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元徴用工が続々提訴 日本と韓国「隣国同士の友好は幻想なのか」ーー文藝春秋特選記事 日本製品に「戦犯企業」のステッカー貼付を義務付ける条例案も -「文藝春秋」編集部

日韓関係が冷え込む中、安倍総理は6月に予定されていた日韓首脳会談の見送りを検討しているという。令和の時代の日韓関係はどうなるのか。「文藝春秋」の特選記事を公開します。(初公開 2019年4月9日)

【写真】過激な文言が並ぶ“戦犯企業ステッカー”

 2019年もあと2カ月で後半に突入する。年始からの日々を振り返ると、新聞やテレビ、インターネットの「国際ニュース」は、連日、日韓問題を報じていた。この4カ月は、過去に例を見ないほど日韓関係に注目が集まった期間だったと言える。

 昨年10月末に韓国の大法院(最高裁)が日本の新日鉄住金(現・日本製鉄)に対して賠償命令判決(いわゆる「徴用工判決」)を下して以降、日本人のもとには、海を越えて“耳障りなニュース”が立て続けに届けられた。

 11月、大法院が三菱重工業にも賠償判決。12月、韓国海軍駆逐艦が自衛隊哨戒機に火器管制レーダーを照射。1月、「レーダー照射事件」に絡み、なぜか韓国が日本に「謝罪要求」。2月、文喜相国会議長が「天皇は戦争犯罪の主犯の息子だ」「慰安婦問題の解決には天皇の謝罪が必要」と発言(文喜相氏は3月にも同様の発言を繰り返した)……。このような“反日行為”に多くの日本人は憤り、韓国への不信感を強めていった。


2018年11月、徴用工、挺身隊訴訟で、ソウルの韓国最高裁に向かう原告ら ©共同通信社

「本製品は日本の戦犯企業が生産した製品です」

 そんな中、耳を疑うような“トンデモ反日行為”が3月19日に発覚した。

 ソウル市に隣接し、韓国で最も多くの人口を有する自治体・京畿道の議会で、文在寅大統領を擁する与党「共に民主党」のある議員が、小学校などの教育現場が保有する日本製品に「戦犯企業」のステッカー貼付を義務付ける条例案を提出していたのである。

 ステッカー曰く、

〈本製品は日本の戦犯企業が生産した製品です/日本の戦犯企業とは対日抗争期(日本統治時代)当時、日本企業として大韓民国の国民に対し、強制動員などで、我が国民の生命、身体、財産などの被害を与えた企業です〉

 対象には、東芝、ニコン、パナソニックなど、韓国社会でも日常的に使用される商品を生産している企業が含まれている。これには韓国内でも慎重論や批判が殺到し、議会での審議は見送られることになったが、“反日思想”を子供たちの学びの場に持ち込もうという発想は常軌を逸している。

 そして、「徴用工訴訟」にも動きがあった。4月4日、新たにいわゆる「元徴用工」4人と遺族27人の合計31人が日本コークス工業(旧三井鉱山)など日本企業4社を相手取って、損害賠償などを求める訴訟をソウル中央地裁に起こしたのである。昨年10月に韓国最高裁で新日鉄住金に賠償を命じる判決が確定して以降、初めてとなる追加訴訟。原告勝訴が相次いでいるため、日本側には、「今回も日本企業が敗訴する可能性が高いのでは」という憶測が出ている。韓国における“反日”の勢いはとどまることを知らない。

 今、日本人の対韓感情は史上最悪だ。「断交!」「制裁!」という極論を唱える声も日増しに大きくなっている。

 日本が韓国に対して「制裁・断交」まで踏み込んだら実際どうなってしまうのか――。

隣接する国同士が“仲良しこよし”になるというのは幻想

「文藝春秋」4月号で「『日韓断交』完全シミュレーション」と題する座談会を実施した理由は、この素朴な疑問に対して「答え」を導き出すためだった。座談会には元韓国大使の寺田輝介氏、韓国富士ゼロックス元会長の高杉暢也氏、元陸将の福山隆氏、同志社大学教授の浅羽祐樹氏、産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏が登場し、現実的な「日韓のあり方」を詳細に検討している。


「文藝春秋」2019年4月号 各界の“韓国経験者”による対談を掲載

 言うまでもなく、韓国は一番近い外国だ。日本は今、「一番近い国と一番仲が悪い」という状況に陥りつつある。しかし、韓国駐在武官の経験を持つ元陸将の福山隆氏はこう断じる。

「私はそもそも隣接する国同士が“仲良しこよし”になるというのは幻想だと思っています。世界を見渡してもアルザス・ロレーヌ問題、北アイルランド紛争、イスラエルとパレスチナ、インドとパキスタン……隣国との紛争を抱えていない国などほとんどないのですから、日本は遠慮せず強気に出ればいい」

 座談会の司会を務めた、韓国在住35年以上の産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏はこう言う。

「隣国同士は付き合いが多いのでモメごとも多いのだ、と達観するしかないのかもしれません」

 お互いに引越しできない地理的関係にある日本と韓国――。“困った隣人”にはどう対処すればいいのか。

座談会に登場する5人の“韓国のプロ”の知恵を借り、彼の国のことをもう一度考えてみてほしい。

(「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2019年4月号)

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