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バヌアツ、ドローンでワクチン

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続けて、SWOOPAERO社は、2019年2月から3月にかけてエピ島で、WING COPTER社は、ペンテコスト島でそれぞれ9週間の実験を行いました。WING COPTER社のドローンはワイヤーで荷物を吊し、目的地上空でそれを落とすタイプで子供約100名分のワクチンを輸送できるそうです。

フェーズ2でのポイントは

1. ドローンの飛行安全(他の飛行機とのトラブルや着地の安全)

2. 関係者が全てを把握してスムーズにワクチン接種までできるか

3. 村の住民が安心できるか(騒音や安全面)

現在、ちょうどここまでが終了したところです。

このあと、まだ、思案中ですが、フェーズ3として、「ワクチン以外の医薬品をドローンで運ぶ」実験も検討しているようです。このプロジェクトが本格始動できるかのポイントとなってくるのが、

1. 全てのスタッフも含めて、政府主導でプロジェクトを運営していけるか

2. 予算をどうするか

▲写真 村の臨時ワクチン接種場所 提供:UNICEF

フェーズ2までは、ドローン会社の人はもちろんですが、バヌアツ側はユニセフやJICAの隊員の方も一緒になってプロジェクトの取りまとめをしてきました。

特に、このドローンプロジェクトは、看護師の役割が大きいです。事前に必要数のワクチンを準備し、ドローンにワクチンをセット、到着したらワクチンを取り出し、速やかに接種。さらに、そのドローンを中心地まで戻す操作をする、これらの作業を全て看護師がやらなくてはなりません。彼女たちをまとめ、それらを教えたのが、JICA隊員で 環境省公衆衛生局予防接種拡大計画課配属の松井香保里さんです。彼女は、この3月で2年の任期を終え、日本に帰国されました。彼女がいなくなった後も、バヌアツ人看護師だけできちんとプロジェクトを運営できるのか、ここが松井さんも危惧するところであり、このプロジェクトの未来がかかっています。帰国前に松井さんにドローンプロジェクトについてお話を聞くことができました。

▲写真 到着したドローンからワクチンを取り出す看護師(swoop aero社のドローン)提供:UNICEF

あらかじめ準備するという習慣がないバヌアツ人。ドローンの飛行は安全面から時間管理が必須です。きちんと時間通りに、決められたことができるのか、その手引きはしてきた、あとは、バヌアツ人の自覚が芽生えるかの問題だ、と語っていました。

このプロジェクトに限らず、支援なれをしている感があるバヌアツ人。外国人がなんとかしてくれるという風潮からワンステップアップして、自意識をもつことが大切なってきそうです。しかし、今までの看護師の苦労を間近で見てきた松井さんは、ドローンプロジェクとはひとえに素晴らしいと喜んでいます。

予算面をどう見繕うのかなど、このフェーズ3が始まるまでには、まだまだ時間がかかりそうです。バヌアツにとって、ワクチン輸送だけでなく、多くのポテンシャルを持っているドローンプロジェクト。この国の関係者だけでなく、世界の国々がお手本とすべく、その成功を見守っています。

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