- 2019年05月09日 11:20
【読書感想】レンタルなんもしない人のなんもしなかった話
2/2【9月24日】
この「レンタルなんもしない人」という活動、「新手のヒモ」「新手の乞食」「単なる無職」など散々な言い表し方をされることが多くてよく気が沈むんですが、以前出たAbemaTVの番組で、ふかわりょうさんが「面白い船が集まる港」と表現してくれて、それを時々思い返すことで気を保っているとこある。
「貯金がある」「家族が応援してる」といった条件をつけて「良し」とされることが多いので、あえて言いたいのですが、貯金がなく、家族が反対してても別にいいじゃないかという気持ちもあります。
人間の営みをすべて「飯の種」と捉えなければ気が済まない思考回路っぽい人には「自分はライター業をやっていて、今は取材に集中している段階と言える。交通費や諸経費の不安なしにいろんな経験ができるのだから、取材のやり方としてうまいでしょ」みたいに説明してます。
これはこれで、本人にとっては「不本意」なのでしょうけど。
ただ、読んでいると、利用する側にも、「なんもしない人の存在を必要としている」というよりは、「話題になっていて、ネットではけっこう影響力がある人のネタにされることによって、何かの宣伝をしたい、自分をアピールしたい」という宣伝媒体としての利用価値を見出している人が少なからずいるように感じました。
そして、利用する側も、「どんな面白いことをレンタルなんもしない人に頼むか」という「大喜利」になっていったように見えるのです。
それもまた、「織り込み済み」ではあったのだろうか。
たまに「写真を撮ってほしい」「部屋の片付けを手伝ってほしい」「〇〇を買ってきてほしい」など、なんかさせようとしてくる依頼が来て身構えてしまうんですが、人間をレンタルできるサービスはほかにもあることを忘れないでほしい。人になんかしてもらいたい方はおっさんレンタルをご利用ください。
こないだの大学院入試に合格した例に限らず、実際にレンタルしなくても効果が出る現象は稀ながら起こっている。具体的には、一人で行きづらい場所があるときに「レンタルなんもしない人をレンタルしたい」とつぶやくと、フォロワーの誰かが気にかけて同行してくれる流れになるなど。
正直、レンタルさせてくれる基準がよくわからないところもあるのですが、この「レンタルしたい表明によって、他の人が立候補してくれる」なんていうことも起こりうるのがネットの面白いところなのですよね。
そして、こういう活動をやっている人ならではの「依頼」が来ることもあるのです。
新年会に向けて、人と一緒にご飯を食べることのリハビリをしたいので食事に同席してほしいという依頼。極度の人見知りかと思いきや”会食恐怖症”という病気で、特定の人を除き、人とご飯を食べると吐き気など不調が現れるらしい。同僚から食事に誘われたときの断る理由も尽きてきたそうで大変そうだった。
こういうのも、相手が「なんもしない人」だからこそ、頼めるのではないか、と思うんですよ。
そして、自分の身の回りに、そんな人がいるなんて想像もしなかった人たちにも、「レンタルなんもしない人」を通じて、認知されたのです。
実際は「なんもしない」というのは、けっこう才能がいるのではないか、とも思うんですよ。
僕などは、仕事で人の話を聞いているときも、昔話が長くなりはじめると、「これはつらい……誰かPHSを鳴らしてくれ……」と、心の中で叫んでしまいます。とはいえ、それを表面に出すわけにもいかず……
「何もしない」かつ、「何もしないことに苛立っていると周囲に感じさせない」というのは、けっして簡単じゃないはず。
これはある意味、高度な専門職のような気もするのです。
とはいえ、多額の報酬が発生すると、また違うプレッシャーがお互いにかかってしまうのでしょうね……
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