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- 2019年05月02日 07:13
超大型連休で“不登校の兆し”を見つける鍵は、休み中と休み明けの変化
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例年になく長期の休暇となる2019年のゴールデンウイーク。夏休み明けの9月に子どもの自殺が増えることは深刻な問題として認知されるようになってきていますが、GWのような長期休暇も注意が必要になりそうです。GW中、子ども達とどのように過ごせばいいのか、またどんな点に注意すればいいのか、不登校に関する情報や交流のため発行されている「不登校新聞」の編集長、石井志昂さんにお話を聞きました。


「このグラフにあるように、毎年夏休み明けの9月に18歳以下の自殺者が増加します。そしてもうひとつ、大きな山になっているのが4月とGW明けの5月上旬から中旬です。4月は環境の変化など子どもたちが不安定になりやすい時期。そして連休が明けたあとの5月は、五月病という言葉もあるように、体調や精神を崩す人が増える傾向があります。さらに今年は例年にない長期のGWですから、学校に行けない・行きたくないという子どもたちが増えても不思議はありません」
また、文部科学省が不登校の定義を「年間30日以上欠席した者」と定義していますが、今それ以上に増えているのが、欠席日数が30日未満のいわゆる不登校傾向のある子ども達だと石井さんは言います。
「中学生の不登校児童は、平成29年度の文部科学省調査の『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』によると約10万人となっております。この数字は2年連続で最多となっています。一方、休んでいる期間は長期にわたっていないものの、登校しても教室に入れないというような不登校傾向のある中学生はその3倍の30万人だということが、日本財団の調査(※)でわかっています」
※https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/01/new_inf_201811212_01.pdf
つまり、「不登校」として社会に認知されているのは氷山の一角であり、学校で苦しんでいる子どもたちは増加している状況です。不登校新聞を発行しているNPO法人への相談件数も例年より増えていると言います。

「不登校傾向のある子どもは、休みがあると楽になります。心が軽くなって、本来の自分に戻るわけです。でも休み明けが近づくにつれて、つらかった学校の生活を思い出し、戻るのは無理かもしれないと感じてしまうわけです。たとえるなら、会うとけんかばかりしているカップルが、家に帰ってきたときに『あれ、私は何をやってるんだろう?』と思う感覚に近いかもしれない。素の自分に戻ったときに、『あ、自分はもう一度相手に会うのが苦痛なんだ』と気付くような。一緒にいるときはなかなか気付けないわけです」
そうすると、連休明けに学校に行きたくないと言うのは、無理をしていた子どもが自分を取り戻す、ある意味正常な反応とも言えます。
「そういった反応が出ると、長い休みが悪いのではないかととらえる人がいるのですが、そうではないんです。学校が無理だと思っている子は、人に言えない悩みやトラブルを抱えており、それが表に出てきているわけですから、本来あるべき姿に戻っていると言えます」
「ゆっくり休ませてあげることが、何より大事だと思います。4月はさまざまな環境の変化がありますから、昨日まで居場所だったはずの学校が地獄のような場所になってしまうこともあり、疲れが一気に出てくるわけです。そのタイミングで連休に入ると異様なほどずっと寝たり、逆に不安なことがあって興奮がとれずに、不眠状態に陥ることがあります。ここで注意したいのが、不眠になると手持ち無沙汰になるので、ずっとゲームをしたり、スマホをいじったりし続ける姿を目にすることもあるかもしれません。保護者としては止めたくなると思いますが、羽を伸ばしているところかもしれませんから、いつもより少しだけでも長く様子を見ていただきたいと思います」
「苦しい子がどういうサインを出すかというと、体からSOSを出すのです。たとえば学校行こうと思ったときに、下記のような状態になっている場合は少し注意が必要です」
そして学校に行きたくない気持ちがある子どもたちのもうひとつの大きな特徴が、「学校に行きたくない」とは言わないことがあることだと石井さんは指摘します。
「学校に行きたくない子ほど、『学校に行かなければならない』という思いがあるために、なかなか『学校に行きたくない』とは言いません。そういうときは、休み前と今の状態を比べて、どういう変化があるのかを見ることです。注意して目を配っていれば、その変化に気が付くことができると思います」
もし子どものSOSサインが出たときには、なるべく冷静な対応を心がけてほしいと石井さん。子どもが出したSOSをどのように扱うかで、その後が変わってくると言います。
「朝の忙しい時間に体の不調を訴えられると、『行けるの?』『行かないの?』『熱は何度?』などと言ってしまいがちです。イライラしてしまうこともあるかもしれませんが、冷静に休み中と今の差を見極めて、対処をすることが必要になります」


