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酒のせいにしても逃げられない、国会議員の"戦争発言" ~ビジネスパーソンの言語学㊹


最近、説明や謝罪時の、違和感のある言葉遣いが話題になりがちだ。当コラムでは、実際の発言を例にとり、公私の場で失敗しない言葉の用い方を考える。ビジネスパーソンのための実践言語学講座、いざ開講!

「戦争しないとどうしようもなくないですか?」ーーー北方領土問題について、丸山穂高衆議院議員の発言

かつて日本維新の会の代表戦をめぐり、前代表の橋下徹氏に「丸山のボケ」とTwitterで罵倒された丸山穂高衆議院議員。北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪問した際の訪問団長の男性への発言を見る限り、やはりかなりの“ボケ”だったと思わざるを得ない。

「団長は戦争で、この島(北方四島)を取り返すことには賛成ですか? 反対ですか?」

「ロシアが混乱している時に取り返すのはOKですか?」

丸山議員は団長に「戦争をしないと島は返ってこない」と受け取れる発言を繰り返し、団長が 「戦争なんて言葉は使いたくないです」と返事をすると、

「でも取り返せないですよ」

「戦争しないと、どうしようもなくないですか?」

とさらに自説を押し付ける。戦争のために失った故郷を平和的に取り戻そうとする方々に対してあまりにも失礼。彼の言っていることは、赤字で苦しむ企業に「オレオレ詐欺に賛成ですか? 反対ですか?」「犯罪やらないと黒字にならないくないですか」と言っているのと変わらない。ロシアにとっては挑発ともとれる発言で、国際問題にもなりかねない。あまりにも思慮を欠いた発言は、まともな国会議員とは思えない。

しかも相当な覚悟の上で発言していたかといえば、どうやらそうでもないらしい。丸山議員は、「かなり酒をすすめられ、酒が入っていたところで。こういう形でご迷惑をかけたこと、改めておわび申し上げます」と謝罪。実は彼は以前にも飲酒トラブルを起こし「二度と酒を口にしない」と発言していたことも掘り返され、火に油を注ぐことになった。

丸山議員は35歳。東京大学を卒業後、経済産業省を経て、2012年に28歳の最年少で衆院議員になっているが、前述の通り、これまでも数々のトラブルを起こしている。日本の政治の高齢化は問題だし、若い議員が未来をつくっていく社会のほうが望ましいと思う。だが、彼のような人間が出てくると「やっぱり若い人間を議員にすべきではない」と考える人も出てくるだろう。

吐いた唾は呑みこめない。若いから、酒に酔っていたからといって許されるわけではない。自由にモノを言えない社会は息苦しいが、最低限のマナーやルールは認識しておくべきだし、発言に対する覚悟も必要だ。思いつくまま適当に発言していたら、そのうち自分自身が排除されることになりかねないということを心に留めておくべきだろう。

Text=星野三千雄 Photograph=Getty Images

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