記事

不登校だと成績表はどうなるのか、意外と知られていない評価の仕方

2/2

フリースクールを利用する前に

 相談では、それらをお伝えし、まずは「子どもが学びに向き合えるように落ち着ける環境をつくっていきましょう」と私は勧めています。

 学校を休み始めたころは、たとえば勉強はおろか食事や入浴、着替えなどのふだんの生活が困難になることがあります。

 少なくなってしまった本人のエネルギーは最小限の生命維持に費やされ、ほかのところにまで手がまわらないという状況になりがちだからです。

 比較的落ち着いて、自分のやりたいことを始めているなら、私はそれを「学習」と捉えます。いろいろなことが活動を通して自分のなかに吸収されているからです。

 不登校のよいところは、学校の基準である「学習指導要領」の枠組みにとらわれないことだと思います。

 もちろん不登校でも体験的に身につけたことが「学習指導要領」の内容に含まれていることは多いです。

 でも、順番どおりではありません。場合によっては上や下の学年で学習する内容もあります。

 ですから、不登校の学びは虫食いの葉っぱのようにボコボコと穴があいていますが、一定の基礎的な学力は身についていきます。

 そのようすは保護者の方の多くが体験していると思います。「まだまだ子どもで、何もできないと思っていたのに、気がついたらいろいろとできるようになってた」とか「一丁前のこと言うから、わかっているもんだと思っていたのに全然わかっていなかった」といったようなことです。

 でも、虫食いの葉っぱでも食べ続ければやがて全部なくなるように、生きるうえで必要な知識を習得していくことができます。現に、今も不登校経験者は社会のなかにたくさんいます。

 ともあれ、質問の本質は、成績というより「わが子が不登校になっていく変化を、どう受けてとめていくか」だと思います。

 不登校を受容することの難しさは、本紙の記事からもわかります。それだけに、情報収集はもちろん保護者の会などで誰かに話を聞いてもらったり、味方をつくったりすることがとても大事になります。

 そうして、まずは保護者自身が安心を得ることから、家庭の居場所が生まれ、子どもの学びにつながっていくように思うのです。(庄司証)

* * *

※文科省通知「不登校への対応の在り方について」「不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取り扱い等について」より抜粋。


(しょうじ・あかし)80年生まれ。「函館圏フリースクール すまいる」代表。不登校・高認・進学支援にとり組んでいる。元大学非常勤講師。

「不登校新聞」マガジンの読者登録はこちらから

あわせて読みたい

「不登校」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。