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2018年に『ストV』で世界一になったガチくんは、いま何を考える?

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「ニコニコ闘会議2018」の「闘会議グランプリ(GP)」で『ストリートファイターV AE (ストV)』部門の準優勝を皮切りに、「カプコンプロツアー2018」のアジア地域決勝大会優勝、そして『ストV』の公式世界大会「カプコンカップ2018」優勝と、破竹の勢いで2018年のeスポーツシーンを駆け抜けたガチくん選手。同年にレッドブルと契約を結んでプロゲーマーになったことも、ガチくん選手の躍進を象徴させる出来事だったと言えるだろう。

その勢いはまだまだ衰えることなく、“世界王者”として追われる立場になった2019年も、さらなる飛躍に期待したいところだ。そこで、ガチくん選手に、昨年までの振り返りと、今年の抱負を聞いてみた。

「カプコンカップ2018」で優勝をはたしたガチくん選手

プロを目指す地方在住者は、目につきやすいアピールを

――世界チャンピオン獲得おめでとうございます。2018年2月のニコニコ闘会議2018でプロライセンスを取得されましたが、その時点では獲得賞金額もなく、スポンサーも付いていない状態でした。それを考えると、まさに大躍進の1年だったのではないでしょうか。

ガチくん選手(以下、ガチくん):2018年は本当にできすぎの1年でしたね。2017年までは、出身地の広島を中心に活動をしていたのですが、東京に出てきた時点では、まだ実力不足だったと思います。

JeSUのプロライセンスについては、カプコンプロツアーのポイントをそこそこ稼げていたので選んでいただけたのかなと。ただ、まぁそこで選ばれなかったとしても、そのうち選ばれるとは思っていましたね。早いか遅いかの問題だったと思います。

――最初に賞金を獲得したのは、そのプロライセンスが発行された闘会議でのエキジビションマッチでした。準優勝でしたが、そのとき決勝の相手は板橋ザンギエフ選手でしたね。そして奇しくも、2018年12月に行われたカプコンカップの決勝も、同じく板橋ザンギエフ選手が相手。何か縁のようなものを感じますね。

ガチくん:チームで戦う国内リーグの「RAGE」でもザンギさん(板橋ザンギエフ選手)と同じチームでした。すごく縁がありますよね。2018年はザンギさんで始まってザンギさんで終わった感じです。ザンギさんが女性だったら、もう結婚しているくらいの縁ですよ(笑)。

「カプコンカップ2018」のグランドファイナル

――2年前に上京したとのことですが、そのきっかけは何だったのでしょうか。また、上京してからオフラインで強い選手と対戦しやすくなったと思いますが、誰と練習をしていたのでしょうか。

ガチくん:後先考えないで行動するタイプだったので、とりあえず「やってみよう」と上京を決めた感じです。ただ、『ウルトラストリートファイターIV』で知り合ったハイタニさんには背中を押してもらいました。東京に来てからも、ハイタニさんや藤村さんが以前いたオフィスで練習していましたね。LINEグループに招待していただいて、「今日は空いています」というメッセージが届くんです。

あとは、やはり嫁の存在が大きいですね。「行きたいなら行ってみれば? 一緒に行くし、ダメだったら広島に戻ればいいよ」って言ってくれて。自分としては東京に出れば活躍できる自信はあったのですが、その言葉で行く決心が付きました。

――地方でプロゲーマーを目指している同じような境遇の人に対してアドバイスはありますか?

ガチくん:そうですね。僕みたいに地方でくすぶっている人はたくさんいると思います。ただ、現状ではやみくもに「東京に出ていきたい」という気持ちだけでは難しいでしょうね。

地方にいる間に配信を頑張るとか、ランクマッチ(『ストV』のゲーム内ランキング)のポイントで上位に入るとか、目につきやすいアピールをするといいと思います。

さすがに海外のイベントは行きづらいと思いますので、国内の大会に参加して、そこで好成績を出し、いろいろな人とコミュニケーションをしていけば、自ずと上京するチャンスは訪れると思います。僕も広島の大会はもちろん、関西などで行われた大会には、頻繁に出場していました。


