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「優しい日本」が加速させる「厳しい現実」という皮肉 ~Ask what you can do for your countryを思い出そう~

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ランチタイムを意識することもなくサンドウィッチをかじりながら夢中になって働き続ける起業家たちが米国西海岸の急成長企業が世界を席巻し、軍隊組織ではないかと揶揄されるファーウェイをはじめ、膨大な人口の中の激烈な競争を勝ち抜いてきた中国人たちが創業した各種企業が米国企業を追い上げるという現実。その中に、「優しい環境」でぬくぬくと育ってきた人たちが飛び込んでも、全く太刀打ちできないのは明らかだ。日本発のユニコーン企業の数は、今や、インドや東南アジア諸国以下だ。

こういうことを書くと我ながら歳をとったと苦笑せざるを得ないが、日本では、何かを実現するため「理不尽でもとことん頑張る」という若手は激減し、「安心の環境で頑張って成長したい」という若手が激増している印象を受ける。「良い仕事」というエサが降ってくるのを待っている。

理不尽にまみれつつ何かを達成すべく主体的に「仕事」を進めるより、合理が覆う「勉強」環境を求める人が増えている。「仕事」は裏切るが、「勉強」は合理的で裏切らない。実践しなければ傷つかない。

「修行」する若手は増えている印象だが、修行のための修行に意味はないし、実は成長しない。右は一例だが、まとめると、平和で優しい環境を作ることそのものが、人間の劣化をもたらし、実は滅びへの道を加速させている気がしてならない。

では、ここまで来た「平和で優しい社会」を逆戻りさせれば問題は解決するのだろうか。書くまでもないが、それは全くもって現実的な案ではない。せめて、我々大人に出来ることは、行政や政治に何でも求める態度を改め、我々自身が、国や社会のために何ができるかを考えて、実際に行動することだ。

理不尽があってもめげずに実践することだ。どんな些細なことでも良い。日本社会が良くなるために、一つのことで良いので、悪戦苦闘しながら何か実行することが肝心だ。そして、そのような「背中」を子供たちに見せてから、改めてこう説こう。

「お母さんもお父さんも、君たちに暴力を振るうことは基本的にない。先生たちも暴力は振るわない。それどころか、誰かが襲ってきたら全力で守ってくれる。ただし、君たちがいずれ出て行く実際の世界は、ミサイルが飛んでくるかもしれないし、世界企業が根こそぎマーケットを持って行くかもしれないし、あらゆる不条理や暴力に満ちている。

そういう世界でしっかりと生き抜くために、今のうちから、自分がやりたいこと・やるべきと思うことについては、たとえそれが不確実で先が見えなくても果敢に飛び込んでいきなさい。途中に「理不尽」があってもやり抜きなさい。間違っても、「将来安定しているから」という理由だけで医学部進学や公務員就職を目指すことのないように。」

VUCAと呼ばれる激動の時代を乗り切るために。

筆頭代表CEO
朝比奈 一郎

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