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- 2019年05月05日 13:13
学童クラブの指導員配置基準緩和 衆院地方創生特別委員会で可決
1/2学童クラブ(学童保育)の職員配置を緩和する法律案が衆院の委員会で可決された。こ2020年4月から実施されることになれば、自治体議会の判断が注目される。

衆議院地方創生特別委員会は4月25日、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案」の採決を行い、賛成多数で可決した。衆議院本会議へ送られた後、参議院でも審議されるが、自民、公明の与党が多数の国会構成を考えれば、このまま成立し、2020年4月1日から施行されそうだ。
■自治体が判断すべきこと
法律案の概要は、おおむね40人に対して2人以上の放課後児童支援員(指導員)の配置を義務付けたものを1人でも可能とする内容だ。衆議院地方創生特別委員会の議事録はまだ公表されていないが(5月5日現在)、傍聴された方からの報告や衆議院インタネット審議中継の動画を確認してみると、審議の多くは学童クラブについての質問が多くなされていた。
質問の概要は、2人の配置はぎりぎりのもの。1人が現場を離れることも考えられるのになぜ緩和するのか? 首長から人手不足を理由にしているが、人手不足は給与水準の問題ではないのかなどこれまでにも指摘されている問題点が指摘されていた。
答弁では、人材確保が困難といった地方からの要望を踏まえて、全国一律ではなく、自治体の責任と判断により質の確保を図った上で、地域の実情に応じて運営を行うことを可能とする改正であり、自治体議会が決める条例で定める。厚生労働省としては、従うべき基準が参酌化(緩和)された場合であっても、自治体の責任と判断により、適切な対応が図られるものと考えているとしていた。
つまり、自治体の責任で行うべきとの提案理由となる。
また、質問の中に首長からの要望があったことが緩和することにした理由だが、二元代表制の一翼である議会からの意見はどうなっているか? 11道県と36市町の議会(武蔵野市議会の含む)で、従うべき基準の維持、質の確保を求める意見書が採択をされていることへの見解を聞く質問があった。
この答弁でも自治体の責任で行うべきものとの答弁だった。
■修正案は否決。付帯決議が付く
審議を終えた後、立憲民主党・無所属フォーラムと国民民主党・無所属クラブの二会派共同提案による修正案が提出された。内容は参酌化の部分を削除するものだったが賛成少数で否決された。その後で原案が賛成多数で可決された後、附帯決議案が自由民主党、立憲民主党・無所属フォーラム、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本維新の会及び社会保障を立て直す国民会議の六派共同提案による附帯決議の動議が提出され賛成多数で可決された。
決議は8項目あり、そのうちの4項目が学童クラブにかかわる内容だった。その内容は下記(※1)。
政府は、本法施行に当たり、次の事項に十分配慮すべきである。
一 放課後児童健全育成事業については、子どもの安全や同事業の質が十分に確保されるよう、地方公共団体等に周知徹底すること。また、子どもの安全等が損なわれるおそれがあると認める場合には、国は、当該地方公共団体に対し、適切な助言を行うこと。
二 放課後児童健全育成事業の見直しに関する検討を行うに当たっては、市町村、同事業の従事者、保護者等の意見を幅広く聴取するとともに、市町村による条例の改正状況や同事業の運営状況等に関する実態調査を継続的に実施すること。なお、実態調査の実施結果等について、適切な情報開示を行い、説明責任を果たすこと。
三 放課後児童健全育成事業の利用者の増加に伴う待機児童の解消のため、放課後児童支援員等の処遇改善等による人材の確保や、関係施設の整備等に対し、十分な財政措置を講ずること。また、同事業に係る既存の国の支援策について、その利用が促進されるよう地方公共団体に対する周知徹底を図ること(※2)。
四 放課後児童健全育成事業について、厚生労働省が同事業の従事者や保護者のための相談窓口を設けるとともに、当該窓口における意見等を踏まえ、地方公共団体に対し、報告聴取、情報提供及び助言を行うことも含め、事業の適切な運営を確保するための措置を講ずること。
内容を読む限りでは、当然のことを求めているとの印象を持つ。特に、人材不足は雇用条件や給料など処遇に課題があるからであって、そのために決議には国が十分な財政措置を講ずることと記していることは当然のことだ。であれば、改正する必要があったのかと思えてならない。