――上京した年には「インプレスeスポーツ部」でストV攻略企画「ガチくんに!」の配信も始まりましたが、企画者であるPC Watchの若杉編集長とは元々知り合いだったのでしょうか。

ガチくん:若杉さんも広島出身なんですよ。同郷ということで僕を指名していただきました。若杉さんもeスポーツの仕事をしたいと考えていたそうなので、ちょうどいいタイミングでしたね。

――当時は一般的には無名の選手だったガチくん選手が世界チャンピオンになったわけですから、見る目があるというか、いい買い物でしたね。

ガチくん:そうですね、いい買い物だったと思います(笑)。こちらとしても何もない状態のときに使っていただいた恩もありますし、お互いに良好な関係になったと思います。

――『ストV』で、道場システムが導入されたときも、「ガチくんに!道場」ができて、ガチくん選手もメンバー入りしましたね。多くの視聴者が憧れのプロ選手と一緒の道場に入れるという喜びがあったと思います。また、多くの人たちがDiscordで連絡を取り合って対戦などをしているようです。

ガチくん:仲のいい人たちと遊ぶのはモチベーションになりますよね。1人で黙々とやるのもいいんですけど、なかなか続けるのが難しいものです。お互いに切磋琢磨したり、意見を言い合ったりできる環境は、レベルアップにも繋がると思いますし、コミュニティとしていい感じになってくれれば、僕もうれしいです。

視点を変えることで広がった戦い方の幅

――2018年の急成長した要因は何だったのでしょうか。

ガチくん:そうですね、僕は自分が正しいという価値観を重視しているところがあったんですよ。それまであまり人のプレイを参考にしていなかったんです。それでも結構勝てていたので、そのときは良かったんですが、『ストV』のシーズン2で使用キャラのラシードが弱体化したあと、大会で2回プール落ち(予選落ち)をしてしまったんです。

「これまで勝ってこれたのはキャラクターの強さだったのではないか」と悩みましたね。そこで、自分が固執していたプレイだけでなく、いろいろなプレイを見ようと思い、同じラシード使いのオイルキングやビッグバード、竹内ジョン君などのプレイを見るようになりました。

例えば、EVO Japanでジョン君が準優勝したとき、バージョンアップされたばかりで、「VトリガーII(溜めたゲージを消費することで使えるモード)」が初めて実装されたにもかかわらず、しっかりと研究してきて、使いどころを見つけていたんです。

それを見てすごく感心しましたね。ほかの人のプレイをよく見ることで、戦い方の幅が広がったように感じたんです。もちろん、そのまま真似するのではなく、自分なりに咀嚼したうえで、やってみるようにしました。あとは、難しいと思っていたことにも挑戦したり、自分のキャラクターだけでなく対戦相手についてももっと調べるたりするようになりましたね。


――今年も若干ですが、「ラシードを含む強いキャラクター」以外が強化され、かなり平坦になったと言われています。どういった対策をしていくのでしょうか。

ガチくん:たしかに、シーズン4になって、キャラクターの強さがいつになく平坦になったと思います。ただ、現状だとまだトーナメントを勝ち上がっていけるのは数キャラに絞れるので、その対策を考えています。一方で、トーナメントの下の方で負けてしまわないように、すべてのキャラクターで対策もしっかりしていきたいです。もっと視野を広くしていかないといけないですね。

――キャラクターの強さが平坦になったことにより、多くのプレイヤーが複数のキャラクターを使い、対戦相手のキャラクターとの相性も考えていくようになったと思います。ガチくん選手はラシード以外のキャラクターを使う予定はあるのでしょうか。

ガチくん:ラシードというキャラクターの強みは、圧倒的に不利になる相手がいないことなんです。シーズン4になって複数のキャラクターを使用する人も増えてきましたが、僕の場合は、ほかのキャラを練習するよりも、ラシードの練度を上げることに集中したいですね。単純にラシードというキャラクターは楽しいというのもありますが、未だに新しい発見があるので、練度はまだまだ上げられると思っています。

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