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1800円のガチャ…映画館の“クソ客”という大問題


 行きつけのとんかつ屋さんなら特上ロース定食が1回注文できる。大好きな松屋のネギ塩豚丼ならば3回頼んでおつりがくる。Netflixなら2ヵ月分映画・ドラマが見放題だ。

 ぼくにとって、映画館で1作観るために支払う「1800円」はそういう金額である。4DXなら3000円近くになることもある。なのに、それでも、その体験の満足度は、ほぼ「くじ運」のようなところがある。周囲にクソ客がいることで、著しく下げられるのだ。

 昨日、しょこたんことタレントの中川翔子の以下のツイートを読んで震撼した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190508-00000031-sph-ent

 不幸な事故である。たぶんこのクソ客も、勘違いながら「後ろの客に席を蹴られた」ことで鑑賞の邪魔をされた「被害者」なのだ。劇場の設備に何か問題があったのかもしれない。それにしても、なにも後ろの席にジュースを引っ掛けることはないだろう。その一点において、この客は問答無用で即座に「クソ客」である。

 ぼくはしょこたんのツイートを読んだとき、率直に「怖い」と思った。劇場鑑賞回数が多いほど、こういうやばい客に出くわす確率が高まるのが当然である。いつかぼくも、しょこたんと同じ席に座り、頭のおかしな周囲の客に因縁をつけられるかもしれないのだ。

 現にここまではいかないまでも、過去にクソ客ガチャは何度も引いてしまっている。以下がその中のごく一部だ。

・外国人観光客と見られるめちゃくちゃ会話し続ける客

・謎のビニール袋をくしゃくしゃやり続ける(これはほかの客がキレて収まった)

・お前くじ引いてんのか、というぐらい1回ごとにポップコーンごそごそ取り出す客

 まだまだある。挙げだしたらキリがない。

 クソ客がいることで、鑑賞そのものに悪影響を与えられる。しょこたんのツイートで共感したのは以下の部分。

あまりにもびっくりしたけど、上映中だし黙ってそのまま映画みてましたがショックで内容が頭に入らなかった。。

 分かる…分かるよ、しょこたん。頭のおかしなヤツが近くにいたって分かったら、どんな映画であろうと頭に入ってこないよ。

 世の中いろんな人がいる。外出したら非常識な人や頭のおかしな人に遭遇することもある。それはしかたないことだ。しかし、映画館がほかのシチュエーションと異なるのは、「クソ客と分かったとしても、しばらく近くにいかなければならない」という恐怖である。勇気を出して「やめてください」と注意したとしても、「終了後にぶん殴ってくるのではないか」という、映画よりもスリリングな味わいたくない恐怖を抱き続けなければならない。

 どうしてそれでも劇場に通うのか。端的にいって、スクリーンで観る映画とそれ以外で観るそれは「別物」だからだ。そして、前者で観るほうが圧倒的によい。前者で観たからこそ好きになった映画も、その逆はないだろう。没入感が段違いだ。

 「モノ消費からコト消費へ」と叫ばれているが、「劇場鑑賞」とは元来そのコト消費の王様である。映画館で観る映画、という究極の体験型アトラクション。だからこそ映画館に行くのだが、そこには計算できない「他の客」という不確定要素が待っているこのジレンマ。

 鑑賞体験を邪魔されず、なおかつ劇場鑑賞なみの鑑賞体験を得るために「ホームシアター」という手もある。実はぼくの家にもホームシアターはある。これは明確に自慢だが、自宅に地下室があり、そこに「ホームシアターごっこ」のようなものをしているのだ。しかしまだまだ「ごっこ」の域は出られておらず、劇場鑑賞には敵わない。

 いっそ、映画館を一蘭のようにはできないものだろうか。

 半分冗談であるが、半分本気である。

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