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DV・ストーカー行為を米軍・県警が放置か 沖縄・米兵女性殺害事件の背景(城間陽介)

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【DVへの認識があったのか】

米軍は1月下旬、「2人に交際トラブルがある」と県警に通報。駆けつけた沖縄署員に女性は「(3等兵曹に)わいせつな行為をされた」と説明した。県警によると、被害届提出を女性に促したが、「米軍に対応してもらっている」と県警側の関与は望まなかったという。一方、女性の周辺によると「彼女は何度も県警や米軍に被害を相談していた」という。

県警によると最後に女性と連絡を取ったのは3月中旬で、女性は「トラブルはない。大丈夫」と返答。だが友人の証言では3月下旬にオリベーロ3等兵曹がアパート周辺に度々現れ女性はおびえていた。そして4月、事件は起きた。

今回の事件で明らかになったのは、米軍はオリベーロ3等兵曹に女性への接近禁止令も出すなど問題行動を把握していたにもかかわらず監視せず放置し、リバティー制度も含めて形骸化していたことだ。また、米軍から通報を受けた県警も当初から「事件性、緊急性は高くない」と判断。また女性からの被害申告がないとして踏み込んだ対応をしなかった。

日米両当局ともに女性から「トラブルはなくなった」と説明を受けたことから「差し迫った脅威はないと判断した」などと釈明。対応に問題はなかったとの認識を示している。しかし女性がトラブルはなくなったと言ったのは3等兵曹にMPO発令後、米軍基地内に隔離されていると聞かされたためだった可能性がある。DV特有の、被害者が相手からの報復行為を恐れて訴えを躊躇ったり取り下げたりするという事情に対する認識が両当局にあったのか。日米の捜査機関の管理が徹底していれば救える命だった可能性がある。

県警は近く、オリベーロ3等兵曹を被疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する方針だ。

(城間陽介・『沖縄タイムス』記者、2019年4月26日号)

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