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ジェネリック医薬品市場、薬価引下げでも拡大、2022年には1兆2449億円規模へ

 ジェネリック医薬品市場は薬価改定の影響を受けながらも、政府の数量シェア目標達成に向けて拡大を続けている。

 厚生労働省は2018年12月、消費税引き上げに伴う薬価改定の骨子を発表した。医薬品の流通価格は価格競争で薬価より下がることが多いため、通常は2年に一度、その価格差を解消するために薬価を引き下げている。2019年は薬価の改定年度ではないが、10月の消費税の引き上げにあわせて臨時で改定する。

ⒸiStock/dszc

 収載品の新薬価は、「医療機関・薬局への販売価格の加重平均値(税抜の市場実勢価格)」に消費税を反映(「1+消費税率」を乗じる)させ、「調整幅(改定前薬価の2%に相当する額)」を加算して求める。その際、新薬価は改定前の薬価を超えないこととされている。今回の改定では消費税引き上げにあわせて消費税率を10%で計算するとともに、流通価格の下落についても反映させ、薬価は0.51%引き下げられる。消費税対応分は0.42%のプラスだが、実勢価改定等が0.93%のマイナスだった。社会保障費の伸びが加速する中、政府は薬価の引き下げなどにより歳出削減を目指す方針だ。



 一方、富士経済が4月25日に発表した「ジェネリック医薬品国内市場の調査」の結果によると、2017年のジェネリック医薬品国内市場は前年比7.8%増の9,627億円で、2018年は1兆192億円に拡大し、2022年には1兆2,449億円に達すると予測されている。

 ジェネリック医薬品には、既に国内で新薬として承認され、特許が満了したバイオテクノロジー応用医薬品の後続品として開発された「バイオシミラー(バイオ後発品)」があり、2009年に国内初となる製品が発売された。その後、バイオシミラー市場は新規成分の増加に伴い拡大を続けており、2018年の市場規模は前年比49.3%増の215億円、2022年には2017年比4.1倍の597億円に達すると予測されている。2018年は抗がん剤でリツキシマブやトラスツズマブ、関節リウマチ治療剤でエタネルセプトを成分とした製品が発売されるなど市場は活性化している。



 また、ジェネリック医薬品には、先発メーカーに特許等の使用を許可された「オーソライズドジェネリック」もある。オーソライズドジェネリック市場は、大型成分のジェネリック医薬品が相次いで発売されたことから市場が急拡大しており、2018年の市場規模は前年比42.3%増の1,090億円、2022年には2017年比2.4倍の1,801億円に達すると予想されている。抗がん剤はジェネリック医薬品の中でも切り替えが進みにくい領域の1つだが、製品数は増加しており同市場の拡大に寄与している。

 注目薬効領域のジェネリック医薬品市場の2018年見込と2022年の予測は以下のようになっている。

 政府は2020年9月までにジェネリック医薬品の数量シェアを80%とし、できる限り早く達成できるように促進策を講じるとしている。ジェネリック医薬品市場は薬価改定の影響を受けているものの、施策の後押しもあって市場拡大を続けているようだ。

サイトウ イサム[著]、加藤 秀行[著]

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