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金正恩書記長との「条件なし」の会談表明、なぜ安倍首相はソフト路線に転換したのか?

10日ほど前まで、政界でもマスメディアでも、ある噂がささやかれていた。それは、「安倍晋三首相が消費税増税を三度見送るのでは」というものだ。そして、増税見送りについて国民に信を問うために、衆議院を解散し、参議院とのダブル選挙をするのではないか、というわけだ。

これに対して多くのメディアは、「増税見送りは無責任な人気取り」「将来の世代に負担を転嫁するだけ」「恥ずべきポピュリズムだ」と批判的だった。衆参ダブル選挙は、首相の「解散権」を弄(もてあそ)んでいるとも批判した。

ところが、である。ここにきて、そんな噂を吹っ飛ばす大問題が起きた。3日夜、官邸前の記者会見で、安倍首相が「私自身が金正恩委員長と条件を付けずに向き合わなければならない考えだ」と語ったのだ。

これまで安倍首相は、核を保有し、核実験を行ったり、ミサイルを発射する北朝鮮に対し、「最大の圧力をかける」としてきた。金正恩書記長とは、「拉致問題の進展、解決させるためには会う」と、「条件付き」を強く主張してきたのだから、これは大きな政策転換だ。いわば、ハード路線からソフト路線に変わったのだが、それはなぜか。

実は、おもしろいことがある。この安倍首相の路線変更に対し、本来の立場なら賛成するはずの朝日新聞や毎日新聞が批判しているのだ。代わりに、反対するであろう産経新聞が受け入れている。

北朝鮮の金正恩書記長は、アメリカのトランプ大統領、ロシアのプーチン大統領、韓国の文大統領と会っている。中国の習近平主席とは、3回以上も会っている。

唯一、会談していないのが日本の安倍首相だ。だから、安倍首相が「焦った」という報道もある。

だが、それは違うと僕は思う。安倍首相は、この路線変更を語る前、トランプ大統領と40分、電話会談をしているのだ。

アメリカは中国に対して、関税25%引き上げを実施した。いま、対中国問題で手一杯なのだ。だから、対北朝鮮問題に割く時間も、エネルギーもない。

つまり、トランプ大統領は北朝鮮について自分の手が回らないため、安倍首相に何らかの依頼をしたのではないか。僕は、この件を外務省幹部に確認しているところだ。

ともかく、今回の安倍首相の「条件なし」で会うという路線変更が、拉致問題の解決、アジアの平和に、よい結果をもたらしてほしいと心から思っている。

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