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貴重な写真で綴る、フレディ・マーキュリーの生涯

Snowdon, Queen Productions Ltd.

2012年に発売された「The Great Pretender(原題)」には、クイーンのフロントマン、フレディ・マーキュリーの貴重な写真が多数掲載されている。同書の序文を寄稿した、フレディの大ファンである英コメディアン、リース・トーマスによる解説とともに、フレディの生涯を写真で振り返る。

1992年、イギリス人コメディアン、リース・トーマスは生まれて初めてコンサートに行った。それは、クイーンのフロントマン、フレディ・マーキュリーを追悼するために、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われたオールスター総出演の特別イベントだった。「観客が一体となって『伝説のチャンピオン』を歌ったときの雰囲気は想像を絶していた」とトーマスは語る。「そのあと、とり憑かれたようになり、お小遣いを全部はたいてクイーンのアルバムを買い始めた。16歳か18歳になるまで、クイーンの動画とアルバムを買うことが僕の人生だった」。

成長したトーマスはクイーンのコンサートを収録したDVDを多数リリースし、クイーン関連のライナーノーツを書き、アルバムをリイシューし、ドキュメンタリー映画『クイーン フレディ・マーキュリー神話〜華麗なる生涯〜』を監督した。トーマスによるクイーン関連仕事は、ドキュメンタリー映画と同名の写真集の序文を書いたことだ。「The Great Pretender(原題)」から厳選した15枚の写真をトーマスのコメントとともに紹介しよう。

ああ、青春


Mark@mpc-inc.co.uk


この写真が撮られたのはマーキュリーの住んでいたアパートメントで、バンドがまとまり始めた1970年頃だ。「フレディがギターで曲作りしていたことを忘れている人が多すぎる」とトーマスは言う。「この写真ではフレディがはにかんでいるのがわかる。当時の彼はまだ自分の本質に気づいていない。ロジャー(・テイラー、クイーンのドラマー)は『フレディは幼い羊のように歌っていた』とよく言っていた。フレディの静かな側面がよく表れている素敵な写真だ」

シアー・ハート・アタック


Johnny Dewe Mathews, Queen Productions Ltd.

この写真はクイーンの3枚目『シアー・ハート・アタック』がリリースされた1974年頃のものだ。この頃になるとフレディはスポットライトを愛するシンガーへと成長したが、それでも他のメンバーが彼を「少し肩を押して」カメラの前に立たせることが多々あったと、トーマスは教えてくれた。

フロントマン


Koh Hasebe/Shinko Music Archives.


「クイーンというバンドは、メンバー間に上下がなく、正真正銘4人の立場が平等なバンドだった。フレディがいつも言っていたのが『僕はリードシンガーってだけ』だ。フレディ・マーキュリーはクイーンの要だが、フレディ同様に(ギタリストの)ブライアン・メイ、(ドラマーの)ロジャー・テイラーがいなければクイーンは成り立たない」とトーマスは言う。

キラー・クイーン


Courtesy of Brian Mays private collection.

マーキュリーはバレエタイツにヒントを得たステージ衣装で有名になった。トーマスが言う。「フレディはバレエに夢中になり始め、みんなが馬鹿げているという中、彼は怯まずに着続けた。彼のその姿勢を僕は尊敬する。気にしないという強さをね」


公然とゲイライフを満喫


Neal Preston, Queen Productions Ltd.

「これは70年代後期のレザー衣装時代だ」とトーマス。「このとき、彼はニューヨークに引っ越していて、完全にカミングアウトをしていた。クイーンが収入を得始めたのもこの頃だ。ミュンヘンやニューヨークで、フレディは世間の好奇の視線にさらされることなくゲイライフを満喫できた。自分の股間をマイクでこするなど、彼の性的なパワーも増しているのがこの写真で見て取れる」

口ひげ


Snowdon, Queen Productions Ltd.

