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月に行くなら労働者の賃上げを!が成功した理由ーZOZOTOWN賃上げ要求の裏話ー

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「月に行くなら労働者の賃上げを!」が成功して時給1300円にーこれまでの経緯を振り返るー

5月13日に(株)ZOZOがアルバイトを含む非正社員の時給1300円への引き上げを表明した。

NHKも働き方改革の文脈で「ZOZO」アルバイト2000人採用へ 時給1300円 ボーナスもと取り上げている。

正直なところ、これほど早く時給1300円の実現がなされるとは思っていなかったので、このスピード感には驚かされた。

(株)ZOZO関係者の尽力に敬意を表したいし、この要求に応答いただいたことを率直に嬉しく思う。

上記は僕の「宿敵」(?)である(株)ZOZO執行役員の田端信太郎氏のツイートであるが、実際の理由はともかくとして、要求内容に対して「満額回答」をしてくれたことをありがたく思う。

田端氏も言う通り、現在(株)ZOZOで下支えしている非正規労働者の待遇もこれで少し改善されることだろう。

論争を展開する過程で出会ったZOZOの派遣労働者やアルバイト社員に対しても、運動によって一定の結果を示せたことになる。

非正規労働者の彼らが今後もZOZOで大切に思われ、健康的に働けていくことを外側から願っている。

ただ、当初より、時給1300円に引き上げても何ら問題がない経理状況であることも社会的に訴えてきたので、この決定は現実的なものといえる。

当初より僕とともに活動してくれた労働組合員たちとの議論のなかでも「あの利益水準と構造での要求水準が1300円では低くないか」「1300円でフルタイムで働いても生活は苦しい」「非正規労働者への直接雇用や正社員登用も必要だ」という声は上がっていた。

今回はとりあえず、現実的な路線として1300円を掲げて運動を展開してきたにすぎない。これは今後もZOZO関係者には胸に留めておいていただきたい。

昨年末には、前澤友作社長も僕と直接メッセージをやり取りしてくれて、「賃金は経営者の永遠の悩みでもありますので、ぜひご意見伺えると嬉しいです。」と誠実なメッセージを寄せてくれていたので、今後のさらなる引き上げにも期待したいところだ。

報道では前澤友作社長のゴシップ記事が氾濫しているが、直接やり取りをさせてもらうなかで、一般的には知られていない彼の誠実な一面を垣間見ていた。

ZOZOの株価は全盛期と比べてかなり落ち込み、ネガティブイメージも定着しているようだが、本件を契機に再興をしていかれることも願っている。

ブラック企業対策プロジェクトで共同代表をともに務めて、様々な労働問題に関与し、実質的に改善をしてきた今野晴貴氏もZOZOTOWNの賃上げ 問題は解決したのか?と早速Yahoo!記事を公開した。

今野は当初よりZOZO賃上げ運動に賛同して、巨大企業に対しても、仲間を動員しながらともに活動してくれた。非常に感謝している。

今回の賃上げ運動には、連合、全労連、全労協問わず、多くの労働組合が賛意を示して下支えしてくれたことにも、この場を借りて感謝したい。

特に、直接街宣活動やビラ配り、世論形成に働きかけてくれた労働組合、団体は、首都圏青年ユニオン総合サポートユニオンAEQUITAS (エキタス)である。彼らの功績は大きかった。

引き続き、労働相談があれば、紹介したい労働組合の仲間たちである。

前述の今野は、今回の賃上げについては前向きに評価する一方で、相変わらずの非正規雇用の多さ、賃金水準の継続した引き上げの必要性、労働組合を通じた交渉の意義を明らかにしている。基本的には彼の意見に違和感はない。

(株)ZOZOにも前述のような非正規労働者の話を親身に聴き、問題解決や処遇改善に取り組む労働組合が組織されることを期待している。

今回の決定を第一歩として、引き続き(株)ZOZOには非正規雇用の賃上げ、処遇改善を交渉していくことが求められているからだ。

議論に参加してもらうことで世論や形勢は変わるー「資本VS労働者」の構図づくりの意義ー

今野も指摘している通り、(株)ZOZO関係者とは昨年からネット上、ネット動画などを通じて、論争を展開してきた。

双方とも執拗に多くの人が見れる場所(SNSなど)で意見を出し合いながら、ぶつかり合ってきた。

僕がその際に心がけてきたことは短期的な成果を求めるのではなく、中・長期的にネット上で議論の場を作ることだった。

いわゆる世論形成である。

残念ながら、日本の労働者は労働組合になじみが薄く、労働組合不信も強い

だからこそ、労働組合組織率も低く、世界各国と比較しても労働者の権利要求が極めて低水準でしか行われていない。

特に、今回取り上げた非正規労働者の権利要求が十分でなかった企業別労働組合(正社員クラブとさえ揶揄される)も多いので、非正規労働者の声を代弁する機関があることもあまり知られていない

そもそも今回のように、資本や企業に対抗すること自体がイメージできない労働者は異常なほど多い

だからこそ、何か労働問題が起こった際に、労働者の多くが意識的であれ、無意識であれ、資本家、企業目線で考えてしまうようだ。

例えば「社長が月に行くことは夢があって自分のことのように嬉しい。藤田はそれを邪魔しないでほしい。」とツイートする非正規労働者もいたことには驚いた。

ハッキリ言って、前澤社長が月旅行に行っても、あなたの人生は何ら楽にはならないにもかかわらず、である。

「賃上げしたら企業の利益、成長が鈍化するのではないか」というツイートも非正規労働者のものだ。

あなたは労働者である。賃金として払われなければ、資本側、株主側に回るだけである。その象徴が前澤社長であろう。

落ち着いて自分の立ち位置、利害関係を考えてみてほしいと繰り返し訴えてきた。

実際に月に行くよりも、ZOZOの賃上げの方がはるかに経済効果が大きいZOZOの賃金水準がこれから賃上げ圧力を市場や地域にかけていくし、それによって個人消費も促進する。

もちろん、僕が取り組んでいるワーキングプアなど日本の貧困問題もわずかであれ、賃上げによって縮小傾向を取るだろう。

要するに、事あるごとに「資本VS労働者」の構図を描くことに心がけてきた。

それによって、徐々にではあるが、「月に行くよりも賃上げを!」「月に行くなら賃上げを!」が荒唐無稽な要求ではなく、確かに一理あるもの、実現可能なもの、として思わされ、多くの方に理解されるようになっていった。

このような(株)ZOZOに対する社会的な要求は日を増すごとに強くなっていったことも実感している。

世論形成に携わってくれたSNS、Twitter参加者の皆さんにも改めて感謝したい

労働者のため、地域経済、日本のために声を上げてくれた皆さんが(株)ZOZOを動かしていったものとも思っている。

これからも「資本VS労働者」の意義を理解いただいた皆さんとともに、具体的に生活や暮らし、働き方が良くなるように活動していくつもりだ。また力を貸してほしい。

※Yahoo!ニュースからの転載

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