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焦点:日本の国債市場、令和で一段と膠着 消費増税の不透明感も影響


[東京 16日 ロイター] - 令和入り後、日本の国債市場が一段と膠着している。円高・株安が進んでいるにもかかわらず、15日までの7営業日で先物終値<2JGBv1>の値幅はわずか1銭。10年債金利<JP10YTN=JBTC>もマイナス0.055%近辺で小動きとなっている。日銀の金融政策に変化は当面予想しにくいとして、海外勢が米独などの国債市場に「主戦場」を移しているほか、消費増税を巡る不透明感が売買を手控えさせているとの指摘が出ている。

<「動かない日銀」の見方広がる>

日銀は当面動かない──。円債市場にこうした見方が広がったのは、4月24─25日の金融政策決定会合で日銀がフォワードガイダンスを変更してからだ。

同会合で、金融政策の方向性を示すフォワードガイダンスは「海外経済の動向や消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ、当分の間、少なくとも2020年春ごろまで、現在の極めて低い長短金利の水準を維持することを想定している」に変更された。

従来は「2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響を含めた経済・物価の不確実性を踏まえ」とされていたことから、消費増税の影響にかかわらず、2020年春ごろまで現在の政策を続ける姿勢を明確化させたと受け止められている。

同会合以前からも、日銀の金融政策変更余地は乏しいというのが市場に広く浸透した見方だった。だが、フォワードガイダンスで「現状維持」を強調したことにより、少なくとも2020年春までは、金融引き締め方向だけでなく、金融緩和方向の政策変更も可能性が低くなったとみられている。

4月会合は「(日銀は)結果的にはしばらくは『動かない』ということを宣言した形となった」とJPモルガン証券・債券調査部長の山脇貴史氏は話す。

<海外勢は米独市場に移動>

海外では、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを停止し、今度は利下げの思惑が浮上。緩和強化に動いている欧州中央銀行(ECB)も次の一手が注目されている。

米国債市場は逆イールドが一部の年限で発生しているが、ドイツの国債市場はまだ長短金利差が大きく、フラットニングの余地がある。一方、日本の金利曲線は超長期ゾーンに至るまでべったりとゼロ近辺に張り付いている。

金利がマイナス圏にある中長期債を積極的に買う主体は「海外勢か日銀ぐらい」(国内証券)とされる。「米独市場などの方が今は面白いとして、海外投資家はそちらに向かっている」(外資系投信)ことが、円債市場が一段と膠着する1つの要因になっている。

財務省が公表する「対外及び対内証券売買契約等の状況」によると、中長期債で海外投資家は昨年10月以降、7カ月連続で買い越しが続き、今年1─2月には2兆円超に膨らんだが、3─4月は1兆円台前半と買いの勢いは鈍化した。

最新の数字となる5月5─11日の週は5535億円の買い越しとなったが、「米国による対中関税を巡り、世界中でリスク回避ムードが強まった割には、買い越し額は膨らまなかった」(国内証券)という。

「月2兆円規模という過去にないペースで買いを入れた結果、ロングを膨らませ過ぎた面もあるのだろう」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、シニア債券ストラテジストの稲留克俊氏はみている。

<消費増税の有無、焦点は日本株か>

日本の消費増税を巡る先行き不透明感が強くなっていることも、投資家に円債市場での売買を手控えさせている。

消費増税の延期は、財政状況の悪化を予想させ、債券の売り材料となる。2度目の延期(16年6月1日)の際はほとんど影響がなかったが、1度目の延期(14年11月18日)の際には、債券価格がいったん下落し、その後反発している。

増税実施か延期か──。市場はまだ見定めている段階だが、「増税延期でも、国債格下げがなければ下がったところで買えばいい。状況が不透明な今は動く必要はない」(前出の外資系投信)とされ、相場膠着の要因になっている。

16日の円債市場で、国債先物終値は前日比7銭高の上昇。令和になって初めて「1銭」の壁を破ったが、大引けにかけて伸び悩んだ。

「世界的な金利低下(債券価格上昇)が鮮明化しており、さすがに円債市場にも影響してきた。日本株が下がり過ぎなければ増税延期の思惑も高まらないだろう」とパインブリッジ・インベストメンツの債券運用部長、松川忠氏は指摘する。

日経平均<.N225>の下落幅は16日は125円だったが、令和に入ってからは16日までに1195円に達した。16日の終値は2万1062円だが、2万円を切ってくれば、消費増税延期の可能性上昇として円債売りの材料になるとの見方も出ている。本来、株安は債券買いの要因だが、行き過ぎれば逆方向の思惑を高めることにもなりそうだ。

(長田善行 編集:伊賀大記)

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