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プーチン大統領を待たせた金正恩委員長の外交手腕

 歴史的なロ朝首脳だったにもかかわらず、メディアは何ひとつ有益な情報を与えてくれなかった。

 どの記事を読んでも、判で押したように、米国との交渉が行き詰まったために北朝鮮はロシアに救いを求めたとか、北朝鮮の非核化交渉で蚊帳の外だったロシアが存在感を示そうとしたとか、米国をけん制するためにロシアと北朝鮮の利害が一致したとか、誰もが書けそうな解説記事ばかりだ。

 無理もない。

 なにしろ日本政府がどこからもロ朝首脳会談に関する情報を得るすべがないからだ。

 政府が何も知らないのだから、その政府から情報をもらって記事にするだけの日本のメディアが、有益な記事を書けるはずがない。

 そんな中で貴重な情報を与えてくれた記事を見つけた。

 きょう4月27日の日経新聞に次のようなくだりがあった。

 「・・・・・・プーチン氏は首脳会談への遅刻が多い事で知られる。25日はほぼ予定時間に会場入りしたが、金正恩氏はその30分後に入った。韓国メディアは威厳を保つため意図的に到着を遅らせたとの見方を報じている・・・」

 これには驚いた。

 プーチン大統領は金正恩委員長に敬意を表して遅れなかったということだ。

 私の記憶では、プーチン大統領が二人だけの首脳会談で(国際会議は別として)遅刻しなかったのは、これがはじめてだ。

 しかし、それよりももっと驚いたのは金正恩委員長だ。

 プーチン大統領が遅れる事を見極めた上で、逆に30分もプーチン大統領を待たせたのだ。

 そもそも今度の首脳会談は、かねてから受けていたプーチン大統領からの招待を金正恩委員長が先延ばしていたものだ。

 トランプ大統領との首脳会談が思うように進まない事がわかってはじめて、プーチン大統領の招待に応じたのだ。

 こちらから頭を下げて訪問したわけではないから、待たされることなどとんでもない、少しぐらい待たせるのが招待された者の権利であり、礼儀だ、そういわんばかりである。

 会うたびに何時間も待たされて、それでいて文句ひとつ言わない安倍首相とは大きな違いだ。

 金正恩委員長は、無意味な歓談になることを知っているからこそ、安倍首相と会おうとしないのだ。

 金正恩委員長と安倍首相の外交手腕の違いを教えてくれた日経新聞は他紙に比べ立派だ。

 しかし、その評価も半ばである。

 韓国のメディアが報じたのを引用するのではなく、独自の取材で報じてはじめて日経は立派だと言う事になる(了)

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