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  • ヒロ
  • 2012年04月24日 10:00

北方領土交渉は動くのか

日経のネット版で北方領土交渉は動き出すか、というアンケート調査をしています。4月29日にその結果を紙上などで公開するそうで私も思わず、参加してしまいました。

設問は2つ。
(1)プーチン氏のロシア大統領復帰で、日本との北方領土交渉はどう動くと思いますか。
(2)日ロ関係における領土問題と経済協力の位置付けをどう考えますか。

それぞれ四択の答えから選ぶのですが、私の選択は(1)については今までと変わらない、(2)については領土問題とは関係なく、経済協力の拡大を急ぐべき、をクリックしました。

記事にもありますが、プーチン氏は大統領選の際に北方領土問題をわざわざ口にし、「引き分け」という解決策を提示しました。5月7日に大統領復帰になるプーチン氏にとって国内の反プーチン派を抑えるのが最優先課題、外交についてはシリア、イランがあるかと思いますが、長年動きのなかった北方領土の問題をそこで出すにはそれなりの下心があるはずです。

そしてプーチン氏の言う「引き分け」とは私には2島返還しか思いつきません。実際に国後、択捉はともかく歯舞にはほとんど人は住んでいませんし、色丹も94年の震災以降人口は増えていないようです。ロシア側は国後、択捉へは継続投資を行い日本への返還のカードはなさそうですが、歯舞、色丹は条件次第で返還する、という流れがあるようにみえます。例えは悪いのですが、国後、択捉はシベリアに抑留されたあと赤化してしまったが、歯舞、色丹は強制労働で帰国できない状態、という事でしょう。こういう場合、要領の良い瀬島隆三氏が生きていれば一番上手な交渉をしたのでしょうか?

さて、日本側としてはむしろ、課題を突きつけられたようなものですが、外務省マターというより国民の声を代表する政治家がどう取り上げるか、ということにかかっていると思います。

アンケートの現時点の途中経過を見ると(1)については今までと変わらないか、(交渉は)後退すると答えている人が約60%で過去のいきさつからすればこのディールは期待薄と思っているようです。それにも拘らず、(2)については領土問題解決がまずありきとする回答が約59%となっています。これはある意味、やや矛盾する結果で気持ちと現実は裏腹、ということなのでしょうか?

北方領土問題に関しては日本人は特別の感情を持っていると思います。よって、2島だけで妥協するという選択肢を国民の総意として選ぶことは150%ないと思います。ましてやそれを纏め上げるような政治家がいるとも思えません。

一方であれだけ仲良くしているアメリカとも沖縄返還をめぐってはノーベル賞をもらった故佐藤栄作氏の裏話が出てくるし、実際、今でも米軍問題はなかなか進展がない状態です。戦争に負けた以上、不平等な東京裁判でも受け入れなくてはいけない過去を鑑みればロシアが黙って無条件で4島を返すことは世界の常識からいってありえないわけです。

とすればもしも外務省や政府が本気で本件に取り組むならば今までとは大きく戦略を変え、2島返還プラス国後、択捉の共同開発と共同統治ぐらい踏み込まないと無理かもしれません。更には私が最重要ポイントと考えているのはロシアから直接天然ガスパイプラインを日本に引き込むプロジェクトがロシアには美味しい話になると思います。

2017-2020年頃からアメリカ、カナダより液化天然ガスの日本向け輸出が開始されます。これによりガスの市況に大きく影響するとも言われており、天然ガス大国ロシアとしてはこれに対抗するには日本に直接入れるパイプラインしかないのです。

これなら日本にとっても有益な話であり、プーチンは大喜びするディールのはずです。

北方領土問題だけを歴史固有の問題とし釘で打ちつけてしまうとそれは永遠に残る解決不可能の問題になります。時代の変化を「引き分け」ではなく「駆け引き」の材料にすることでディールの主導権を握るカギがあるかもしれません。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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