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北朝鮮とミサイル問題 ~日本の国防を考える

世界に露呈した日本の国防の脆弱性

田中直紀防衛相は18日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイル発射への対応で、藤村修官房長官に情報を伝えようと電話したもののつながらなかったことを明らかにしました。

ミサイル発射情報をめぐる政府部内の伝達のまずさを改めて浮き彫りにした形になっています。

おそらくこの報道を聞いて、北朝鮮は喜んでいることと思います。

日本に配備されている迎撃用のパック3(PAC-3)システムの性能はいかほどかと思っていたら、「携帯電話で3回呼び出したが連絡がつかなかった」という、何とも間延びした対応を露呈してくれたわけです。

これは「日本は無防備です」と発表しているようなものでしょう。

私は以前から何度も主張していますが、北朝鮮という国は最終的にどん詰まり状態になったら「暴発」する可能性のある国です。

その際、暴発した北朝鮮が狙う国はどこになるかと考えると、今回の日本の対応を知って「狙うとしたら日本しかない」と 考える可能性は非常に高いと私は感じています。

中国は味方ですし、ロシアには手を出しづらいでしょう。韓国とは犬猿の仲ですが、先日韓国は人工ミサイルでの迎撃体制を 発表し、北朝鮮としてもすぐに反撃されるのが分かっているので避けるのではないかと思います。

5分で九州、7分で東京にミサイルが着弾すると言われているのに、携帯電話で連絡が通じるのに40分もかかったと言っている日本なら、迎撃される心配はありません。

さらに言えば、すぐに反撃される心配もありません。

現在の日本の憲法では、仮に北朝鮮から1発目のミサイルを撃ち込まれても、すぐに自衛隊の判断だけで反撃することは許されていないからです。

現在のナショナル・セキュリティの解釈では、反撃のためには国会を開き、「相手に日本を破壊する意図があるかどうか」という点を確認し、承認される必要があります。

今、北朝鮮は日本へ届く中距離ミサイルを1000発程度保有していると言われています。

もしそのミサイルを発射されたら?と想定した場合、私は現在の憲法を一部変更する必要があると思っています。

例えば、北朝鮮の中距離ミサイルを前提として、「1発目のミサイル攻撃を受けたら、自衛隊の判断で即座に応戦していい」というような変更を検討するべきでしょう。

今回の件で日本の国防の脆弱性を世界に露呈し、それだけでもみっともない限りですが、この点を真剣に対処しなければ「みっともない」では済まされない可能性があります。

北朝鮮が暴発・自暴自棄に向かうカウントダウンが始まった

北朝鮮外務省は17日、ウラン濃縮活動や核実験の一時停止などを約束した2月の米朝合意に「これ以上、拘束されない」とする声明を発表し、合意破棄を表明しました。

北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」とする長距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会が強く非難する議長声明を採択したことに反発したものということです。

今回の北朝鮮の動きから分かるのは、明らかに軍部が暴走し始めていて、金正恩第1書記と軍部の上下関係が明確になったということです。

政府がいくら米朝合意をしても、中国が議長を務めようとも、軍部が違う路線を提示してしまいます。

今回の核実験についても軍部の意向に違いないと思います。

今、北朝鮮の中では軍内部で勢力争いがあって、特に力を持つ2人の人物が争っている結果として今回のような事態になっていると言われています。

表面上は、金正恩氏を立てると言いながらも、実際には金正恩氏には軍部を抑える力がありません。

だから6カ国協議などを開催してもすぐに破棄されてしまうのです。

私ははるか昔から主張していますが、北朝鮮とこのような時間を持つこと自体が「無駄」なのです。

北朝鮮というのは「国」として「すでに詰んでいる」状態なので、後は今の国家体制が崩壊するのを待つしかありません。

だから「もし私が金正日氏なら死ぬまでとぼけるしかない」と思っていましたが、結果として金正日氏はその通りになりました。

金正恩氏にも同じ結論しか残されていません。

今の北朝鮮の状況は、まさに最後のカウントダウンに向かって暴走を始め、自暴自棄になり始めている段階だと感じます。

軍部の力が強くなり、米朝合意も平気で1ヶ月で破棄してしまうというのは、正常な状況ではありません。

全ては軍部が力を示すため、軍部のロジックで物事が進み始めています。これは北朝鮮内部から発信されている危険なシグナルとして受け止めるべきです。

中国でも国連でも、北朝鮮と「話し合う」ことには意味は全くないと私は思います。

北朝鮮という国は、今そんなことに構っている余裕すら失くしてしまっている、そんな危機的な状況になりつつあるのだと私は見ています。

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