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NHKニュース 令和の「家族のカタチ」は”血や戸籍にこだわらない”

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 この後に番組では取材した3つの新たな「家族のカタチ」をVTRで見せていく。

 最初に見せたのは、2人の女性と2歳の男の子という「家族」だ。全員、顔はCGのお面をつけて登場する。2人の女性は同性のカップルだ。

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 カップルは50代のアキさん(仮名)と30代のサユリさん(仮名)だ。番組ではこの2人をレズビアンという表現も、LBGTという表現もしていない。番組としては、特別視するようなレッテル貼りにつながることは避けたいのだということだと理解することができた。わずかに当人が「恋愛の対象は女性だけ」と語ることで同性愛のカップルなのだとわかる。男の子はサユリさんが産んだ子どもで、知人の男性から精子提供を受けたという。

 ひとつの屋根の下で暮らす3人だが、戸籍の上では家族にはならない。戸籍上は男の子とサユリさんが親子で、シングルマザーであるサユリさんが息子と暮らす形になっている。日本では現在、同性婚は認められていないからだ。一緒に暮らしていても、アキさんは「他人」ということになる。2人は共稼ぎだが、勤務先には本当のことは伝えていないという。男の子を預けている保育園には「親戚」だと伝えているという。 

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 本当のことを言ったところで後から嫌な気持ちになるぐらいなら親戚にしておいた方が楽だというアキさんとサユリさん。近い将来、子どもが自分たちのことをどう受けとめるのかに関連して準備はしているという。それは新しい家族のあり方について書かれた絵本だという。

 「おかあさんがふたりのいえ」「おとうさんがふたりのいえ」も登場する絵本だが、もし男の子から質問されたら、「いろいろな家族がいるなかでうちはママが二人なんだよ」と説明するつもりだという。

 桑子アナは二人に「家族とは何か?」という質問を投げかける。

 アキさんの回答が示唆に富む。

「一番、安心できる場所でもあるし、一番自分をさらけ出せる場所でもある。いろいろなことがそこにはたくさんあるのかな」

 次に番組が紹介した「家族」は、”里親”というカタチの家族である。

 目を背けたくなるような児童虐待事件が相次いで起きている現在の日本で、虐待や経済的な理由から親元で暮らすことができない子どもたちを迎い入れて暮らす家族が増えている。

 番組では、都内に暮らす篠幸子さん、篠雄一さんの夫婦が中心になっている里親家族を紹介する。

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 顔をお面のCGで隠している男の子は5歳。生まれてすぐに施設に預けられ、3年前から篠さん夫婦の元で育てられている。

 里親の役割は、実の親と暮らせない子どもを一時的に預かることで、戸籍上の家族ではない。篠さん夫婦には実の子どもが4人いるというが、映像で見る限り、実の子と里子も一緒になって遊び、分け隔てなく育てていることが画面からも伝わってくる。

 4人も実子がいる篠さん夫婦が里親になろうとしたきっかけは相次ぐ虐待事件だったという。

(篠幸子さんの話)

「こんなにたくさんの子どもが家族で育ててもらえない現実を見て、話を聞く中でその子どもたちをなんとか、もし一人でもうちの家で育ててあげることができるのだったら・・・、もう4人も5人も一緒だというのがあったので・・・」 

 これまで里親として預かった子は10人。篠さんは良いことをしたときは「褒め褒めシャワー」と「チューチュー攻撃」をし、悪いことをしたときにはガツンと叱るのだという。最後になぜ叱るのかを説明するのだという。

「あなたが大好きだから。愛しているから叱るのよ」

 画面からも篠さん夫婦がどれほどの愛情をかけて育てているのか伝わってくる。

 里子の男の子に母親である篠幸子さんが尋ねる場面がある。

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(篠幸子さん)「お兄ちゃんと一緒に寝る」

(男の子)「ううん」

(篠幸子さん)「誰と?」

(男の子)「お母さん。好きだから」

(篠幸子さん)「いやーん・・・。ありがとう」

 法律上、里親が養育できるのは18歳になるまで。それまで篠さん夫婦は愛情を注いでいくつもりだという。

 さらに3つめの「家族」として番組が紹介したのは、血がつながっていないものの「特別養子縁組」によって家族になった人たちだ。

 「里親」が法律上の家族関係ではなく、あくまで一時的なものに過ぎないのに比べて、特別養子縁組は法律上の親子関係となる。

 この特別養子縁組も里親と同じ様に、深刻化して増加する一方の児童虐待の被害を受けているやそうしたリスクがある子どもに対する対応策となっている制度だ。NW9の中でも「平成に入って横ばい状態だったが、児童虐待が深刻化する中、平成25年以降、増加している」と説明されていた。

 番組では、特別養子縁組で母親になったと公表している武内由紀子さん(46)を紹介した。

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 40歳で不妊治療を開始したものの妊娠には至らず、最後の治療で結果が出なかった時に、夫と話し合って特別養子縁組を決意したという。半年間におよぶ研修や面談をうけ、準備を進めてきたという武内さんだが、昨年6月、生みの親が育てられないという理由で、生後4ヶ月の赤ちゃんの母親になったという。血がつながらないことで、今も不安がよぎることもあるというが、一日一日、時間を積み重ねていくことで家族になっていくのではないか。令和の時代をそう生きようと考えているという。

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 特別養子縁組の母親・武内由紀子さんはこう語る。

「血のつながらない夫婦の中に血のつながらない子どもができて、3人とも他人なんですよ。うちは。

3人が他人なんだけど、支え合って、補い合って、ひとつになっている。家族として。

いろんな家族がいて、それが普通という、そういう社会になっていけばいいなあ。そう思います」

 令和の時代の「家族」というのはどんなカタチになっていくのか。特に、里親と特別養子縁組が登場したことは感慨深いものがある。今も減ることがない虐待事件に対処するためには、血を分けた実の親よりも社会全体で考えていく時代が望ましいのでは? そんな家族観も見え隠れする。

 血でつながった親の責任を問うことよりも、「血」や「戸籍」に関係なく子どもたちをどうやって幸福な人生に導いていくのかを優先していくのが令和に生きる大人たちの責任ではないか。そう思わせられるVTRだった。

 このVTRを受けた後で、スタジオでの有馬嘉男・桑子真帆のキャスター2人の語りが熱かった。

(有馬)

「いろいろな家族のカタチ、ありましたけど、みなさん、それに納得していて、しかも幸せそうでしたね」

(桑子)

「笑顔にあふれていましたね。みなさん、どうごらんになったでしょうか?

 私、取材を通して、『家族』とは何かって、ずっと考えていたんですけど、みなさん、共通していたのが、そこに確かな愛情があるんですよね。

 それだけじゃなくて、自分以外の相手に対して責任を背負っている。それがまさに『家族』なのかなと感じたんですよね。

 そこに性別とか血のつながりとか関係ないですよね。

 これから令和という時代。もっといろいろなカタチの『家族』が生まれていくかもしれません。

 でも、どんなカタチであっても受け入れられる時代になったらいいなと心から思います。」

 新しい時代に、キャスターたちが本気で取材して向き合った「家族」のカタチ。

 血や戸籍に必ずしもこだわらない新しい生き方の模索。

 様々なことを考えさせてくれる素晴らしいキャスターコメントだったが、NHKの看板ニュース番組らしく、この「時代」というものに正面から挑もうとした力作の特集だったと思う。

※Yahoo!ニュースからの転載

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