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「官僚の罪」が「政治家の罪」になる国

■「高齢ドライバー事故」は政治問題か?

 東京の池袋で、元通産省官僚の87歳の老人が車の暴走事故を起こし、多数の死傷者が出たことで、様々な角度からの批判が現出した。
 当初は、単純な高齢ドライバー問題に終始するのかと思いきや、事故を起こしたのが元官僚だったということで、「上級国民」などという聞き慣れない言葉も飛び出し、日本の階級社会問題にまで踏み込んだような意見まで出てくる始末。

 それら(高齢ドライバー問題・階級社会問題)は誰もが疑問に思っても仕方がないことだと思われるので、どんどんと議論すれば、社会の歪みが良い方向に矯正されるかもしれない。しかしながら、この問題を悪用して、またぞろ、政治問題にしようとしている人々がいるのはいただけない。

 加害者についての問題点を追及することは被害者のことを考えるという意味では正当化されても、全く関係のない政治家に責任を転嫁する行為は、被害者を冒涜する行為に繋がる。如何に美辞麗句を並べて政治家を批判したところで、それは被害者を利用した卑怯な行為にしか映らない。
 普段は「人が死んでいるんですよ!」と言っているような人物が、被害者を利用して政争の具にしようとする行為は醜い。

 そもそも「上級国民」として批判されている高齢者ドライバーは、元官僚であって、政治家ではない。日本では、これまでにも官僚の罪が、いつの間にか、政治家の罪にすり替わってしまうことが多々あった。モリ・カケ問題などはその良い例だろう。

■「官僚」と「政治家」は別々の組織と考えるべき

 日産のゴーン氏逮捕による「人質司法」問題ですら、司法(検察)の問題ではなく、行政(政治家)の問題にしている人もいる位なので、何をか言わんやである。

 政治家が官僚のスケープゴートになってしまっているということは、権力を批判しているつもりが、その実、権力に阿(おもね)る構図になってしまっているということでもある。偉そうに権力批判している人物が、そのことに気が付いてない姿は滑稽ですらある。

 これは、反安倍勢力だけでなく、親安倍勢力にも言えることで、どちらにも「官僚」と「政治家」の区別が付いていない人がいるように思われる。

 「極左」と「極右」は思想的に重なる部分があると言われているが、まさにこういう部分が、それに該当する。無論、反安倍勢力が「極左」、親安倍勢力が「極右」という意味ではなくて(実際は左翼と保守)、思想的には向かう方向が逆であっても部分的に共通している“誤解”が有るという意味である。

 《「上級国民」としての「官僚」と「政治家」が、国民を欺くために全てにおいて結託している》というような陰謀論は間違いであり、「官僚」と「政治家」は別々の組織と考えなければ、正しい社会の在り方は見えてこないと思う。

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