学校のことで苦しむ子どもたちは年々増加している
まず石井さんが見せたのは、内閣府発表の平成27年版自殺対策白書(抄)。18歳以下の自殺者がどの時期に多いかという分布が見て取れます。
「このグラフにあるように、毎年夏休み明けの9月に18歳以下の自殺者が増加します。そしてもうひとつ、大きな山になっているのが4月とGW明けの5月上旬から中旬です。4月は環境の変化など子どもたちが不安定になりやすい時期。そして連休が明けたあとの5月は、五月病という言葉もあるように、体調や精神を崩す人が増える傾向があります。さらに今年は例年にない長期のGWですから、学校に行けない・行きたくないという子どもたちが増えても不思議はありません」
また、文部科学省が不登校の定義を「年間30日以上欠席した者」と定義していますが、今それ以上に増えているのが、欠席日数が30日未満のいわゆる不登校傾向のある子ども達だと石井さんは言います。
「中学生の不登校児童は、平成29年度の文部科学省調査の『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査』によると約10万人となっております。この数字は2年連続で最多となっています。一方、休んでいる期間は長期にわたっていないものの、登校しても教室に入れないというような不登校傾向のある中学生はその3倍の30万人だということが、日本財団の調査(※)でわかっています」
※https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2019/01/new_inf_201811212_01.pdf
つまり、「不登校」として社会に認知されているのは氷山の一角であり、学校で苦しんでいる子どもたちは増加している状況です。不登校新聞を発行しているNPO法人への相談件数も例年より増えていると言います。

体からのSOSや、休み中と休み明けの様子の違いを見極める
長期休暇のあとに不登校が増えるのは、子ども達のどんな心理状態が作用しているのでしょうか。「不登校傾向のある子どもは、休みがあると楽になります。心が軽くなって、本来の自分に戻るわけです。でも休み明けが近づくにつれて、つらかった学校の生活を思い出し、戻るのは無理かもしれないと感じてしまうわけです。たとえるなら、会うとけんかばかりしているカップルが、家に帰ってきたときに『あれ、私は何をやってるんだろう?』と思う感覚に近いかもしれない。素の自分に戻ったときに、『あ、自分はもう一度相手に会うのが苦痛なんだ』と気付くような。一緒にいるときはなかなか気付けないわけです」
そうすると、連休明けに学校に行きたくないと言うのは、無理をしていた子どもが自分を取り戻す、ある意味正常な反応とも言えます。
「そういった反応が出ると、長い休みが悪いのではないかととらえる人がいるのですが、そうではないんです。学校が無理だと思っている子は、人に言えない悩みやトラブルを抱えており、それが表に出てきているわけですから、本来あるべき姿に戻っていると言えます」
保護者が長期休みに子どもにしてあげられることとは
保護者が長期休み中にしてあげられることは、素の子どもたちの姿に戻してあげることだと石井さんは言います。「ゆっくり休ませてあげることが、何より大事だと思います。4月はさまざまな環境の変化がありますから、昨日まで居場所だったはずの学校が地獄のような場所になってしまうこともあり、疲れが一気に出てくるわけです。そのタイミングで連休に入ると異様なほどずっと寝たり、逆に不安なことがあって興奮がとれずに、不眠状態に陥ることがあります。ここで注意したいのが、不眠になると手持ち無沙汰になるので、ずっとゲームをしたり、スマホをいじったりし続ける姿を目にすることもあるかもしれません。保護者としては止めたくなると思いますが、羽を伸ばしているところかもしれませんから、いつもより少しだけでも長く様子を見ていただきたいと思います」
長期休み明けに出やすいSOSとは
連休後は、体から出るSOSに注目することが大事とのこと。「苦しい子がどういうサインを出すかというと、体からSOSを出すのです。たとえば学校行こうと思ったときに、下記のような状態になっている場合は少し注意が必要です」
<子どもが体から出すSOSサインの一部>
・頭痛
・腹痛
・玄関やベッドの上から身動きがとれない
・イライラしている
・学校の準備の確認がとまらない
・すぐに泣きだす
・極端に元気がない
そして学校に行きたくない気持ちがある子どもたちのもうひとつの大きな特徴が、「学校に行きたくない」とは言わないことがあることだと石井さんは指摘します。
「学校に行きたくない子ほど、『学校に行かなければならない』という思いがあるために、なかなか『学校に行きたくない』とは言いません。そういうときは、休み前と今の状態を比べて、どういう変化があるのかを見ることです。注意して目を配っていれば、その変化に気が付くことができると思います」
もし子どものSOSサインが出たときには、なるべく冷静な対応を心がけてほしいと石井さん。子どもが出したSOSをどのように扱うかで、その後が変わってくると言います。
「朝の忙しい時間に体の不調を訴えられると、『行けるの?』『行かないの?』『熱は何度?』などと言ってしまいがちです。イライラしてしまうこともあるかもしれませんが、冷静に休み中と今の差を見極めて、対処をすることが必要になります」

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