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ブロックチェーンはいつ通貨を超えるのか

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現実にはキャッシュレスはすでに、5割に達している

政府は27年までに、キャッシュレス比率を現在の2割から4割にするという目標を立てています。ただし、預金口座での振替などもキャッシュレスであると考えれば、現実にはキャッシュレスはすでに、5割に達していると言えます。

キャッシュレス化では、クレジットカードを使いすぎるなどの不安の声も聞かれます。しかし、それは技術革新で上手に制限をかけるなどの工夫も可能。今後キャッシュレス化社会になるのは必至なのです。

お金のデータ化が広がることで、個人情報の管理はもっとも問題になるところです。各社の持つデータには、個人のセンシティブ情報が含まれるので、個人情報保護やセキュリティーのあり方についての議論が必要になります。たとえば、EUではGDPR(一般データ保護規則)でフェイスブックなどの情報漏洩(ろうえい)への防衛対策が進んでいます。

こうしたなかで、未来のお金はどのようになっていくでしょうか。仮想通貨は、中央管理者がいない、民主主義的な仕組みや、フィロソフィーとして魅力がありますが、投機目的で広がった面があるため、価格変動の大きさで通貨としての信頼性の獲得までには至っていません。

一方、お金をデータ化して、スウェーデンのように、中央銀行がデジタル通貨を発行するような動きが今後、ほかの国でも出てくる可能性はあると思われます。

仮想通貨から生まれたブロックチェーン技術は、応用範囲が広がり電力など、スマートコントラクト(契約の自動化)の技術で管理を自律分散化。利用者同士が直接電気の取引を行うことも可能になりそうです。

今後、データが要になる動きはますます加速していくでしょう。それにともないイノベーションの速度も速まります。常に最新の情報技術の行方を見ておく必要があります。

定型業務はAIに取って代わられるかもしれませんが、半面、フィンテックやIoTなどの技術を使って、個人のさまざまなアイディアが低コストで、簡単に実用化できる、どんな人でも業務のなかで自分のアイディアを提案できる時代でもあるのです。

自分の仕事について、これは将来的に機械に置き換えられるか、ならば、自分にできることは何か。また、業務のなかで、こんなふうに変えればもっと良くなるのではないか、と考え続けることが大切です。

▼仕事の変化
・AI、データ解析(アナリシス)が進み、イノベーションが加速
・資金移動のスピードが増す
・人間の仕事の多くがAIに代替される
・個人のアイディアをIT技術で簡単に実現できる

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翁 百合(おきな・ゆり)
日本総合研究所理事長
京都大学博士(経済学)。専門は金融システム、社会保障など。近年はプルーデンス政策、フィンテックと規制、医療などのテーマに取り組む。日本銀行を経て、1992年、日本総合研究所調査部副主任研究員となり、2018年より現職。経済産業省産業構造審議会委員、金融庁金融審議会委員、慶應義塾大学特別招聘教授等も務める。
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(日本総合研究所理事長 翁 百合 構成=奥田由意 撮影=大槻純一 イラスト=ヤマグチカヨ)

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