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飛行機内で、8歳ぐらいの子どもに厳しく勉強を教える中国人の母親を見て

 歳を取ると弾丸出張もなかなか大変なのでありますが、瞬間移動というか反復横跳びのような出張をして疲労困憊しました。ま、そういう日程でいいやと思ったのは自分なので仕方がない。

 で、それほど長くないフライトではあるものの本でも読みながら過ごそうと思っていると並びの席に座った中国人母子がものすごい勢いで機内で子どもに怒鳴っているんです。その向こう側に座っている、アメリカ人かカナダ人らしき二人組が「何が起こっているのか」「虐待か」みたいな感じで見ているんですけど、よく考えたらその隣に座っているのは日本人男性の私で、彼らからすればその中国人の母、子ども、同じく中国人くさい主人と思われていたんじゃないかと。違う。違うんだ、私は中国人ではないから。天安門事件、文化大革命。

 とはいえ、気になるものは気になるので、他人でありつつもちらちらと見ると、どうもアメリカのどこかのスクールに入るために、英語で何かの論文を書くために猛勉強をしているらしい。凄い。たぶん、背丈を見るとうちの子と似たような8歳ぐらいの男の子だと思うんですよね。筆が進まない男の子に、母親が時折金切り声を挙げながら何かをさせようとしている。しまいには、Newsweekアジア版(?)を出してきて、母親は流暢な英語でここを写せと言っています。いや、それは剽窃だから……。

 最近、息子たちも中学受験が視野に入ってきて、ただ本人たちは別でやりたいことがそれなりに見つかっているのでなかなかエンジンがかかりません。まだ時間の使い方が分からないから、ダラダラしていいときは精一杯ダラッとし、何か集中するべきときはガッと入る、というような効率の良い時分の精神の捌き方のようなものは見つけられていないのです。集中するときに儀式を自分で作るといいよ、と教えても、まあなかなかそうスムーズにはいきません。

 そういう似た年ごろの息子たちを持つ私としては、何かを目指す親として、子どもにどうにかしてそこまで辿り着かせようという修羅のような形相で物事を強いる気持ちは良く分かるんですよ。やっぱり親として子どもには良い人生を送ってもらいたいし、何か一ミリでも他の人より頭一つ出て優れた人物になってほしい。

 ただ、受験戦争を勝ち抜いたわりに勝ち抜いた後が大反抗期とモラトリアム期間になってしまった私からすれば、親の自己満足や見栄の部分もあって立派なところに入ったところで、そのまま立派であり続けるにはなかなか大変だというのもあります。親のケツ叩きで良いところに入っても私のように落ちこぼれる人間もいれば、そのまま偉大な技術者になったり医者になるような奴も出るのが世の中だとするならば、いまここで無理強いして頑張らせることが近道であるのかいま一度考えるのが良いのではないかと思うわけです。

「大学生なのに%が計算できない」と日本の初等中等教育の憂鬱(修正あり)(山本一郎) - Y!ニュース https://news.yahoo.co.jp/byline/yamamotoichiro/20190427-00123968/
「おまえ、noteぐらいやっとけよ」と若者に煽られる選ばれし者の記憶|山本一郎(やまもといちろう)|note(ノート) https://note.mu/kirik/n/n8c8f00c47ce5

 そういう思うところもありつつ、私が子どもたちに伝えたいことは「悔いのないように、先を見据えて、やるべきときは集中してやれ」であります。やっぱこう、46年も生きていると「ああ、人生だいたいこんな感じかな」と、錯覚か本物か見えてしまうときがあります。漠然とした不安は、若いころはすべて自分の将来と現状だったものが、やがて仕事になり、家族になり、自らの健康へと変遷していく。それが大人になるということならば、やはり悔いのないように大人を迎えてほしいし、どういう大人になりたいのかは見定めてほしいし、その大人になるために集中してほしいわけですよ。伝えきるのは無理なんですけど。

人は強みで尊敬され、弱みで愛される|池田 紀行 @ikedanoriyuki|note(ノート) https://note.mu/ikedanoriyuki/n/nd4fcea15c873

 まあ、何が正解か分からないからこそ、子どもにとっても自分の気持ちに正直に生きることも大事なんだけどなあと思ったんですが、よく考えたら親にとっては子どもをビシビシ鍛えるのが正直な気持ちだということに考え至って、これはもうこの思考は駄目だなと思いながら『戦国大河』やってました。戦争したくねえなあと思いながら。戦争ゲームなのに。


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