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米軍再編のチャンスを活かし、国防力を高めることで負担軽減を図るべき

先週、沖縄に飛び、参院予算委員長に随行して嘉手納町長、沖縄市長、普天間飛行場のある宜野湾市長、浦添市長、那覇市長と個別に会談して参りました。実際に、メディアを通じて沖縄を理解するのと、現地で住民を代表する首長のお話を聞くのとでは、その理解度は大いに異なるものです。改めて強く感じたのは、「原発と基地の課題には共通点が多い」ということ、そして国の防衛問題や米軍基地問題は、沖縄だけの問題ではなく、日本全体の問題である、ということです。

政権交代をし、鳩山さんが総理になり、「国外移転を目指す。最低でも県外!」と言いながら、その見込みが立たないまま挫折し、いつの間にか現政権も普天間の辺野古移設を目指すことになりました。一方で、覆水盆に返らずというべきか、もともと辺野古への移設は無理があったのか、議論は分かれますが、いずれにせよ普天間の辺野古移設がこのままスムーズにいくと思っている国民は少ないのが実情です。この件で私たちの政権が国民の信頼を損ねたことを真摯に受け止めながら、若い私たちの世代にこそ次代の国防を考える責務があります。

今、在沖縄米軍を含め、アメリカ軍は全世界的な再編を行っています。グァムに沖縄の海兵隊員を移すことも、この一環です。定期的な再編、見直しに加え、今回の肝は「財政負担の軽減」にあります。イラク、アフガニスタンでの作戦展開に相当な財政支出を迫られ(ブラウン大学研究者の調査では総費用2兆3000億ドル=186兆円!)、国防費も聖域なく減らす必要性に迫られています。昨年には総額2兆5000億ドルの財政赤字削減を目指す法律が成立し、軍事費は4500億ドル=34兆円を今後10年間で削減するとしています。さて、アメリカには以前にも、こうした歴史がありました。それはベトナム戦争において膨大な軍費を支出し(1110億ドル、今の価値に直すと6860億ドル=55兆円程度)、沖縄の返還を含む負担の縮小、再編させたことがありました。歴史は繰り返す、そして、現実としてアメリカの経済と、在日米軍には、強い相関関係があるのです。
もう一つ考えるべきは、兵器の近代化と戦争・防衛の態様変化です。湾岸戦争が印象的ですが、今の軍事戦争は、兵隊が上陸して人間同士の戦闘を行うというより、ハイテクミサイルを打ち合うようなものに重点がシフトしています。先般の北朝鮮の衛星と称するミサイル打ち上げに対して、PAC3にて迎撃準備をしていたことは記憶に新しいですが、このように、必ずしも前線に多くの兵員を配備しておく必要性は少なくなっています。

こうした外的要因があるなかで、わが国はどうあるべきでしょうか。私は、この機会を活かし、日本国の防衛力そのものを近代的に強化した上で、米軍が果たしている東アジアの安定に果たす役割を、わが国自身が担う決意と物理的な備えをすべきと考えます。そのことで、結果として沖縄に駐留する米軍を減らすことにもつながる解は見つかると思います。ただ単に「沖縄の負担を減らせ」というのでは、防衛力低下に対する懸念への答えにはなりません。しかし、今、わが国がしっかりとした指針を打ち立てれば、米軍再編成の流れに沿って、新たな展開も望めると考えます。

私自身、西宮・芦屋という都会の住宅地選出の議員です。原発や基地の立地選挙区ではありません。だからこそ、国全体の問題としてこれら課題に取り組むことが出来る、そう思います。今後、国防問題にも積極的に取り組んでいきたいと思います。

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