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今年もトヨタの独壇場! 東洋経済「社会貢献支出額ランキング」(2019)

社会貢献支出額ランキング

先々週に発売された「CSR企業白書2019」(東洋経済新報社)で発表された、「社会貢献支出額ランキング」を紹介したいと思います。

昨今のCSRの議論では、CSV的なものや、SDGsを事業機会創出のきっかけにするなど、経済合理性が重視されたCSR活動をよく見聞きします。これはとても素晴らしい方向であり、ぜひ各社オリジナリティのある社会課題解決型ビジネスをしていただければと思います。

しかし一方で、ビジネスでは解決しにくい社会課題のカテゴリもあり、たとえば「文化保護」など、いわゆる慈善活動的な要素が強いが社会的意義が高くまた社会・ステークホルダーからの期待度が高いカテゴリもあります。

経済合理性や組織へのリターンを考えると少なくとも短期・中期的には支出が増えることも多くありますが、社会貢献活動はCSRにおいて意義のあることなのですが、それらを積極的に行なっている企業をあなたはご存知でしょうか。というわけで早速最新の企業ランキングを紹介します!

2019年ランキング・トップ30

1、トヨタ自動車(243億円)
2、ホンダ(74億円)
3、NTTドコモ(65億円)
4、日本電信電話
5、JT
6、三井不動産
7、サントリーホールディングス
8、武田薬品工業
9、日本生命保険
10、パナソニック
11、キヤノン
12、イオン
13、三菱UFJフィナンシャル・グループ
14、東日本旅客鉄道
15、JXTGホールディングス
16、エーザイ
17、ソニー
18、大和ハウス工業
19、日立製作所
20、ソフトバンクグループ
21、大日本印刷
22、三菱商事
22、ヤフー
24、三菱地所
25、コマツ
26、東芝
27、東京海上ホールディングス
28、第一三共
29、三菱重工業
30、キリンホールディングス

参照:「CSR企業白書2019」(東洋経済新報社、2019年4月)

2018年ランキング・トップ30

ちなみに昨年のトップ30は以下のとおりです。トップ30内でも幾分か変動がありますが、いつもの顔ぶれともいえるでしょう。

1、トヨタ自動車(292億円)
2、日本生命保険(88億円)
3、ホンダ(80億円)
4、JT
5、日本電信電話
6、NTTドコモ
7、三井不動産
8、サントリーホールディングス
9、ソフトバンクグループ
10、大日本印刷
11、イオン
12、三菱UFJフィナンシャル・グループ
13、キヤノン
14、武田薬品工業
15、旭化成
16、東日本旅客鉄道
17、パナソニック
18、JXTGホールディングス
19、エーザイ
20、三菱重工業
21、三菱商事
22、ソニー
23、大和ハウス工業
24、東芝
25、第一三共
26、三菱地所
27、三菱ケミカルホールディングス
28、富士フィルムホールディングス
29、MS&ADインシュアランスグループホールディングス
30、野村ホールディングス

参照:「社会貢献におカネを出す」100社ランキング(2018年3月)

参考:社会貢献支出率ランキング・トップ10

こちらは「社会貢献・支出額」ではなく「社会貢献・支出比率」のランキングです。本誌では400位まで公開されています。

1、サンメッセ
2、大日本印刷
3、エーザイ
4、ファンケル
5、ツムラ
6、日清食品ホールディングス
7、ベネッセホールディングス
8、太洋工業
9、住友金属鉱山
10、フジクラ

参照:「CSR企業白書2019」(東洋経済新報社、2019年4月)

所感

社会貢献の意義は金額の大きさだけではないもの、社会へのインパクトという意味では支出金額がどれほどなのかは気になってしまいますよね。ちなみに、ここでいう社会貢献支出とは、単純な寄付金額だけではなく、社会貢献を目的とした各種事業への支出額も含まれているとのこと。さすがに寄付金額だけで数十億単位の支出ができる企業はそこまで多くはないと思われます。

1位のトヨタと2位のホンダでさえ、ダブルスコアをはるかに超える社会貢献支出額となっており、今年もトヨタがダントツのトップでフィニッシュ。ホンダの下でダブルスコアになるのが13位の三菱UFJの38億円あたりです。総合ランキングとは違い、こちらはトップ30以内でも数値の差がものすごくあります。ちなみに、トップ30を見れば昨年の支出と横ばいもしくは微増という企業が多いです。

いつも話がでるのは「慈善活動ではなく本業で社会貢献すべき」というCSV論派閥。いや、まったくその通りですなのですが、企業が儲からなければやらないというロジックにもつながり、それだと“人気のない”社会問題は一向に解決できませんし、実際解決されていません。やりたいことしかやらない「チェリーピッキング」は、法令違反ではないですが褒められるものではありません。

ただ、多くの企業は各社の理念に基づき“必ずしも利益を最優先としない”社会貢献的な活動にも幅広く取り組んでいる例もあります。あまり特定の思想に偏りすぎない、レジリエントな姿勢も大切だと思います。

ランクインするためには

結論からいえば、上位企業になるには、寄付をはじめとした社会貢献支出を増やせば良いです。(身も蓋もない!)

では、本誌掲載分のトップ400社に入ることを前提とすれば、どれくらいの支出でランクインできるかというと、400位前後で「2,000万円」程度となっています。2,000万円の寄付ではなく、トータルの社会貢献支出額なので、そこまで難しいラインではないと思います。

中小・中堅企業は、金額では超大手企業には絶対勝てないので、経常利益に対する社会貢献比率を高めることで、「社会貢献比率ランキング」に入ることは可能です。本誌では400位まで発表されているのですが、400位前後でいうと「0.13%」の「500〜1,000万円」程度となっています。上場企業であれば“鶴の一声”で、できなくもないラインです。

下限を参考にするのがよいのかどうか別として、ランクインを目指し、また当然ながら社会やステークホルダーへのポジティブなインパクトを起こすべく、今年度の事業展開もしくは、来年度のCSR活動推進計画を進めてみてはいかがでしょうか。

CSR企業白書2019

まとめ

予算を出すだけがCSRではありませんが、通常のビジネス・スキームでは解決しにくい社会課題も多く、ある一定レベルの社会貢献活動(慈善的活動、フィランソロピー)も、CSRとしては重要な活動となります。

「儲からないCSRはやらない」とか「本業でCSRを」とか、バウンダリという概念を理解してない経営層の方も、上場企業に普通にいらっしゃいますが、それは重要な考えなものの、一つの方法論で解決できるほど社会課題解決は甘くないよということです。

ある程度の規模の企業には、社会やステークホルダーからの期待値が大きくなります。少なくとも、期待に対して誠心誠意対応していく心構え(≒組織体制)は、整えていく必要があると言えるでしょう。

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※Yahoo!ニュースからの転載

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