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野党が一本化することが野合という批判はあたらない バラバラな方が困る 候補の一本化は各野党の責務

夏の参議院選挙が近づいてきました。野党側の候補の一本化はまだまだ遠い感じがします。

野党、1人区候補統一で苦戦 連休明けの合意目指す 比例での共闘も課題」(北海道新聞2019年5月6日)
「人区は世論の「風」や選挙協力の影響が出やすいが、直近の国政選挙である2017年衆院選の比例代表得票から試算すると、立憲民主、国民民主、共産、社民各党の合計が自民、公明の与党を上回るのは12選挙区。」
 これを一部には数合わせと言って批判の的になっていますが、それ自体が間違った認識です。

 野党に求められているのは何かということです。野党が優勢の選挙区が12もあるというのは、自公候補ではない候補の当選を求めている声が大きいということです。

 だからこそ候補の一本化が必要なのです。バラバラになって死票を増やすだけのことを野党支持者は求めてはいません。

 数合わせだという批判の根底には政党ごとに政策が違うのにということが言われています。こうした批判は自公系支持者からのものばかりですが、はっきり言えば余計なお世話です。こう言って分断をはかりたいという魂胆が見え見えです。

 政策が違うっていうなら、自民党と公明党は同じですかということと同じで、意味のない批判です。

 自民党自体、個々の「オレがオレが」の議員の寄せ集めの究極の数合わせではありませんか。理念も何もない議員の寄り合い所帯。

 その点は、旧民主党も似たようなところもありましたが、与党だから集まってくる人たちとは違います。

 公明党、共産党は独自の存在意義があり、寄り合い所帯ではありません。

 さて、各政党で究極の政策が一致しないのは当たり前なんです。

 次の選挙で何を目指すのか、ここで一致できれば何も問題ないわけです。究極の目的が違っていて何がダメなんでしょう。

 自衛隊が憲法違反か否かなんて争点にもなっていないわけですから、例えば自衛隊が違憲だと主張する共産党は、次期選挙では争点としない、つまり自衛隊が違憲だとも主張しないし、それを野党候補に要求することもしない、仮に共産党候補が統一候補になったとしても自衛隊の違憲論は主張しないし、議員になった後も封印する、これで十分なわけです。

自衛隊を違憲と言っている共産党と一緒にやれるの?

 だからやれるんです。

 原発問題、辺野古問題も然りです。

 原口一博議員が野党に2つの道はいらないということの意味はそう理解できます。

野党に二つの道はいらない 19年はチャンスの年」(毎日新聞2019年2月7日)
〈<原口一博氏>野党は「原発ゼロ」「消費増税の凍結」「辺野古反対」で共闘を〉
 とても、わかりやすいではありませんか。今、野党に求められている政策の一致点です。

 先般、国民民主党と自由党が合流しましたが、そこでも数合わせなどと揶揄されていましたが、1つにまとまることの意味は大きいのです。

国民民主党と自由党 合流するのが自然だ 菅直人政権の消費税増税公約こそが分裂の発端 「希望の党」にひれ伏したことが間違い

 確かに旧民主党と共産党は政党としては全く性質が異なりますから、この両党が合流することはありませんし、共産党と社民党も同様に合流することはありません。

 そこには政党間の「壁」が存在するのですが、だからこそ、わかりやすい政策で一致し、譲るところは譲るということで候補を一本化すべきであるし、それこそが野党各党の責任なのです。

 要は当選させるために大きな枠での政策の元で「数合わせ」をすることは野党各党の責任ですらあるということです。

 数合わせでは支持は伸びないということはありません。3年前の参議院選挙は一定の成果を出していますし、衆議院選挙でも、北海道のように一本化した選挙区では野党候補が大いに成果を出しています。

 そこでは安倍政権による9条改憲に反対するということも含まれます。

 そこで一致してやろうとしているときに9条限界論をぶちかます山尾志桜里氏は本当にセンスがなさ過ぎるのです。

立憲民主党を内側から破壊する山尾志桜里氏 立憲主義を標榜する看板に偽りあり

 ただ比例区の統一名簿については、私はどうなんだろうと懐疑的です。

 旧民主党が統一するならわかりますが、別々の政党であるということと、比例区の場合には死票は少ないので(と言いつつ、100万票で1議席と言われていますから、50万票ずつに分散すれば1議席は自民党に行ってしますかもしれません。)、

無理に統一することで、かえって有権者にわかりにくくすることはないのか、ということです。


2019年5月5日撮影

 ところで、こうした中で残念な報道がありました。国民民主党の玉木代表が護憲のための集会に出席したときに会場からヤジが飛んだというのです。

「『令和』って言うな」国民・玉木代表に聴衆が発言」(産経新聞2019年5月3日)
「登壇した玉木氏がこう切り出すと、聴取から「令和って言うな!」「そうだ!」「令和はいらねえぞ!」などと怒声が飛んだ。」

「玉木氏は、安倍首相が意欲を示す憲法9条への自衛隊明記などを批判したが、立憲民主党の枝野幸男代表や共産党の志位和夫委員長の挨拶に比べて拍手は少なめだった。」
 自民党の中の極右議員和田政宗氏に「失礼」とまで言われています。

玉木代表に失礼な護憲派の聴衆 改憲派の集会に参加しては?

 私も失礼だと思います。「令和」が争点なんですか。

 今、求めているのは何かといえば、玉木代表が言っている安倍政権の元での憲法9条改憲阻止なわけです。

 元号レベルで色分けするなんて分裂させたいのかとしか見えないし、玉木氏にだって同じように拍手すべきなんです。

 こうした昔ながらの古い「左翼」的な発想が野党候補の一本化を妨げる重大な要因にもなってきました。自分のイデオロギーに合わないものの排除という発想は百害しかありません。結果として安倍自民党を利していることの自覚が足りなさすぎます。

 政党がこうした姿勢であれば論外ですが、コアな支持層ももっと柔軟な発想を持たなければなりません。それが多くの野党支持者の願いです。

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