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「令和」が景気にプラスと断言する理由

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新元号「令和」は経済にどんな影響を与えるだろうか。三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「今回は天皇の逝去に伴う改元ではないため、自粛ムードはなく、関連商品やサービスが続々と生まれている。景気にプラスに働きそうだ」と指摘する――。

■ラ行で始まる元号は過去には3つだけ

5月から「令和」が始まる。新元号は日本の経済にどのような影響を与えるであろうか。

平成の30年間は均してみると経済的には横ばいの状況が続いた。図表1は75年からデータがある現行の、鉱工業生産指数を88年までの昭和の時代と、89年から2019年2月分までの平成時代をタイムトレンド線で回帰してみた。昭和の時代は右肩上がり、平成時代はおおむね横ばい(わずかに右肩下がり)になっていることが見て取れる。令和の時代は再び右肩上がりになってほしいものだ。


「令和」という新しい元号に変わると、多くの国民の気分も新たになる。前向きなマインドが生まれそうだ。ラ行で始まる令和(レイワ)は新鮮な印象を与える。古来の日本語の「大和言葉」にはラ行で始まる単語はなく、音読みの漢語か外来語のようだ。

そのためか、ラ行の元号は珍しく、過去には「霊亀」、「暦仁」、「暦応」の3つしかない。「霊亀」(715年~717年)は奈良時代、元正天皇即位の際に瑞亀(ずいき)が献上されたことにより名付けられたという。「暦仁」(1238年~1239年)は鎌倉時代(1185年ごろ~1333年)の元号で、「暦応」(1338年~1342年)は南北朝時代(1336年~1392年)に北朝で使われた。

なお「令」の字が入った元号は幕末に候補に挙がったことがある。1864年に「令徳」と「元治」が候補に挙がったが、江戸幕府は「元治」を選んだという。「慶応」のひとつ前の元号選びの時のことである。

一方、「和」は昭和と字が重なり、年配の世代にも親しみやすさがあるだろう。新鮮さと安心感を組み合わせた元号で、個人消費にはプラスに働くとみられる。

■時代の変わり目「記念消費」の効果は大きい

過去のデータをみると、改元など時代の変わり目は個人消費や設備投資を刺激している。現在のGDP統計は1980年までさかのぼれる。81年から2018年まで38年分、1~3月期の前期比伸び率を高い順に並べると、図表2のように、第1位は平成に改元された89年、第2位はミレニアムの2000年である。どちらも個人消費、設備投資がしっかりした伸び率になっている。時代の変わり目の「記念消費」などの効果は大きいようだ。また、昭和から平成への切り替えや、2000年問題に対応するための設備投資も必要になったのだろう。


今回の改元は5月1日で、新元号「令和」の発表は4月1日と1カ月前だったことが、昭和から平成への切り替え時などと、決定的に異なる。天皇陛下崩御による自粛ムードがあったこれまでの改元と違い、今回は国民こぞってのお祝いムードが高まっている。

今、100歳の人でも、改元という時代の変わり目を迎える経験は、1926年の「大正」から「昭和」、1989年の「昭和」から「平成」、そして今回2019年の「平成」から「令和」の3回にすぎない。めったにない一大イベントと言えよう。

ゴールデンボンバーはさっそく新元号ソングを発売

すでに「平成」や「令和」にちなんだ関連商品、サービスもさまざまなかたちで出てきている。ゴールデンボンバーがさっそく“最速”目指して新元号ソング「令和」の制作風景をインターネット配信し、10日には一部店舗で先行発売した。旅行業界ではこれまでも「平成最後の伊勢神宮参拝」をはじめ、「平成最後の……」と銘打った企画が人気であった。

4月30日から5月1日にかけて、元号をまたぐツアーなども企画されている。4月1日の新元号発表に合わせた、「令和」の文字が入ったあめなどの商品も即日販売された。当面、改元記念の「コト消費」が増えそうだ。

社名に「令和」を入れた企業も30社を突破

東京商工リサーチは4月11日に新元号「令和」と同じ漢字表記を会社名に入れた企業が、全国22都道府県で32社になったことを明らかにした。法人登記が完了し、同日までに登記簿が閲覧可能となったものを確認したという。

新元号が発表された4月1日時点では、同社が保有する317万社のデータベースには「令和」が入った会社は1社もなかったという。新元号ブームに乗って、今後も新元号を入れた企業が増えそうだ。『万葉集』で大伴旅人が主催した観梅の宴の地が大宰府であったからか、福岡県が最多の5社だという。

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