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太陽光発電の強制買い取り価格42円/kWh、20年間保証の異常

経済産業省は25日、太陽光発電の買い取り制度が導入される7月に向け、「調達価格等算定委員会」を開き、メガソーラーなど大規模太陽光発電の買い取り価格を1kWh当たり42円とする委員長案をまとめた。さらに大規模なメガソーラーの場合、この価格を20年間保証するという。国の補助金制度を合わせると実質48円/kWhにもなる。メガソーラー事業への進出に意欲を見せていたソフトバンクの孫正義氏らのいい値がほぼ通ったことになる。筆者は、これは極めて異常な事態で、今後、日本に大きな禍根を残すと考えている。

まず、石炭火力や原子力などの発電単価は5~6円/kWh程度で、これだけでこの買取価格が本来の価格の10倍近いことがわかる。しかし、実際はもっと高い。なぜならば、石炭火力や原子力は、発電量をコントロールでき予測可能なため、発電した電気のほぼ全てを使えるが、いつどれだけ発電されるかわからない太陽光は、電気が作られてもそれがうまく使われるとは限らないからだ。しかしながら、電力会社は太陽光発電で作られた電気を買い取る義務があり、このコスト負担は全て電気代に自動的に上乗せされる。

また、この42円/kWhという単価は、ドイツなどの25円~30円/kWh程度の買取価格よりもはるかに高い。なぜ、そのような高価な電気を、国民が負担しなければいけないのだろうか。言い換えると、なぜ国民は毎日毎日、太陽光発電業者にお金を渡さなければいけないのだろうか。

金融バブルで踊った欧州は多額の税金を費やして太陽光発電などに設備投資してきたが、バブルがはじけて高い維持・管理費が重い国民負担になっている。電気エネルギーは国民生活の基本で、このコストが高止まりするのは欧州経済に暗い影を落とすだろう。補助金がカットされはじめ、ソーラーパネル生産で世界のトップを走っていたドイツのQセルズは最近破綻したばかりだ。

ソーラーパネルのようなコモディティは、先進国はコストの面で中国のメーカーに対抗できない。独Qセルズ、米ソリンドラの破綻を見れば明らかだろう。実際に、中国のサンテックなどがソーラーパネル製造を席巻しており、仮に、日本でメガソーラーの建設が進んでも、雇用などでプラスになるのは中国で、日本ではない。日本のメーカーから買うような規制をすることはWTOの協定違反でできないし、そもそもそのような規制がなければ競争力がない日本のメーカーの特定分野に補助金をばら蒔く必要もない。

そもそも孫正義氏などの自然エネルギー推進派の識者は、太陽光発電の発電単価が原子力より安くなった、などと吹聴していたではないか。だとしたら、なぜこのような42円、20年間などという国民の血税が必要なのだろうか。また、地域独占の電力会社は、競争がないから電気代を下げない、とも批判していた。だったら、42円、20年間というのは、どのような競争があるというのだ。

素人が作った、いつ棚に並ぶかわからない、品質も保証できない商品だけど、棚に並んだ時だけは、とにかくなんでも市場価格の10倍で買え、などという法律がおかしいということは5歳の子供でも分かることだろう。

このような話を美談として報道する日本のマスメディアは、思考を停止してしまったとしか考えられない。

参考資料
「反原発」の不都合な真実、藤沢数希画像を見る
国内最大級の浮島太陽光発電所を見学してきました。アゴラ、2012年01月05日
次々と破綻する欧米の再生可能エネルギー関連企業、アゴラ、2011年09月21日
発電単価というのは参考値にすぎない、アゴラ、2011年07月28日

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