんですよね。何か人をナメたような書き方で……。あまりにも入居者が見つからず、やぶれかぶれになってしまったのでしょうか」(同)

 物件紹介の備考欄を読むと、〈男心くすぶるリノベ物件 プライベートな空間に魅了されて。本気と書いてマジでヤスくね〉〈告知事項あり。。。なんだこいつは、、、安すぎる・・・〉などと書かれている。

 結局、タニシは入居しなかったが、押し入れには一体誰がいたのだろうか。

●「外壁に顔のようなシミ」(写真左下)

 大阪府吹田市で内見に行った物件。郊外で駅から遠いとはえ、3LDKで3万円代という破格の家賃設定がされていた。

「口をへの字に曲げた、たれ目のお化けの顔のようなシミがありました。この壁の向こう側がトイレになっているんですが、トイレで女性が首吊り自殺をしていたそうなんです。女性には旦那さんがいたんですが、単身赴任でしばらく家にいなかったそうで、久しぶりに帰ってきたら妻が変わり果てた姿になっていた。遺体は腐敗が進んでしまい、溶けてトイレと一体化してしまっていたそうです」(タニシ)

 目と口のように見える部分は、水漏れ防止のために黒色のボンドのようなものでひび割れを埋めたもの。どこかユーモラスな表情だが、我々に何かを訴えかけているようにも見える。

●「バツ印で封印された玄関」(写真右下)

「怪談イベントで香川県に行った際に知り合いが、『最近、事故物件になったアパートがあるから見にいきませんか?』と連絡をくれたので、行ってみました。ここまで生々しいとは思わなかったので、言葉が出なかったです。ドアノブ周辺が黒っぽくなっているのは、指紋を採取するために警察が使ったアルミニウムの粉ですね」(タニシ)

 バツ印で封印された扉の向こうは、いったいどうなっているのか。事件直後ということは凄惨な光景がむき出しになっている可能性も高いが、この部屋もしばらくすると、“事故物件”として賃貸市場に出され、再び誰かが住み始めるのである。

 確かに安いとはいえ、事故物件が抱える闇はかように深い。これを「リーズナブル」と解釈できるかどうか、かなり票は割れそうである。

【PROFILE】松原タニシ(まつばら・たにし)/1982年4月28日、兵庫県生まれ。松竹芸能所属。”事故物件住みます芸人”を名乗り、さまざまな物件を渡り住んでいる。昨年、初の著書である『事故物件怪談 恐い間取り』(二見書房)を発売。現在、『やわらかスピリッツ』にて『ゼロから始める事故物件生活』(作・奥香織、小学館)の原案を担当。今年3月には第1集が発売された。

◆取材構成・西谷格

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