「1980年代半ばに彼は口ひげを生やした。当時のファンはフレディの口ひげに我慢できなかったし、口ひげを生やしたフレディを嫌った。カミソリをステージに投げ入れたファンもいたほどだ」と、トーマスが説明する。

80年代へ突入


Simon Fowler, Queen Productions Ltd.

音楽トレンドの変化に後押しされてマーキュリーはソロ活動へと舵を切り、1985年に『Mr.バッド・ガイ』をリリースするが、クイーンとのアルバム制作も継続した。


アイデンティティ



A. Sawa, Mercury Songs Ltd.

トーマスによると、クイーンのマネージャー、ジョン・リードがクイーンと仕事をするようになった70年代半ばに、マーキュリーがリードにカミングアウトしたという。「そのとき、フレディは初めてのそのことに触れたが、まだバンドのメンバーには隠していた」とトーマス。

コンソールの後ろで


Peter Hince, Queen Productions Ltd.

長年クイーンのツアークルーの主任を務めたピーター・ヒンスが撮影したスナップショットの中にあったスタジオ作業中のクイーン。

スポットライトを浴びて


Simon Fowler, Queen Productions Ltd.

マーキュリーは「ステージに立つのが待ちきれなかった。競技場のグレイハウンドのように」とトーマスが語った。


ライブエイド


Neal Preston, Queen Productions Ltd.

1985年に行われたチャリティ・コンサート、ライブエイドのロンドンステージでのパフォーマンスを「クイーン史上最高の瞬間」とトーマスは呼ぶ。「フレディは声帯結節のために歌えないと言っていた。それでも彼はあのステージに登場した。あれがクイーンにとってのターニングポイントとなった。フレディはソロ活動を始めていたし、ライヴエイドの前年に出したクイーンのアルバム(1984年の『ザ・ワークス』)は売れなかったため、この頃のバンドは活動休止状態。ボブ・ゲルドフが『これに参加しないとダメだ』と彼らに言ったのだが、実はチケット発売時点でクイーンの参加はまだ決まっていなかった。あのステージでは5曲をメドレーで演奏して観客の度肝を抜いた」とトーマス。

激情


Simon Fowler, Mercury Songs Ltd.

トーマスはクイーンのメンバーを「全員がカリスマを持っているし、フレディも気楽に構えていた」という。

スペインのオペラ歌手モントセラート・カバリュ


Terry O’Neill, Mercury Songs Ltd.

1987年、マーキュリーはルチアーノ・パヴァロッティの歌唱を見た。同じ夜、そこにはスペインのオペラ歌手モントセラート・カバリュもいた。「フレディはそのとき初めてカバリュを知り、『今まで聞いた中で最高の声だ』と言った」と、トーマスが言う。そのあと、マーキュリーとカバリュは『バルセロナ』というアルバムを共同制作した。リリース時点でこのアルバムのアメリカ発売はなかったものの、二人が歌ったタイトル曲「バルセロナ」はヨーロッパで大ヒットとなった。「モンセラートはフレディのアイドルだった。彼はお気に入りのジミ・ヘンドリクス、ジョン・レノン、ロバート・プラントと同じくらい、彼女を気に入っていた」とトーマス。

唯一無二


Neal Preston, Queen Productions Ltd.

アダム・ランバートやポール・ロジャースなどのシンガーを迎えて音楽活動を続けている近年のクイーンについて、トーマスは「みんな、今でもクイーンの音楽を聞きたいんだ。誰が歌ったとしても、それはフレディの代わりというのではなくて、新しい歌声として聞いている」と述べた。

偉大な王位詐称者


Peter Hince, Queen Productions Ltd.

「これはフレディお気に入りの写真の一枚だったと思う」と、写真集の表紙に使われた写真を指してトーマスが言う。「もちろん冗談だった。フレディは自分をキングだなんて思っていなかったから。勘違いする人もいるだろうが、彼はみんなをからかっているだけさ」と。

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