- 2019年05月16日 10:35
スマホ決済が普及しつつあるなか、なぜ仮想通貨決済は広がらないのか
2/2スマホ決済加盟店の導入障壁を下げる事業者の取り組み

次に、加盟店の業務負担の差について考えてみよう。スマホ決済の場合、キャンペーンでユーザーが増えれば、「自店で決済できないことを理由にお客さんが去っていく」といった機会損失を防ぐためにも、小売店舗の導入意向が強くなるだろう。しかし、導入のハードルとして、現状、キャッシュレス決済ではいくつものサービスが乱立しているため、業務フローが煩雑になっていることが挙げられる。
QRコードを読み取るだけとはいえ、サービスの多さによる混乱はあるはず。特に、外国籍のアルバイトが増えているコンビニであれば、なおさらだ。
そのような課題に対して、2019年3月27日には「メルペイ」と「LINE Pay」が業務提携を発表した。内容は「メルペイ」か「LINE Pay」のいずれか一方の決済方法を導入した加盟店は、両方の決済サービスを利用できるようになるというものだ。まずは、キャッシュレス決済における加盟店負担を減らすべく、一見するとライバル関係にありそうなサービス事業者が手を組んだ形である。
仮想通貨の場合、例えばビットコインの支払いに特化した店舗であれば、ビットフライヤーが提供している特定の決済サービスなどを導入することで、QRコードの読み取りによる決済を行うことが可能だ。自動で売却し、日本円の状態で受け取れるため、店舗側が仮想通貨の価格変動リスクを負う必要はない。
しかし、仮にビットコイン以外の通貨で決済をしようと考えた場合には、店側が対応通貨の取引を行える自分のウォレット(仮想通貨の口座のようなもの)を持つ必要がある。通貨を売却して日本円に換金する手間が発生するほか、仮想通貨の価格変動リスクを負う必要も出てくるのだ。
「ペッグコイン」が仮想通貨普及のカギになるか
現状の仮想通貨では、ユーザー数がそこまで多くなっていないため、店舗側はわざわざ手間をかけてまで決済サービスを導入する必要がないと判断しているはず。キャッシュレス決済は、政府も促進させようと躍起になっていることもあり、まだまだ普及が続くだろう。
仮想通貨のメリットは、国際送金や投げ銭をする際、手間や手数料がほとんど必要ないことだ。一般的な決済手段とは利用シーンが異なる。しかし、先に述べたMUFGが開発している仮想通貨は、日本円の価格に連動するように設計されている「ステーブルコイン(ペッグコイン)」と呼ばれるもの。設計通りに実装されれば、仮想通貨ではあるが電子マネーのような感覚で使うことができるようになる。
そのうえで、PayPayのような大規模キャンペーンが打ち出されれば、消費者の仮想通貨への考え方が変わる可能性があるだろう。
課題は多いものの、まだ伸びしろのある仮想通貨。仮想通貨のメリット・デメリットが世間に広がり、適した利用シーンでのサービスが生まれ、利用者が使いたいと思えるようなインパクトのあるキャンペーンが展開されれば、スマホ決済のような波がやってくるかもしれない。
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