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高血圧治療ガイドライン(指針) コレステロールの時と同じと言われても仕方ない 医者、製薬会社がつくる病気

高血圧学会の高血圧治療ガイドライン(指針)に対する記事です。
高血圧 75歳未満は「最高130」目標に 降圧剤処方が増える可能性)

The Lower the Better。昔から言われているまじないのような言葉です。今までもこの言葉の魔力に医療者は踊らされ、コレステロール、糖尿病、血圧などの基準値が変えられ、ガイドラインが決められてきました。

今回血圧の数字が変えられた一番の理由は、アメリカで行われたSPRINT試験に基づくものです。概略を言うと、(同友会メディカルニュースから引用)
>120mmHg未満を目標にする厳格降圧群(4,678例)と140mmHg未満を目標とする標準降圧群(4,683例)を比較し追跡調査(心血管リスクが高く糖尿病、脳卒中の既往がない人)
>心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全の発症や心血管死(を比較)
>標準群2.19%/年に対し、1.65%/年と25%の有意なリスクの低下
>総死亡も厳格群が1.03%/年、標準群1.40%/年と27%のリスク低下
そう血圧を厳密に下げることで健康上の改善が認められたのです。そして
>実際にSPRINTの副作用を解析した結果からは、厳格群で低血圧や失神、急性腎不全など低血圧に伴うと考えられる副作用が有意に増加しています。しかし、これらの副作用出現のリスクを負ったとしても、最終的には厳格群の死亡率が低くなった
ちゃんとやれば副作用より主作用でメリットがあったという結果が強調されています。米国での調査ではありますが、血圧測定方法なども少し違うのですが、心血管リスクが高く糖尿病、脳卒中の既往がない人という条件を満たせば血圧を低下させることはいいこと、The Lower the Betterが証明されたのです。

そしてそれに基づいて日本高血圧学会はこのような人の血圧を下げようと言ってます。(メディカルトリビューンより
>75歳未満の成人
脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈の閉塞なし)
>冠動脈疾患患者
>慢性腎臓病(CKD)患者(蛋白尿陽性)
>糖尿病患者
>抗血栓薬を服用中の患者
すこしおかしいです。SPRINTでは糖尿病と脳卒中の既往がある人は除外されています。そう、糖尿病患者、脳血管障害患者のThe Lower the Betterのメリットは全く証明されていません。

いやそれどころか糖尿病患者さんの高血圧のコントロールの関与を調べた別の試験では、目標収縮期圧120mmHg vs. 140mmHgの比較試験で心血管イベントに差なしという介入が否定された結果がたくさん出ています。でもこの新しく作られたガイドラインでは、SPRINTに基づいたにも関わらず、SPRINTで除外された患者、他の試験で否定された患者も血圧をもっと下げろと提言しています。

昔コレステロールを下げる薬ができた時、The Lower the Better、が実践できると医師たちは根拠のないガイドラインを作成しました。そして今それは全く無くなっています。2012年の記事です。(医者、製薬会社がつくる病気

(もちろん細かな条件が別に付けられているかもしれませんが)効果がない人にも降圧薬をたくさん出そう!とはたからみられるこんなガイドラインを出すから医師が信用されなくなるんですよ。ディオバン事件をもう忘れたんですか。

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