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  • 東龍
  • 2019年04月24日 19:52

シャンハラ、カシオレハラ、おいしいぞハラスメント 新アルハラのアルコノミハラスメントとは何か?

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性別

性別によってもアルコノミハラスメントは起こります。

代表例として挙げられるのはシャンパーニュ・ハラスメントもしくはシャンパン・ハラスメント、略してシャンハラです。

女性であれば誰しも、シャンパーニュはもちろん、泡物であるスパークリングワインが好きであると決めつけて、それを強いたり茶化したりすることです。

具体的には、シャンパーニュやヴァン・ムスー、カヴァやスプマンテといったスパークリングワインを勝手に注文したり、スパークリングワインを選ばなかった女性に対して「最初はシャンパンでしょう」「どうしてシャンパンを飲まないの」と意見を押し付けてきたりする行為が該当します。

それなりにオシャレなフレンチやイタリアンであればもちろん、大衆的な居酒屋やチェーン店であっても、同じことが起こるようです。

女性誌で「合コンで女性が飲んでいると好印象なお酒」としてスパークリングワインが挙げられたり、ラグジュアリー誌で「今夜はシャンパーニュでデート」といった特集が組まれたり、女性をターゲットにしたレストラン予約サイトでスパークリングワインの特典が付いていたりします。

こういった情報を目の当たりにしていれば、女性であって男性であっても、女性はスパークリングワインが好き、女性はスパークリングワインを飲むべし、というバイアスがかかってしまうのかもしれません。

ロゼワインは、フランスでは白ワインよりもたくさん飲まれていたり、アメリカでも近年市場が拡大していたりしますが、日本ではブームが訪れると毎年予言されつつも、まだあまり飲まれていません。

見た目が淡いピンク色ということもあって、日本ではワイン初心者や女性が飲むものと思われたり、男性が飲むのはかっこ悪いという雰囲気があったりするでしょう。ロゼワインは女性が飲むものであり、男性はあまり好まないものであるという押し付けもアルコノミハラスメントにあたります。

見た目

見た目もアルコノミハラスメントの要素のひとつとなっています。見た目の場合にはおそらく、特に女性が対象になることが多いのではないでしょうか。

例えば、外見が可愛らしかったり、童顔であったりする女性は、甘くて爽やかで飲みやすいカクテルが好きであると思われることが少なくありません。女性が好きなカクテルの代表格であるカシスオレンジに関して、カシオレハラスメントもあると聞きます。

チャーミングな女性が、飲み会やデートの席で、ソルティドッグのような辛口のカクテル、ワインやウィスキーなどをオーダーすると「どうしてカシスオレンジを飲まないの」と尋ねられるというのです。

反対に同じ女性であっても、大人っぽかったり、クールな雰囲気をまとったりしている方であれば、フルボディの赤ワインや度数の高い蒸留酒を飲むものだという思い込みもよくされます。

こういった女性がカシスオレンジをオーダーすると「あなたはカシスオレンジではないでしょう」といわれるのです。

男性に関しては、体育会系のがっしりした人であれば、いくらでもビールが飲めるという印象を持たれたりするでしょう。シニア世代の男性であれば、日本酒や焼酎ばかりを飲みそうで、ソーテルヌなどの貴腐ワインなどは全く飲まないと思われるかもしれません。

男女共に、見た目によってお酒が飲めそうか、飲めなさそうか、飲めるのであれば、こういったお酒を飲んでいそうで、こういったお酒は飲めなさそう、といったイメージがあるかと思います。

しかし、当の本人はこれまでの人生における人付き合いの中で、お酒に関する特定のイメージが持たれていることを十分に自覚しているのです。

酒席のたびにいちいち説明するのも面倒なので、会話の端緒にするくらいであればまだしも、しつこく言及されたり、茶化されたりしたくないと感じています。

おいしいぞハラスメントも

ここまでアルコールを含んだドリンクの嗜好に関するハラスメントについて話を展開してきました。

聞いたところによると、「おいしいぞハラスメント」=「おいハラ」なるものも存在しているといいます。

デートで連れて行ってもらった飲食店で、食べ物だけではなく飲み物も含めて、これがいかにおいしいものであるのか、貴重なものであるのかを力説されたり、ウンチクを延々と講釈されたりし、極めて希少かつおいしいものであると感じなければならない同調圧力を感じるというのです。

こういった事象を鑑みると、私はジェンダー学(女性学)の完全な素人ですが、食においても女性はかくあるべきという姿やイメージが求められるような気がしてなりません。

同じコミュニティで同じお酒を飲む

お酒には長い歴史があり、最も古いとされるワインは紀元前4000年頃からメソポタミア地方のシュメール人によって飲まれ、ビールは紀元前3000年頃から飲まれていました。

古来より様々な地域の文化や風土の中で育まれ、宗教儀式、祝事や慶事で大きな役割を果たしてきましたが、これは同じコミュニティで同じお酒を飲むことによって、絆を深めたり、身内意識を高めたりしてきたことを意味します。

しかし、この現代では、各国において世界の食材が使われ、真空調理や減圧調理、分子調理や単音調理といった先鋭的な調理法が用いられ、料理がボーダーレスとなっているのです。

こういった状況では、ある料理に相応しいお酒の解釈もかなり変容されてきており、正解となるお酒は存在しません。

時代への逆行

食の価値観が多様化していく中で、お酒の嗜好に関するアルコノミハラスメントがあるのは時代に逆行しているといってもよいでしょう。

味覚や嗜好は個人の感覚や経験、考え方や気分によって大きく変わるものです。したがって、最初の乾杯に赤ワインやウィスキーを選んだり、おしゃれなデートで焼酎を飲んだり、コースが終わって食後酒にビールを飲んだりと、これからはますます多様な価値観が認められていくのではないでしょうか。

同席者と共に食事の場を楽しく過ごすためにも、お酒が飲める飲めないというだけではなく、飲めるとしても、何が飲めるのか飲めないのか、何を好んで飲むか飲まないのかも、配慮しなければならない時代になっていると私は思います。

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