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天皇問題を考える10連休

■「象徴天皇制」の意味するところ

 天皇陛下の退位と皇太子殿下の即位による10連休の必要性については賛否が分かれるようだが、それでもこの10連休は目出たい休日ということで、各地で令和記念感謝祭なども催されてお祭り騒ぎとなっている。

 一方で、天皇という存在について改めて考え直す機運も高まっており、昨今話題になっている「男系・女系」天皇問題や、「象徴天皇制」が記載された憲法論にまで話題は広がっている。

 日本国憲法の第1条には、次のように書かれている。 
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
 GHQによって起草されたとされる現在の日本国憲法には、天皇が象徴となり、しかもその地位は、国民の総意に基づくとされた。

 この一文には、本来、一国の君主であったはずの天皇の地位が、国民の意思次第で奪われてしまう可能性があることをも示唆しているのだが、そういった話はあまり聞こえてこない。

■「天皇制」という言葉の意味するところ

 「天皇制」という言葉自体が左翼用語と言われるのは、かつてのソ連(コミンテルン)が作り出した言葉であるためで、日本の「天皇制」を打倒することがスターリンの目的であったとされる。

 GHQは諸々の事情から天皇制は残すことを決定したが、華族制は廃止した。そのせいもあって、現在の跡継ぎ問題が表面化していると思われるのだが、こういった話も全くといっていいほど聞こえてこない。
 聞こえてくるのは、男系か女系かという結果論のみで、そういった問題を生んだ原因論は、知ってか知らずか全く無視されているかのようだ。

 北朝鮮等の独裁国家の元首と違って、日本の天皇というのは、天皇が命令するまでもなく、自然と国民が天皇を敬うという意味で、まるで違う。

 戦前・戦中、アメリカは日本の天皇を、現在の北朝鮮の元首のように思っていたフシがあったとされているが、実際に占領軍となって進駐してみると、それが間違った認識であったことを知った。実際は戦前からそのことを理解していたという説もあるが、いずれにしても、日本の天皇は日本国民にとって特別な存在だということを知ったことで、天皇制だけは残すことになった。

■「三種の神器」が意味するところ

 今回の生前退位では「三種の神器」という言葉が何度も伝えられていたが、これは「八咫鏡・八尺瓊勾玉・草薙剣」のことであり、大昔に天照大神から授かったものとされている。「草薙剣」というのは、漫画やゲームにもよく登場するアイテムなので、知っている人も多いのではないかと思う。

 天皇の皇位継承とは、この「三種の神器」を受け継ぐ儀式のことであり、それが天照大神の時代から連綿と続けられてきたことこそが日本が世界に誇るべき伝統であり、国民が天皇に何か神聖なものを感じるのは、そういった神話の世界からの繋がりがあるためだと言える。

 要するに、現天皇は天照大神の直系の子孫というバックグラウンドが有るということ。それが宗教というものにあまり縁の無い多くの日本人の心の拠り所となってきた。ある意味、キリスト教以上の歴史を持つ天皇という存在が、日本人の良心を統べる日本教の御本尊になってきたという背景を見落としてはいけない。人間天皇の背景にいる天照大神という存在を国民は無意識的に崇拝してきたというのが天皇の歴史でもあった。

 皇居に集った国民の「バンザイ」という声は、その伝統が継承されたことに対する喜びを表現したものとも言える。

 そして、天皇が男系でなければいけないという理由も、まさにそこに有るのだが、こういった話もあまり聞かれない。

 誤解を避けるために一応お断りしておくと、その理由とは、国民が天皇を天照大神の直系の子孫であると認識するには男系であった方が良いという意味である。

 現代では、保守系の識者が「天皇は男系でなければいけない」などと言うと、「男女差別だ!」という批判が返ってくることになる。

 そういった批判も解らないこともないが、神話の時代から伝承されてきた天皇という特別な存在と、現代の男女問題とを同列に考えるのは、少々、無理があるのではないかと思う。

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