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AI時代は社会主義国の方がいい?民主主義はオワコンになる?落合陽一氏、ひろゆき氏らが激論

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 令和元年の今年は12年に1度、参院選と統一地方選が重なる年だ。しかし2065年には実に2.6人に1人が65歳以上となる。世界を圧倒する速さで超高齢社会がやってくる日本。日本の政治はシルバーデモクラシー、つまり高齢者だけのものになってしまうのだろうか。そこで4月30日放送のAbemaTV『けやきヒルズ』では、若手の論客が「民主主義はオワコンなのか」をテーマに議論した。

・落合陽一(筑波大学准教授)
・西村博之(2ちゃんねる創設者)
・西田亮介(東京工業大学准教授)
・竹下隆一郎(ハフポスト編集長)
・佐藤信(東京大学先端研助教)
・磯村暖(美術家)

■シルバーデモクラシーが加速


落合:民主主義はコンテンツではないんだから、「オワコン」という言葉が正しいかどうか(笑)。そしてシルバー民主主義も「問題」ではなく「現象」で、世代論で切ることに問題があると思う。この前の北区長選でも、友人の音喜多駿さん(35)と84歳の対立構造で語られていたが、年齢は変えられないし、人口動態も変えられないから、全員にとって優しくない民主主義が始まってしまうと思う。

西村:全員に優しい民主主義なんて、もう無理ではないか。

西田:現役世代の年長世代の数は違っているので、利益は対立する。政治には数と金の力が大きく影響するという意味では、現役世代が令和の日本をどうやって維持していくのかを考える上で、世代間の対立を問題にすることもできなくはない。

重要なのは、若年世代が投票に行かないということは必ずしも問題ではないと考えられているということ。人は成熟していくものなので、政治についても考えて投票に行くようになる。ただ、投票率が1970年代の半分くらいになっているので、若年世代がどうやって政治への関心や問題意識を持つことができるのかは考えてもいい。


西村:そこには"罠"があると思う。仮に若年世代の100%が投票したとしても年長世代の票よりも少ない。つまり、若者が頑張って投票に行こうが行くまいが、高齢者向け政策の方が通りやすいという構造は変わらない。投票に行かない若者の自業自得だ、という"言い訳"として使われているだけだと思う。

西田:まさにそう。だからこそ年長世代をきちんと説得する作業が必要になってくる。資源の量が限られているならば、社会保障費や年金などの資源を若年世代に回して、年長世代には我慢して頂く必要があると。ただ、それは政治的にはとても難しいことだとされてりし、実際には全く進まない。

若年世代が政治的な決定力を握るのは投票率が100%になっても無理だということには同意するが、「時間」の問題が無視されていると思う。若年世代もいずれは年長世代になり、マジョリティになっていく。だからこそ多くの政党が若年世代に好感を持ってもらおうと積極的に動いている。そこで、今のシステムにどんな利点があって、どんな課題があるのか、というメカニズムを理解してもらうことが重要だ。

落合:「時間」というのは正しい考え方だ。人口ピラミッドが減少トレンドに入るのは2035年くらいだが、そこからしばらくすると安定してきて、おそらく全世代が均等になっていくと思う。そこに至るまでの、世代間格差が一番大きくなるここから15年、20年くらいを考えることが重要だ。急激に人口動態が変わると、民主主義にとっては不安定な時期が生じる。

竹下:その期間を耐えられるかどうか。そして高齢者は金持ちで、優遇されていて、というイメージがあるが、高齢者自身も苦しいと思うし、高齢者寄りの政策イコールダメな政策ではないと思う。

■落合氏が"炎上"した「終末期医療問題」


西村氏:嫌がられる議論だが、医療で寿命を延ばし続けることについてのラインを切らないと成立しなくなると思う。仮に平均寿命が200歳になったら、子どもたちが税金で支えるのは無理だ。国はどこかでその判断をしないといけないのに、後回しにし続けていると思う。意識はない、でも食べものをやり流されて生きている人について、自腹なら好きにやっていい。だけどどこまで税金で支えるのか。

西田:人の命よりもコストの方が重要なのか。終末期の判定は価値の側面が大きく、臓器移植法の採決でも多くの政党が党議拘束を外した。コストの問題は合わせて考えない方がいいと思う。

西村:誰が払うのかという問題だ。僕は少子化を解決しないと、こういう問題も解決しないと思っている。最終的には子どもを生む、育てるにお金を使わないといけない。でも高齢者の寿命を延ばすために大きなお金が動くようになっているし、人を生かすことにお金を使ってしまうと、どうすれば子どもが生まれるか、どうやって教育をするか、がどんどん削られてしまう。どこかにコストの問題が出てくる。お金は無限ではない。

落合:僕は年末年始に終末期医療の話で炎上した。その後、有識者の人たちから論文をもらったが、終末期医療にかかっているコストは実はそんなに高くないし、終末期であることを判定するための方法論もまだ確立されていない。それを予測するのはほぼ不可能だということ。しかし高齢化に伴う労働コストや、それに対するサポートコストはテクノロジーで減らしていかないといけない。命の決定よりも、社会の中でその人たちがどうやって働いていくのかとか、疾患に付き合いながらどうやって社会参画していくのかというところはもっと考えることができると思う。

西田:つくづく「人生100年時代」はキツいと思う。

落合:構造的には高齢者にも働いてもらうしかないから。


竹下:だから本当に若者の意見が重視される国にして、若者寄りの政策を実現させようと思うのなら、1人1票の原則を変えるしかない。

西田:1人1票以外の仕組みを実現するためには憲法改正が必要だし、コストも極めて高くなる。

西村:それはもう民主主義ではなくなってしまう。金持ちだけが投票できた時代のように、権利を持っている人と持っていない人に分かれてしまうことになる。

佐藤:安全保障のように、社会保障以外の政策も大量にあって、そこにまで世代間対立を持ち込むと、本当は折り合えることも折り合えなくなってしまうし、結局は「このシステムは本当に頼れるのか」という正統性の問題だと思う。若年世代が「もう詰んでいるからこのシステムには頼らなくていいじゃん」と思ってしまえば、政治には参加しなくなる。

西村:参加しても解決できないし、政治を変えることも不可能なので、せめて自分だけは守ろうと海外に行くんだと思う。僕の周りのお金持ちは子どもをインターナショナルスクールに入れて、日本では育てないつもりでいる。

西田:それができるのはごく限られた人だからこそ、民主主義は重要だ、民主主義というのは配分のシステムなので、そこに参加しないということは自分たちのところには利益の配分が回ってこないかもしれない、ということを言い続けなければいけない。それから、資源の配分の問題、マイノリティの問題などを解決する方法を民主主義の外に置くことも必要だと思う。それはテクノロジーでも対応できる問題だし、行政的なアプローチでも対応できる問題だ。

西村:民主主義をやっている限り若年世代に資源は回ってこない、とも言えると思う。民主主義ではない形にしないといけないという話ではないか。

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