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実弾装填で実戦的警護_2012北朝鮮「衛星」発射

先日の「衛星」騒ぎは、自衛隊としては、数少ない実戦的態勢を取る機会でした。
注目されたPAC-3やイージスは言うに及ばず、メチルヒドラジン汚染を警戒した化学防護小隊もそうでしょう。

しかし、自衛隊の歴史上、もしかすると「エポックメイキングになった」と言われるかもしれない実例は、これだけではありませんでした。

PAC3警備に銃携行 石垣島の陸自部隊 実弾装填、国内初」(産経新聞12年4月6日)
(共同通信、及び配信を受けた地方紙も同様の内容を報道してます)

自衛隊が銃を携行していることはあたりまえです。
ですが、基地等外において、実弾を”装填”して警備を行うことは、過去になかったことです。私が実例を知らないだけかもしれませんが……
(ただし”装填”は、薬室装填ではなく、マガジンの装填だけだと思われます)

なぜかと言えば「国民に銃を向けるつもりなのか!」という批判を恐れたがためです。

ただし、”装填”が初なのであって、95条を適用し、武器等防護のための武器の使用によって警備を行う事は、従来から頻繁に行われてきました。
何せ、何ら出動任務が発せられていない平時において、武器を使用する根拠法令は、9.11以後に、95条の2(自衛隊の施設の警護のための武器の使用)が出来るまでは、他に何もなかったからです。
(対領侵を除く)

一応整理しておくと、平時における武器使用の根拠は次の通りになります。
9.11後の自衛隊法改正以前
 ・通常の基地等の警備も含めて武器等防護
自衛隊法改正以後
 ・基地等内においては施設警護
 ・基地等外においては武器等防護

「じゃあ、装填してなかったら、どうしてたんだ?」という話になると思いますが、実弾入り弾倉は、別に携行したり、別保管だったりしてました。
銃は弾倉自体が未装着か、空弾倉を装着(ゴミ等の侵入防止にはこの方がいいが、イザ銃を使いたいときに空弾倉を抜く手間がかかるので、良し悪し)でした。

何にせよ、実戦的ではなかった訳です。

それが、今回はPAC-3部隊に陸自の警護が付いた上、実弾を装填する等、随分と手厚い状態になりました。

2009年の「衛星」騒ぎでは、どちらもやらなかった訳ですから、随分と進歩です。

2009年の際の反省事項として、事前に調整準備されて来ただけなのかもしれません。
もしくは、2009年以上に北朝鮮が自衛隊の対応を強い調子で批判しており、何らかの活動が行われる可能性があるとの情報分析があったのかもしれません。
もしかすると、配備が沖縄であることや基地等外に展開したことも、多少は影響した可能性もあります。

何にせよ、本来、これが当然です。
テロ分子等が展開地内に侵入し、PAC-3を奪取でもすれば、民間機を落とすことも簡単だったのですから、国民の安全を考えれば、自衛隊が自衛隊の装備を、武器を持って防護することは、やって当たり前です。

参考:自衛隊法

(武器等の防護のための武器の使用)
第九十五条  自衛官は、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備又は液体燃料を職務上警護するに当たり、人又は武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条 又は第三十七条 に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

(自衛隊の施設の警護のための武器の使用)
第九十五条の二  自衛官は、本邦内にある自衛隊の施設であつて、自衛隊の武器、弾薬、火薬、船舶、航空機、車両、有線電気通信設備、無線設備若しくは液体燃料を保管し、収容し若しくは整備するための施設設備、営舎又は港湾若しくは飛行場に係る施設設備が所在するものを職務上警護するに当たり、当該職務を遂行するため又は自己若しくは他人を防護するため必要であると認める相当の理由がある場合には、当該施設内において、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条 又は第三十七条 に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

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