- 2012年04月24日 11:00
いまさら聞けない「ブラジルEC市場」超入門:そろそろブラジルが本気を出すようです
1/2楽天やamazonといった大手ECプレイヤーが、まさに今から本格参入しようとしている「ブラジルのEC市場」について、あまりご存知ない方も多いのではないかと思い、一度このタイミングでまとめておきたいと思います。
下記の内容について、順にお話させて頂きます。
・ブラジルのEC市場規模の推移
・大手EC関連サイト
・領域特化型ECサイト
・ブラジルEC市場の課題
■ブラジルのEC市場規模の推移
まずは気になる市場規模から。
直近2011年の市場規模はR$18.7billion(日本円にして約9,350億円)。対前年比26%UPという結果になっています。10年前からの推移を見ると、気持ちいい程の右肩上がりのカーブで上昇していることが分かります。
▼ブラジルのEC市場規模の推移(億円)
リンク先を見る
※e-bit発表資料を基に砂塚作成(R$1=50円にて換算)
なお、2012年の予測は25%UPのR$23.4million(≒約1兆1,700億円)となり、日本円で1兆円を超える規模に到達する模様です。(※e-bitより)
そしてもちろん、市場規模に連動するようにECサイトで購入するユーザー数も右肩上がりで伸びています。
▼ブラジルのECユーザー数の推移(万人)
リンク先を見る
※e-bit発表資料を基に砂塚作成
直近2011年のユーザー数は3,190万人。ブラジルの全人口は1億9,325万人(※出典:JETRO)ですので、伸びているといえども、ECサイト利用率はまだわずか16.5%ということになり、まだまだ伸び代が残されていることが分かります。
なお、IBOPE Nielsenによると今年1月時点でのネットユーザー数は7850万人という発表もあるので、ネットユーザーに占めるECサイト利用率は40.6%となりますね。
■大手EC関連サイト
では、具体的にはどんなサイトが存在しているのか、大手サイトをいくつかご紹介させて頂きます。
①mercadoLivre(メルカード・リブリ)
まずこちらはEC関連サイトでアクセス数TOPのオークションサイト「mercadoLivre(メルカード・リブリ)」です。日本で言うところの「ヤフオク」ですね。
▼mercadoLivre(メルカード・リブリ)
リンク先を見る
http://www.mercadolivre.com.br/
本社はアルゼンチンで、設立は1999年。ブラジルのサイトもアルゼンチン同様に1999年からサービスが開始されていたようです。その後、2001年に米ebayが約20%の株式を買収する形でebay傘下に。ラテンアメリカ地域を中心に、現在13カ国に展開しています(アルゼンチン・ブラジル・コロンビア・コスタリカ・チリ・ドミニカ共和国・エクアドル・メキシコ・パナマ・ペルー・ポルトガル・ウルグアイ・ベネズエラ)。
2011年の第4四半期(10〜12月)の取引数は1,590万件、取引総額はUS$1.45billion(前年比46.7%増)、売上はUS$86.5million(前年比38.8%増)、ユーザー数は6,580万人とのこと。(いずれもラテンアメリカ計の値)
なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第12位で、EC関連サイトでは最上位。Wikipediaよりも上位に位置するとてもメジャーな存在です。
②BuscaPé(ブスカペ)
続いてこちらはアクセス数第2位の価格比較サイト「BuscaPé(ブスカペ)」です。日本で言うところの「価格.com」ですね。
▼BuscaPé(ブスカペ)
リンク先を見る
http://www.buscape.com.br/
本社はブラジルで、設立はmercadoLivreと同様1999年。2009年9月に南アフリカNaspersが株式の91%をUS$342millionで買収。あくまでもこの価格比較サイトを中心に据えているものの、それ以外にもtoB向けのビジネスや、EC市場の調査研究機関や、領域特化型の比較サイトなども含め、幅広いサービスを展開しています。2011年の売上は推定R$205million(≒約103億円)とのこと。(※出典:Exame PME)
▼推定売上推移
リンク先を見る
※Exame PME掲載情報を基に砂塚作成(R$1=50円にて換算、空白年次は不明)
なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、全サイト中第35位。
③B2W(Americanas.comおよびsubmarinoなど)
続いて2つのサイトを同時にご紹介します。
前述のオークションサイト、価格比較サイトとはプラットフォーム型でしたが、それらとは異なり自社で商品を販売しているECサイト「Americanas.com(アメリカーナス.com)」と「submarino(スブマリーノ)」です。扱っている商材は、電子機器、家電、調理器具、家具、ゲーム、書籍、DVD、美容健康、スポーツ、おもちゃ…など多岐にわたっています。
▼Americanas.com(アメリカーナス.com)
リンク先を見る
http://www.americanas.com.br/
▼submarino(スブマリーノ)
リンク先を見る
http://www.submarino.com.br/
なお、これらの2つのサイトは共に「B2W」という企業が運営しています。
▼B2W(ベー・ドイス・ダブリュ)
リンク先を見る
http://www.b2winc.com/
このB2Wは、上記2つのサイト以外にも、旅行サイトやチケットサイトなど複数のECサイトを展開しており、ECを運営する企業としてはブラジル最大手です。2011年の連結売上はR$4,232million(≒約2,116億円)とのこと。(※出典:B2W社IR資料より)
しかし、最大手である一方で、実はこの会社は問題も多く、つい先日(2012年3月)も消費者保護センターから72時間の営業停止処分が下されていました。このB2Wが悪いのか、物流業者が悪いのか、厳密には分かりませんが、「商品が届かない」や「商品が壊れていた」といった苦情が非常に多い模様です。消費者保護センターに限らず、以前にこちらの記事でご紹介した「クレームを介した企業と消費者のCRMプラットフォーム」的なサイト上でも、常にワーストランキングを争っているような状況です。
なお、現在のAlexaのブラジルランキングによると、Americanas.comは全サイト中第38位、submarinoは第47位です。
以上ここまで、大手EC関連4サイトをご紹介させて頂きましたが、Alexaでこれら4サイトの推移を見てみると下記のようになっています。
- 砂塚裕之/ ITmedia オルタナティブ・ブログ
- ブラジル社会で生きる中で考えた事をざっくばらんに吐き出します



