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タイタニック号と原発

 ちょうど100年前の1912年4月に沈没したタイタニック号には2隻の姉妹船があった。オリンピック号とブリタニック号である。このうちブリタニック号はタイタニック号沈没の時点ではまだ建造中だった。不沈艦と思われていたタイタニック号の沈没という衝撃的事件を受けて、ブリタニック号にはいくつかの改良が加えられた。とはいえ船は大部分がすでに完成していたため、運航会社のホワイトスターライン社は抜本的な設計変更まではしなかった。関係者は「タイタニック号はいくつかの不幸な偶然が重なったために沈没しただけであり、そんなことは二度も三度も起こらないから大丈夫」と考えていたという。

 結局、ブリタニック号は進水式からわずか2年後の1916年に折からの第一次世界大戦の中、触雷し、タイタニック号よりも短い時間で沈没してしまった。

 なにか原発再稼働を思わせるような話である。政府や電力会社には「東電福島第一原発のようなことはそうは簡単に起こらない」と思っている人たちが多すぎるような気がする。ちょうどホワイトスターライン社の人たちのように。

 少なくとも事実として言えることは、再稼働が話題になっている大飯原発には免震重要棟もなければ、フィルター付きベントの設備もないということである。これらは数年以内に設置をするから大丈夫というが、その数年以内に震災が発生しないという保証はない。こうした根拠なき楽観論こそ戒めるべきだろう。

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