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この20年、世界は豊かに、日本は貧しくなった

令和の時代が幕を開けた。平成は名前と異なり激動の時代だった。バブル経済の崩壊、地下鉄サリン事件、2度の大震災、アメリカ同時多発テロと歴史に残る出来事が多くあった。

一方、経済に目を向けると、リーマンショックがあったとはいえ、世界が順調に経済発展を続けてきたのとは裏腹に、バブル崩壊後の日本は長く停滞の時期を迎えることとなった。世界が豊かになったのに、日本はずっと足踏みを続けてきた。相対的に貧しくなったのだ。

日本国内にいるとなかなかその実感には乏しいかもしれないが、賃金を諸外国と比較すると一目瞭然だ。経済協力開発機構(OECD)が加盟国の平均賃金(年収)データを集計しているので、本エントリでは各国の賃金の推移を可視化したVizを作成してみた。昨年OECDに加盟したリトアニアを除く35カ国の給与を2017年USD購買力平価(PPP)で換算したものである。為替レートによる換算よりも、各国の物価を反映した購買力で比較をしたほうが、豊かさ/貧しさを評価するには適しているだろう。


Tableau Public: OECD平均賃金2000-2017(インタラクティブ版)

上図では日米加の3カ国を選択しているが、インタラクティブ版では、マウスクリックで選択/解除可能なので、比較したい国をクリックして見てほしい。

日本の平均賃金は2017年で$40,863であり、OECD諸国中18番目の水準だ。ちょうど真ん中に位置することになる。ただ、2000年と比較すると、平均賃金は$123、0.3%低下している。2000年から賃金は全く増えず、それどころか若干減少したのだ。

翻って世界を見ると、2000年から2017年までに平均賃金は$6,985、29%増加している。他の国が3割賃金を増加させた期間、日本は蚊帳の外であった。まさにクールジャパンである(違う)。

米国の平均賃金は$60,558とおよそ日本とは$20,000の差があるが、米国は2000年から$7,757増加させており、この20年で差が拡大したことがよく分かる。

2000年時点でほぼ日本と同等の$38,467であったカナダは$9,155増加させ、今や$47,622と日本よりも$7,000近く高い賃金水準となっている。もし日本がカナダと同程度の経済発展を続けることができていれば今頃平均年収は100万円増加していたのだ。仮にOECDの平均値である29%増加できていたとしたら平均年収は600万円に近づくレベルになっていただろう。

世界が順調に経済を発展させていたときにずっと足踏みをしていたのが日本だ。もともとは上位レベルの賃金を得ていたが、他国の賃金が上がるのにずっと据え置きであったため、今では中位の賃金レベルであり、もはや先進国の水準にない。そしてさらに悪いことにこの傾向は今もまだ継続中であるということだ。日々世界との差は開いていく。日本は相対的に貧しくなっていく。



この20年で最も賃金を増加させた国はアイスランド、ノルウェイ、リトアニアである。およそ$15,000の増加となっている。リトアニアは増減率でもトップの154%となっている。賃金が20年で2.5倍になった計算だ。



一方賃金を減少させた国は日本を含む3カ国しかない。負け組は日本、ギリシャ、ポルトガルである。2010年以降立て続けに発生したギリシャ危機ポルトガル危機が想起されるが、日本はそうした国に次いで酷い。我が国の経済政策は明らかにこの20年失敗を続けてきたのだ(アベノミクス何それ?)。

ここに来てマスメディアは実質賃金の減少を批判的な論調で取り上げることが多くなった(賃金水準、世界に劣後 脱せるか「貧者のサイクル」:日本経済新聞など)。経団連の主張に従い、企業が競争力を保つために賃下げ・非正規化が必要だと声高に叫び続けてきたことが、今の状況に繋がっているのに今更何を言っているのか。

今年10月には消費増税を控えている。ここに来て更に消費を抑制する消費増税を行うのは自殺行為に見えるが、今の所既定路線だ。誠に遺憾ながら、この先も日本が徐々に貧しくなるのは避けられそうにない。令和は個人・法人ともに生き残りを賭けた厳しい時代になるだろう。

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